風の旅人 佐伯剛さん「脱原発に必要な覚悟」

脱原発するという事はどういう事なのか?。 羹に懲りて膾を吹く様な対応は一過性のもので終わってしまう可能性が高い。 このまま何もしなくても現状を維持できる様な楽観的な見方はしない方が良いでしょう。 ツイート数が多く読みづらいですので、佐伯さん自身がブログにまとめた記事を先頭に移動しました。 犠牲を厭わない覚悟ではなく、目をそらし続けて来た問題を正面から見据えるための覚悟です。 続きを読む
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風の旅人編集長 佐伯剛 @kazesaeki

原発全部止まったけれど電気は足りる、だから原発はいらない、という反原発は賛同できない。そもそもオイルショック等中近東の不安定で、いつ石油の供給がストップするかわからないという危機意識が原発依存を促進させた。足りるからいらないではなく、足りなくてもいらないと言わないと話にならない。

2012-05-10 23:41:50
風の旅人編集長 佐伯剛 @kazesaeki

(続)原発の安全性云々という言い方での反原発も賛同できない。交通事故で亡くなったり、後遺症で苦しんでいる人は、この10年で10万人を超えている。だからといって、車をなくせとは誰も言わない。放射能は見えないから、恐いという人がいるが、暴走車にはねられた人も同じだ。

2012-05-10 23:50:38
風の旅人編集長 佐伯剛 @kazesaeki

電気が足りるかどうかとか、安全かどうかという議論は、けっきょく自分にとってどちらが都合がいいかというなってしまう。とすれば、電気が足らず、生活が不便になり、失業が増え、自分の子供が就職できない、それでもいいですか、と突きつけられた時でさえ、自分の信念を貫き通せるのか、疑問が残る。

2012-05-10 23:55:08
風の旅人編集長 佐伯剛 @kazesaeki

(続)原発に賛成かどうかは、安全性とか、電気の需要とか、原発の動向に関係なく、今日的生活が維持できるかのような錯覚のなかでの議論ではなく、生存への覚悟のうえで行われなければ、話にならない。つまり、

2012-05-11 00:00:09
風の旅人編集長 佐伯剛 @kazesaeki

(続)原発を動かすのならば、自分の住処が福島のようになる可能性があっても生きていく為に仕方ないと思えるかどうか。(津波だけが不安要因ではないから)。原発を止めるのであれば、今の快適で便利な生活ができないようになり、さらに自分の子供が日本で就職できなくても仕方ないと思えるかどうか。

2012-05-11 00:04:04
風の旅人編集長 佐伯剛 @kazesaeki

日本の産業界が、原発推進を主張しているというのは、利権など単純なことだけが原因とは思えず、電力供給が不安定になるのは経営リスクが大きいから海外に工場などを移転する、という発想とつながっている筈。それを企業のエゴと責めることは意味がない。企業も生き残りの為に必死なのだから。

2012-05-11 00:07:06
風の旅人編集長 佐伯剛 @kazesaeki

(続)だから、原発は反対、企業が海外に出ていくのも反対、就職難になるのも厭、政府が何とかせい、という手前かってな論調での原発反対は、単なる空疎な騒ぎにしかならないと思う。原発に反対するというのは、たとえそうした生活困難になっても構わない、という覚悟を伴ったものでなければ意味ない。

2012-05-11 00:11:27
風の旅人編集長 佐伯剛 @kazesaeki

さらに今日まで自分の快適な生活のために原発依存をしてきたのに、突然、原発をボロカスに言って、原発関連の技術者を苦境に陥れて、優秀な人が誰も原発関連の研究その他に関われなくなる状態になると、今後の廃炉や使用済み核燃料の処置はどうなる。そう身勝手さこそが、子供達へのしわ寄せになる。

2012-05-11 00:20:46
風の旅人編集長 佐伯剛 @kazesaeki

それらのことを考えたうえで、生存への覚悟をもったうえで、私は、原発に反対する。その理由は、使用済み核燃料を処分する場所も、方法も、行き詰まっているからだ。六ヶ所村には、もう持っていけない。核燃料サイクルは、もんじゅの状態を見てもわかるとおり、見通しが立たない。

2012-05-11 00:25:31
風の旅人編集長 佐伯剛 @kazesaeki

六ヶ所村もダメ、核燃料サイクルもダメで、福島四号機のように、全国の原発の簡易なプールに、危険な使用済み核燃料が残されているわけだが、それを、これ以上増やしてまで守らなければならない我々の生活とは何なのだ、そこまでして守っている我々の生活が幸福なのかという思いが私にはある。

