【ほうかご百物語】妖怪についてつらつらと(9巻)
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※天吊るしについて
※資料を基にした概説メモ
さて、今日は『ほうかご百物語』(9巻)より「天吊るし」。参考文献は[1]『妖怪事典』(村上 健司著、毎日新聞社、2000)、[2]『日本怪談集 妖怪篇』(今野 円輔編著、株式会社社会思想社、1981)、[3]『日本民俗文化資料集成 8妖怪』(谷川 健一編纂、三一書房、1988)。
2012-06-26 19:32:36天吊るしは『北巨摩郡口碑集』(北巨摩教育委員会)で報告された妖怪。山梨県北巨摩郡のある家で、夜中に稚児のようなものが天井からたびたび降りてきたという[1][2][3]。
2012-06-26 19:32:59『日本怪談集 妖怪篇』に拠れば、"天井の垢嘗"(天井嘗のことか?(筆者注))のような創作妖怪の一種かもしれないが、詳しいことは分からない、とも記している。
2012-06-26 19:33:30※作中との比較
以下『ほうかご百物語』(9巻)本編との比較。…といっても、戦ったのは憑依した本人の力だけだな…。その憑依した者の語った通りの特に直接害を及ぼすわけではない妖怪でした。
2012-06-26 19:35:34元の文だと"稚児"を寺社に奉公した青少年と解釈するか、ただの子供と解釈するか微妙なラインがあるけど、ほうかごだとただの子供らしいので本当に直接害がない…。ということで以上。
2012-06-26 19:36:50※イジャロ転がしについて
※文献を基にした概説メモ
参考文献は[1]妖怪事典』(村上 健司著、毎日新聞社、2000)、[2]「全国妖怪語辞典」『日本民俗文化資料集成 8 妖怪』(谷川 健一編纂、三一書房、1988)、
2012-07-16 18:13:54[3]『日本妖怪博物館』(株式会社新紀元社 Truth In Fantasy編集部・弦巻 由美子編、戸部 民夫・草野 巧著、株式会社新紀元社、1994)。
2012-07-16 18:13:56イジャロ転がしは長野県南佐久郡南牧村海ノ口に伝わる妖怪。夜遅くに破れた堂に現れ、その姿はイジャロ(笊)のようだという。このイジャロのようなものが転がってきて、人の前まで来ると人間の形になったという[1][2][3]。
2012-07-16 18:14:05多くは子供が驚かされたという[1]。ところで、『日本妖怪博物館』では人間の形に化けること、古びた堂に出たことからこれを狸や狢の類かと度億時に推測しているが、詳細は不明。
2012-07-16 18:14:07※作中との比較
『ほうかご百物語』9巻では人を驚かすのが目的、と先輩に言われていたが、これは「多くは子供が驚かされた」という伝承からの発想であろうか。ちなみに、作中の記述に拠れば出現したのはバスケットボール大の塊だったというが、笊といえばそのくらいの大きさか。
2012-07-16 18:14:28元の伝承では、人の目の前で人間の形になったというが、それを塊が弾けて中から出てきた、という表現で描くのは直感的に分かりやすくて面白いと思った。あと、先輩よく最初からイジャロ転がしだって分かっていましたね。
2012-07-16 18:14:30伝承に着目するならば、転がり系にしては形がハンマーではなく笊であり、しかもそれが変形するというのだからなかなかレアなタイプだと思う。ということで以上。
2012-07-16 18:14:37※細手長手について
※文献を基にした概説メモ
さて、今日は『ほうかご百物語』9巻より、「細手長手」。参考文献は[1]『遠野のザシキワラシとオシラサマ』(佐々木 喜善著、山田 野理夫編、宝文館出版株式会社、S.52)、[2]『妖怪事典』(村上 健司著、毎日新聞社、2000)、
2012-06-30 22:55:06細手長手は佐々木喜善『遠野のザシキワラシとオシラサマ』や『奥州のザシキワラシの話』にある怪異。細手の怪ともいう[2][3]。岩手県遠野地方に伝わるもの。
2012-06-30 22:55:25