広島長崎から学ぶ内部被曝(原爆症認定集団訴訟資料集より)
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(18)ABCCは設立後も米軍軍医総監局の下にあり、米軍合同調査団のスタッフを受け継いだことや、軍事目的により情報の統制がなされ、資料等がアメリカに持ち去られた事を指摘。さらに核兵器製造施設や原子力産業のために急性障害を2kmに限ろうとした意図が指摘されている。
2012-05-08 16:38:15(19)LSS第12報第1部には、がん死亡以外の20%が死亡診断書でがん以外の疾患に誤分類され、がん以外の原因による死亡の3%ががん死亡と誤分類されており、誤差を修正すると固形がんの過剰相対リスクが約12%、過剰絶対リスクが約16%上昇することが示唆された。
2012-05-08 16:38:38疫学調査の問題点に関する記述
(20)フランシスレポートではABCCによる調査の問題点として、近距離被爆者を全員として、その他の群をサンプル化しようとしている事を指摘。
2012-05-08 16:39:06(21)1950年代前半に広島長崎に居住し、原爆当時市内にいなかったいわゆるⅳ)群(NIC)にも入市被爆者は含まれる。また現在の解析ではNIC群は解析に含まれていない。
2012-05-08 16:39:27(22)放影研の疫学調査の問題点:DS86の問題点だけでなく、調査対象者(コホート)に割り当てられる線量は初期放射線だけであり、残留放射線が全く考慮されていない。調査開始までの被爆者の死亡による影響を考慮していない。
2012-05-08 16:39:46(23)1945年末までに死亡した被爆者は21万人、つまり全被爆者の1/3程度は1945年末までに死亡している。1950年の調査開始までに生き残っていた被爆者は放射線感受性が低い可能性が高く、そのような被爆者を疫学調査の対象とした場合には、放射線の影響が顕著化しにくいことになる。
2012-05-08 16:40:04(24)固形癌全体では死亡率調査の過剰相対リスクは1シーベルトあたり0.40であるのに対し、発生率調査では0.63と1.5倍以上も高くなっている。原爆症認定は医療を要する状態を基礎に認定するのであり、死亡を前提とした調査ではなく発症調査を基礎とすべきは当然である。
2012-05-08 16:40:24内部被曝と向き合う姿勢に関する記述
(25)寄与リスクを原因確立と言い換えてその値の大小を起因性判断の目安とする原因確率論は、疫学の誤用と評される誤った考え方である。これを原爆症認定の放射線起因性の判断に用いることは判断を誤らせる危険が大きく、不適切である。
2012-05-08 16:40:43(26)原爆投下当日に広島で約8時間作業に従事したとしても約0.06μSVと外部被曝に比べて無視できるレベル→誘導放射線による内部被曝のみを計算し、放射性降下物による内部被曝を考慮していない。人体に現実に発生した健康状態を検討することなく無視できるレベルと結論付けている。
2012-05-08 16:41:03(27)被告らは原告の記憶の混乱や証言の矛盾を指摘するが、あまり細かい差異を取り上げるのではなく、証言や陳述書で表現されている核心部分を見極めそこに注目する必要がある。
2012-05-08 16:41:21(28)過度の科学主義に陥らず、むしろ被曝の実態から事実を認定するという姿勢。その根底に放射線影響の未開明性があることが重要である。
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