2012-05-11 00:28:18
風の旅人編集長 佐伯剛 @kazesaeki

全ての日本人が、急にできることとは思えないけれど、今よりも、質素かもしれないけれど、楽しく充実した生活というものがある筈。何が入っているかわからない大量生産の加工品よりも、自分の手で作った味噌があまりにもおいしく、それ一つで食生活がガラリと変わってしまうこともある。

2012-05-11 00:30:55
風の旅人編集長 佐伯剛 @kazesaeki

人よりも数多く高級な物を持っていることが誇りの時代もあったが、そういうのはカッコ悪いという感じになってきて、友人達と、物や空間をシェアしながら、エネルギーやコストの選択と集中ができる方が、スマートと思われるようになってきている。脱原発というのは、そうした生活全般の改革とセットだ。

2012-05-11 00:34:15
風の旅人編集長 佐伯剛 @kazesaeki

昨年の震災が起こった時、原発がなくなることは間違いないと思った。電力会社じたいが、もはや原発なんかやってられない、という気分になっているだろうと思った。だって、どんなに対策を練ったとしても一度でも事故があると会社が終わってしまうことを、マトモな経営者はできやしない。

2012-05-11 08:37:05
風の旅人編集長 佐伯剛 @kazesaeki

(続)しかし、実際にはそうはならず、電力会社じたいが原発をやると言っている。原発を始めた時も、莫大な投資を必要としてリスクも大きな原発を、電力会社単独の意思で決められる筈はなかったと思う。国家の意思として、原発をヤレ、後方支援するから、と言われているに違いないと思う。

2012-05-11 08:40:00
風の旅人編集長 佐伯剛 @kazesaeki

つまり原発を無くすことで国が立ち行かなくなると、国家の意思がそう判断し実行しようとしている。国家の意思とか覚悟は原子力村とか官僚とか、一部の組織の問題ではない。仮に経済が立ち行かなくなることがあっても原発はいらないとまで国全体が覚悟を持てていないから原発を動かす準備が進められる。

2012-05-11 08:46:39
風の旅人編集長 佐伯剛 @kazesaeki

原発に関しては、いい所取り、という都合の良い判断はあり得ないのかもしれない。危ない原発はいらない。でも今の生活も維持したい。生活に不安が残るのはごめん、というわけにはいかないのかもしれない。相当な覚悟をもって、反対か、賛成か、考えるべき問題。

2012-05-11 08:49:16
風の旅人編集長 佐伯剛 @kazesaeki

(続)ただ一つ気をつけなければいけないのは、”今の状態を維持”という選択は、今の状態を穏やかに維持することにつながらないこと。資本主義経済において、今の状態を維持する為には、次々と新製品を作り出すなど、無駄も多く作り出すことが前提。今の状態を維持しているだけで、歪みが大きくなる。

2012-05-11 08:51:31
風の旅人編集長 佐伯剛 @kazesaeki

だから、今の生活や日本の経済を守るためにという論法で原発を受け入れることは、間違いなく歪みを先送りしていくことにつながる。実際にそういう先送りによって、この数十年間が費やされたのだと思う。そしてその歪みを一挙に断ち切る策が核燃料サイクルだったからこそ、そこに莫大なお金が使われた。

2012-05-11 08:54:52
風の旅人編集長 佐伯剛 @kazesaeki

様々な歪みを一挙に断ち切る策がある、それが核燃料サイクルだ、という発想があったからこそ、歪み(核のゴミその他)が生じるのを承知で、原発を作り続けた。その核燃料サイクルじたいが、原発そのものより圧倒的に危険な存在であるという認識に立ったうえで、その策を進めることができるのかどうか。

2012-05-11 08:57:34
風の旅人編集長 佐伯剛 @kazesaeki

原発か日本の経済かという選択肢だけなら、原発の安全性を一生懸命に説かれているうちに、経済はやはり大事だから仕方ないかという雰囲気になる可能性がある。核燃料サイクルの研究に費やされる莫大なコスト、一度でも大事故があれば一つの県だけでなく国が滅ぶリスク。天秤にはそれも乗せるべき。

2012-05-11 09:01:19
風の旅人編集長 佐伯剛 @kazesaeki

福島原発の事故についても、現在もまだ深刻な問題となっている4号機と3号機は核燃料サイクルがらみの問題。4号機には使用済み核燃料が莫大に残されているし、大爆発した3号機は、使用済み核燃料を再処理したプルトニウムを使ったプルサーマル。もんじゅが爆発すれば、プルサーマルの比ではない。

2012-05-11 10:06:29
風の旅人編集長 佐伯剛 @kazesaeki

現在、お祭り騒ぎのように反原発を繰り返している人は、原発を停止させれば目的を達するかのような、目先の感情論に走っている。しかし、より重要なことは、これから何十年も、優秀な研究者や技術者が、原発関連の仕事に残って、廃炉や使用済み核燃料の処理の方法を考えていくこと。

2012-05-11 10:09:18
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