『フクシマの嘘』・・・ドイツZDF(第二ドイツテレビ)の番組・・・字幕テキスト
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26.(インタビュー:佐藤栄佐久氏の言葉)「福島県の原発で働く情報提供者から約20通のファックスが届き、その中にはスガオカ氏の告発も入っていました。経産省は、その内部告発の内容を確かめずに、これら密告者の名を東電に明かしました。」
2012-04-05 21:47:0927.(インタビュー:佐藤栄佐久氏の言葉)「それからわかったことは、私も初めは信じられませんでした。東電は、報告書を改竄していたというのです。それで私は新聞に記事を書きました。そんなことをしていると、この先必ず大事故が起きる、と。」
2012-04-05 21:47:2228.それでやっと官僚たちはなにもしないわけにいかなくなり、17基の原発が一時停止に追い込まれた。調査委員会は、東電が何十年も前から重大な事故を隠蔽し、安全点検報告でデータを改竄してきたことを明らかにした。それどころか、フクシマでは30年も臨界事故を隠してきたという。
2012-04-05 21:47:3029.社長・幹部は辞任に追い込まれ、社員は懲戒を受けたが、皆新しいポストをもらい、誰も起訴されなかった。一番の責任者であった勝俣恒久氏は代表取締役に任命された。
2012-04-05 21:47:3730.彼らは佐藤氏に報告書の改竄に対し謝罪したが、佐藤氏は安心できず、原発がどんどん建設されることを懸念した。そこで佐藤氏は日本の原発政策という「暗黙のルール」に違反してしまった。……2004年に復讐が始まった。
2012-04-05 21:47:4531.(インタビュー:佐藤栄佐久氏の言葉)「12月に不正な土地の取引の疑いがあるという記事が新聞に載りました。この記事を書いたのは本来は原発政策担当の記者でした。この疑惑は、完全にでっち上げでした。弟が逮捕され首相官邸担当の検察官が一時的に福島に送られて検事を務めていた。」
2012-04-05 21:47:5332.(インタビュー:佐藤栄佐久氏の言葉)「彼の名はノリモトという名で、遅かれ早かれ、お前の兄の検事を抹殺してやる、と弟に言ったそうです。」
2012-04-05 21:47:5933.(インタビュー:佐藤栄佐久氏の言葉)「事態はさらに進み、県庁で働く200人の職員に圧力がかかり始めました。少し私の悪口を言うだけでいいから、と。中には2、3人、圧力に耐え切れずに自殺をする者さえ出ました。私の下で働いていたある部長は、いまだ意識不明のままです。」
2012-04-05 21:48:1334.それで、同僚や友人を守るため、佐藤氏は辞任した。裁判で彼の無罪は確定されるが、しかし沈黙を破ろうとした「邪魔者」はこうして消された。これが、日本の社会を牛耳る大きなグループの復讐だった。そしてこれこそ、日本で原子力ムラと呼ばれるグループである。
2012-04-05 21:48:2335.(インタビュー:菅直人氏の言葉)「ここ10~20年の間、ことに原子力の危険を訴える人間に対するあらゆる形での圧力が非常に増えています。大学の研究者が原発には危険が伴うなどとでも言おうものなら、出世のチャンスは絶対に回ってきません。」
2012-04-05 21:48:3036.(インタビュー:菅直人氏の言葉)「政治家はあらゆる援助を電力会社などから受けています。しかし、彼らが原発の危険性などを問題にすれば、そうした援助はすぐに受けられなくなります。反対に、原発を推進すれば、多額の献金が入り込みます。」
2012-04-05 21:48:3837.(インタビュー:菅直人氏の言葉)「それは文化に関しても同じで、スポーツやマスコミも含みます。このように網の目が細かく張りめぐらされて、原発に対する批判がまったくなされない環境が作り上げられてしまいました。」
2012-04-05 21:48:4538.(インタビュー:菅直人氏の言葉)「ですから、原子力ムラというのは決して小さい領域ではなくて、国全体にはびこる問題なのです。誰もが、この原子力ムラに閉じ込められているのです。」
2012-04-05 21:48:5239.東電から献金を受け取っている100人以上の議員に官首相は立ち向かった。その中には前の首相もいる。やはり彼と同じ政党所属だ。
2012-04-05 21:48:5940.…ネットワークは思う以上に大きい。多くの官僚は定年退職すると、電事業関連の会社に再就職する。1962年以来東電の副社長のポストは、原発の監査を行うエネルギー庁のトップ官僚の指定席だ。これを日本では天下り、と呼んでいる。
2012-04-05 21:49:0741.しかし、反対の例もある。東電副社長だった可能時男氏は当時与党だった自民党に入党し、12年間、日本のエネルギー政策を担当し、それからまた東電に戻った。
2012-04-05 21:49:1642.このネットワークについて衆議院議員の河野太郎氏と話した。河野氏の家族は代々政治家で、彼の父も外相を務めた。彼は、第二次世界大戦後日本を約60年間に渡り支配した自民党に所属している。原発をあれだけ政策として推進してきたのは自民党である。
2012-04-05 21:49:2543.(インタビュー:河野太郎氏の言葉)「誰も、日本で原発事故など起こるはずがない、と言い続けてきました。だから、万が一のことがあったらどうすべきか、という準備も一切してこなかったのです。」
2012-04-05 21:49:3644.(インタビュー:河野太郎氏の言葉)「それだけでなく、原発を立地する地方の行政にも危険に対する情報をなにひとつ与えてこなかった。いつでも、お前たちはなにも心配しなくていい、万が一のことなど起こるはずがないのだから、と。」
2012-04-05 21:49:4345.(インタビュー:河野太郎氏の言葉)「彼らはずっとこの幻想をばらまき事実を歪曲してきた。そして今やっと、すべて嘘だったことを認めざるを得なくなったのです。」
2012-04-05 21:49:5247.14時46分に日本をこれまで最大規模の地震が襲った。マグニチュード9だった。しかし、地震は太平洋沖で始まったその後のホラーの引き金に過ぎなかった。時速数百キロという激しい波が津波となって日本の東部沿岸を襲った。
2012-04-05 21:50:0848.津波は場所によっては30メートルの高さがあり、町や村をのみこみ消滅させてしまった。約2万人の人がこの津波で命を失った。そして福島第一にも津波が押し寄せた。
2012-04-05 21:50:1649.ここの防波堤は6メートルしかなかった。津波の警告を本気にせず、処置をとらなかった東電や原発を監査する当局は、警告を無視しただけでなく、立地場所すら変更していたのだ。
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