中山均新潟市議による「震災瓦礫に関する論点整理&東北がれき調査報告」

6月2日午後 中山均新潟市議による 「震災瓦礫に関する論点整理&東北がれき調査報告」勉強会が開催されました。 私は所用のため、質疑応答の途中で退室しましたが藤堂先生(新潟大准教授)もまとめてくださっていました。 中山均市議:新潟大学歯学部卒歯学博士 放射線防護を学ばれました。 大学時代から巻原発建設反対運動などに参加。 続きを読む
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藤堂史明 @FumiakiToudouTW

この論点については、若干、会場からの意見と議論がかみ合わない部分があると思ったため、私からも補足の意見をした。意見の趣旨は「引き算リスクコミュニケーション」の論理に乗るべきではないという点、被害者になりうる市民に証明責任を課してはいけないということである。

2012-06-03 01:53:53
藤堂史明 @FumiakiToudouTW

公害訴訟の経験から獲得されてきた被害加害関係の推定や、被害者に立証責任を課さないなどの原則から言って、立証責任が加害側(行為側)にある点については補足説明の必要はないだろう。「引き算リスクコミュニケーションの問題」については、「瓦礫処理」に限らず頻出しているので、以下で補足する。

2012-06-03 01:55:41
藤堂史明 @FumiakiToudouTW

この問題は相対的なリスクの大きさについての議論になると論理の陥穽(つまりドツボ)にはまる。リスクについて、順序量としての提示から引き算へと論理展開する議論が多いからである。

2012-06-03 01:58:32
藤堂史明 @FumiakiToudouTW

例えば、自然放射線等との比較による議論では、まず、自然放射線が問題となる放射線に比べて相当程度大きいという提示をした上で、対象リスクから、これらの受け入れざるを得ない、または受け入れられたリスクを引き算して、マイナスか、少しぐらい大きいならOKという議論になっている。

2012-06-03 02:01:24
藤堂史明 @FumiakiToudouTW

リスクを詳しく議論すればするほどその論理の陥穽にはまりやすい。ちなみに、このような「引き算リスクコミュニケーション」の論理はICRP等の原子力利用推進の論理からは逸脱していて、ICRPの議論では、費用便益的にプラスならば足し算のリスクでもOKという論理だ。

2012-06-03 02:02:52
藤堂史明 @FumiakiToudouTW

この「引き算リスクコミュニケーション」の論理は、宇宙放射線、飛行機利用、大理石・花崗岩からの放射線、X線撮影 医療放射線、はてはバナナのカリウムの議論まで、原子力利用を推進する論理として、聞き飽きるほど聞かされていることだろう。

2012-06-03 02:03:28
藤堂史明 @FumiakiToudouTW

実際に起こるのは足し算のリスクの押し付けであるところが問題なのである。そして、これはそれを引き受けさせる議会や首長の権能と市民との関係、つまり、民主主義に基づく政府と市民の関係における、自己決定権の問題でもある。

2012-06-03 02:05:17
藤堂史明 @FumiakiToudouTW

なお中山市議は「震災瓦礫」の受け入れには反対されているし、追加論点として、まさに民主主義の問題という点も挙げられておられるので、私が指摘したような意見について対立されているとは考えていない。まとめ上の表現の問題でもあるだろう。

2012-06-03 02:07:09
藤堂史明 @FumiakiToudouTW

今日、中山さん(先生)のお話を伺って考えた事。私としては「震災瓦礫」の広域処理問題について追加的に注意を喚起したい問題は2点、リスク押し付けの構造と 広域処理そのものの問題点である。

2012-06-03 02:12:05
藤堂史明 @FumiakiToudouTW

リスク押し付けの構造の問題は、法律、施設、人材、理解が十分でない問題について、結果責任を取れない政策を行おうとしている事、その際、「引き算リスクコミュニケーション」(つまり詭弁)が多用されている事である。広域処理そのものの問題点は簡単化すると「ゴミマイレージ」の問題である。

2012-06-03 02:14:51
藤堂史明 @FumiakiToudouTW

食品がどのぐらい輸送されているかによって環境負荷を考える「フードマイレージ」と同様に「ゴミマイレージ」で廃棄物の処理にかかる負荷を考えれば、広域処理が問題であることは明らかだ。災害廃棄物発生による急遽の障害除去という考え方が入ったとしても、抑制すべきものである事に変わりはない。

2012-06-03 02:18:08
藤堂史明 @FumiakiToudouTW

その点で、やはり過剰に設備容量を持つ清掃工場の稼動のための可燃ごみ確保という視点の提起は意義深かった。ゴミ減量や分別処理の徹底で、焼却設備の稼動が難しくなり、震災瓦礫の話に飛びつくことになる。これを、環境保護運動の見落とした陥穽と言うべきか。いろいろと考えさせられました。

2012-06-03 02:23:36
藤堂史明 @FumiakiToudouTW

以上、市民フォーラム勉強会 『どうする ? 震災がれき』  http://t.co/iIU9SbH0 についてと感想(意見)でした。肝心の論点について、私の遅刻の為きちんと聞きそびれましたので、また中山先生から情報いただいたら、補足したいと思います。ありがとうございました。

2012-06-03 02:38:27