広島長崎から学ぶ内部被曝(原爆症認定集団訴訟資料集より)
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(1)原爆症認定集団訴訟たたかいの記録(第2巻資料集)。580ページの分厚い資料集ですが、図書館から借りて読んでみました。患者勝訴のポイントを連続ツイートします。内部被曝を理解する上で重要な内容です。 http://t.co/wYpti4Rh
2012-05-08 16:31:11内部被曝の機序に関する記述
(2)広島原爆では核分裂しなかったウラン235約45kgのほとんどが放射性降下物になって降下したと考えられる。α線の生物学的効果比を20とすると、5ミクロンの酸化ウラン微粒子周辺の飛程距離内組織は127SVの被曝線量当量を毎年あび続けることになる。
2012-05-08 16:32:24(3)長崎原爆では核分裂しなかったプルトニウム239約10kgが放射性降下物になって降下したと考えられる。5ミクロンの酸化プルトニウム微粒子周辺の飛程距離内組織は272万SVの被曝線量当量を毎年あび続けることになり、周辺の細胞は死んでしまう。
2012-05-08 16:32:44(4)外部被曝の場合は一様に被曝するので1kg当たりの吸収エネルギーといった吸収線量によって被曝線量を評価することが出来る。内部被曝の場合はホットスポット直近の球殻の細胞組織は集中して継続的な強い被曝を受け、これに次ぐ影響をその周りの球殻が受ける。
2012-05-08 16:33:09(5)1つの放射線粒子のエネルギーは数万電子ボルトから数百万電子ボルトであり、一方細胞内のDNAなどの分子の1個の電子が電離するエネルギーは10電子ボルト程度なので、1個の放射線粒子が解離させる電子の数は数千個から数十万個に達する。
2012-05-08 16:33:29内部被曝の複雑さに関する記述
(7)人体内では内部被曝、人工核種の生態濃縮、高LET放射線の持続的被曝などという複雑な機構によって放射線影響が生じるのであり「健康影響を生じさせるとは考え難いほどの低線量」という表現は適切ではない。
2012-05-08 16:34:14心疾患や脳卒中との因果関係に関する記述
(8)放影研の最近の疫学調査の結果は、循環器疾患(心疾患、脳卒中)の死亡率及び高血圧の発生率と放射線被曝線量との間の線量反応関係の存在を示している。
2012-05-08 16:34:32(9)被曝時年齢が低い群(40歳未満)では循環器疾患全体の死亡率及び脳卒中又は心疾患の死亡率は線量と有意な関係を示し、線量反応曲線は純粋な二次又線形―しきい値型を示したとする解析結果も報告されている。
2012-05-08 16:34:53黒い雨に関する記述
(10)放射性降下物による被曝についても黒い雨の降雨に限ったものであり、黒いススや放射性微粒子による被曝を無視したものになっている。さらに黒い雨の降雨領域についても己斐、高須、西山、木場地区に限定されるものでない。
2012-05-08 16:35:13ストレスに関する記述
(12)大規模空襲に遭った他の戦争被害者には脱毛の急性症状が出たとの報告はない、したがって急性症状がストレスや食糧事情による影響とは考えにくい。
2012-05-08 16:35:54入市被曝に関する記述
(13)賀北部隊の入市被曝:隊員99名のうち急性症状が32名(出血14、脱毛18、皮下出血1、口内炎4、白血球減少11)。このうち放影研も脱毛6歯根出血5口内炎1白血球減少2についてほぼ確実な放射線による急性症状と認める。
2012-05-08 16:36:24(14)暁部隊の入市被曝→回答者233名のうち倦怠感168、白血球減少120、脱毛80、嘔吐55、下痢24。 三次高等女学校の入市被曝→23名のうち白血病2卵巣癌1肝臓癌2胃癌1膵臓癌1
2012-05-08 16:36:46DS86やDS02といった線量評価に関する記述
(15)線量評価システムであるDS86、02は現存する最も優れたシステムであるが、その適応についてはそれ自体に内在する限界が在することに加えて、その計算値が少なくとも爆心地からの距離が1300m以遠の遠距離において過小評価となっていると考えられる残留放射能の測定結果が存在する。
2012-05-08 16:37:14(16)DS86やDS02では放射線がほとんど到達していないとされる2キロメートル以遠においても様々な急性症状の発症が確認されている。このことは動かし難い事実である。
2012-05-08 16:37:34(17)当該申請者の線量割り当てについては、あくまで外部被曝のみを算定しているに過ぎず、人体に深刻な健康影響を及ぼす内部被曝については考慮がなされていない。
2012-05-08 16:37:55