ボコーダー、人工内耳、聴覚の発達による大脳(新皮質)の大容量化

utsunomiaa_comさんのつぶやきが非常に興味深い内容だったので、まとめさせて頂きました。
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宇都宮泰 @utsunomiaa_com

060Bh 新刊「エレクトロ:ヴォイス」デイブ・トンプキンズ著p-vine刊(日本語訳。全編ボコーダーについて書かれた歴史本。私の世代にはとても面白いが、若者には暗号書。ボコーダーそもそも暗号変調・復号装置! 読み物として推奨。三笠宮殿下の愛用機もこの技術の応用。

2012-06-11 23:01:43
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

0617h ボコーダ、ローランド系とコルグ系はフィルターの配置が異なる。後者は周波数に対して対数等間隔に、前者は非等間隔配置で、素子数を削減。設計者に自慢された覚え。初期の製品の話。

2012-06-12 18:33:18
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

063Dh 0617hの訂正:正しくはローランド系は対数等間隔、コルグ系周波数リニア。 http://t.co/RxIH6ags

2012-06-14 01:20:11
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

0618h リアルタイム動作の実機としてはSE70搭載のものが、もっともエレガントな1台。Audacityに搭載のものも優秀。もちろんボコーダーはキーボードではありません。MIDIとも無関係です。スペクトラム分析・移植装置。スペクトラムに対しての掛け算機です。

2012-06-12 18:36:59
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

0619h ゆえに入力2に対して出力は1。A入力の逐次スペクトラムをB入力に移植したものが出力。Bにギター、Aに犬の声とか、Bに人物、Aに別の人物、とかBに小川のせせらぎAに声なんていう組み合わせも。

2012-06-12 18:41:40
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

061Ah アナログボコーダーは固定されたフィルター群を用いるが、要はスペクトラムの分析移植なので、FFTやウェーブレット変換も利用可能。ある意味VocalShifterもそんな一面がある。

2012-06-12 18:44:28
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

061Bh 固定されたフィルター群を用いても、ウェーブレットでも構わないが、少々不器用な前者をボコーダーと呼ぶことが多いので、Audacity プロマニュアルのボコーダの項にその解説を書いたら、情報系の識者からクレームが・・・。歴史的な構造を知らないのかな。

2012-06-12 18:47:30
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

061Ch ボコーダ、別の言い方すれば、A入力の倍音構成を持った、B入力の音程もった出力が得られる。とくにA入力が声の場合の、倍音(スペクトラム)のことをホルマントと呼びます。多くの子音は極短時間に、母音は1語ごとの長さに。面白いのは聴いた人の脳内。子音と母音は一度解体され・・

2012-06-12 18:59:21
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

061Dh ・・別々の処理がなされ、再統合後に「語」として認識。現在では蝸牛インプラント(人工内耳)があるため研究が進んでいるが、その多くは驚愕の事実のオンパレード。

2012-06-12 19:01:51
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

061Eh ホルマントを何らかのルールに従って視覚化したものを声紋と呼び、かつてはヘテロダイン解析、現在ではスペクトログラムベースで表示できる。フリーソフトではMi氏作FFTWSGなどを推奨(ファイル入力)。

2012-06-12 19:12:42
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

0621h 蝸牛インプラント(人工内耳)とは、蝸牛管から脳への神経束、または蝸牛管内部に電極をセット。電気的に拾い上げた音をパルス変換し脳へ直接送り込む治療技術。

2012-06-12 23:02:34
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

0622h 驚愕いくつか。配線の組み合わせを正しくあわせることは不可能だが、組み合わせが正確でなくても聴力を取り戻せる・・・絶対的な接続があるわけではない。

2012-06-12 23:04:44
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

0623h ちなみに各周波数ごとの信号分離は、ボコーダーの技術と近隣。

2012-06-12 23:05:46
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

0624h 先天的な聴器官の不調の場合、2~3歳までにインプラントしないと、脳の子音領域が確保されない。(それ以降でインプラントしても母音の識別しかできない)

2012-06-12 23:07:47
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

0625h インプラント話ではないが、脳(新皮質)と音との関係。 聴覚の発達要求が大脳を大容量化させるらしい。例えば鳥類。視覚の進化と大脳の容量増加はあまり関係しないが、ミミズクやフクロウでは聴覚を発達させたゆえか、大脳が肥大。もはや飛行の限界。

2012-06-12 23:13:58
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

0626h 映画「禁じられた遊び」でもフクロウの頭蓋が出てくる。しばしば嬰児の死体とごにんされるほどの大容量。

2012-06-12 23:16:43
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

0627h これらの鳥では、わずかな物音から、正確に獲物を聞き分け、同時に音響的測量。滑空して獲物を捕らえるが、聞き分け測量することが莫大な計算を要求。そのため演算装置が大型化らしい。

2012-06-12 23:19:21
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

0628h リバーブ(空間の情報を含む)を付加することは容易だが、リバーブを外すことは容易ではない。シングルディレーの実習例はAudacity練習問題Vol1 No3があるが、、正弦波加算は大した演算は必要ないが、フーリエ解析は莫大な演算量であることに近い。

2012-06-12 23:24:08
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

0629h 空間に生きる、聴くとは、残響音に埋もれた「劣化した=エントロピーの増大した」音から、埋もれる前の元の音を復元しながら聴いている=莫大な計算をしながら聴いていることに。普通は処理前の劣化した音を意識することは無い。意識できる音は処理後の音。

2012-06-12 23:28:43
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

062Ah 簡単に実験するには、片方の耳だけ聴いてみる(片方は耳栓)。こちらが正しい音。残響だらけ、高域は劣化、、、。では両耳で聴いた音は・・脳が処理(ある意味エントロピー逆行した)した音。マイクで録音すると片耳で聞いたときに近似。

2012-06-12 23:32:34
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

062Bh 宴会などで酔っ払うと、処理能力が低下。自分の声が聴こえにくくなり、声が大きくなる、もちろん他人の声も聴こえにくくなる・・この逆演算は影響を受けやすい。

2012-06-12 23:34:43
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

062Ch 両耳/片耳を比較すると、両耳時には音源までの距離を1/10以上にも縮めたのにも匹敵。逆演算のパワー・・多くの哺乳類に共通するようだ。まあ、逆エントロピーエンジンとでも言うべきか。

2012-06-12 23:38:42
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

062Dh このような進化のきっかけは、恐竜の時代、腕力では劣勢であること→夜行性の獲得の一環とする説も。聴覚発達→大脳肥大は古生物学者の意見。裏づけはなかなか難しい。

2012-06-12 23:41:17
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

062Eh 人間よりもさらに大容量化した新皮質の持ち主は、イルカやくじらなどの海洋哺乳類。彼らの脳には水中音響によるワールドマップが標準装備との説も。マップが変わると乗り上げるわな。

2012-06-12 23:43:44
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

062Fh メロン(いるかの頭部のでっぱり)から超音波を発し、目前の魚を気絶させるなんて、どんな気分なんだろう・・。してみたい。

2012-06-12 23:46:52