クローズアップ現代「“薬漬け”になりたくない~向精神薬をのむ子ども~」書き起こし・ほぼ完全版 #nhk

6月13日に放送されたものを文字起こししています。 進行:国谷裕子アナ ゲスト:石川憲彦(児童精神科医)
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とし @toshihiro36

<ナレーション> 国立精神・神経医療研究センターの中川栄二医師です。全国の精神科・小児科の医師に調査を行い、600人から回答を得ました。発達障害の症状がある子どもへの向精神薬投与について、どんな薬を何歳からどれだけの量を与えているか、それぞれの医師に聞きました。

2012-06-13 21:10:29
とし @toshihiro36

<ナレーション> 興奮を抑える薬を3~4歳で与えていた医師。睡眠障害を押える向精神薬を1~2歳で投与した医師もいました。回答を寄せた小児神経科医の声です。「内心ヒヤヒヤしながら処方」「重篤な副作用も稀ではない向精神薬を使い続けることに疑問を感じる」

2012-06-13 21:15:24
とし @toshihiro36

<ナレーション> この結果を受け中川さんは今、子どもに対する向精神薬の処方の指針作りに取り組んでいます。

2012-06-13 21:17:18
とし @toshihiro36

中川:向精神薬が成長過程にある子どもの脳に与える長期的な影響については、全く解明されていません。慎重な投与が必要だと思います。

2012-06-13 21:19:18
とし @toshihiro36

<ナレーション> 子どもが向精神薬を飲むことには、危険があると訴えはじめた人たちがいます。今年1月に発足した「精神科の早期治療に反対する会」です。子どもの頃に精神科を受診し、多量の精神薬を飲んだ人やその親たちが参加しています。

2012-06-13 21:23:36
とし @toshihiro36

<ナレーション> 現在、参加しているのは130人。副作用の実態を国に伝え、子どもを精神科につなげることに慎重になるよう訴えています。

2012-06-13 21:25:37

スタジオに戻ります

とし @toshihiro36

国谷:今夜は精神科医の石川憲彦さん、そして取材にあたってきました水戸放送局の井上記者とともにお伝えしてまいります。石川さん、そうした薬の投与開始年齢が、小学校の低学年までというのが7割を超えていました。幼い、成長過程の子どもの体への影響は、どうみたらいいんですか?

2012-06-13 21:31:10
とし @toshihiro36

石川:それはとても心配で。人間の脳っていうのは生まれおちた時に土台と大枠組みができているんですけれども。8歳くらいまでの間に内装をしたりして徐々に作っていくわけですね。そして8歳ぐらいで形は大人並みになるんですけれども、配線工事などがその後数年間で、ものすごい勢いで起こる。

2012-06-13 21:36:39
とし @toshihiro36

石川:つまり、そういう途中段階は大人とは違う。そこに起こったことというのも違うので、これはとても怖いことだと思います。

2012-06-13 21:38:46
とし @toshihiro36

国谷:上半身の動きが止まらなくなるとか、あるいは頭痛がするとか副作用が出ているようですけれども。どんな副作用が考えられるんですか?

2012-06-13 21:40:25
とし @toshihiro36

石川:画面に出たような運動に出るという見える副作用の場合は、比較的誰にでもすぐにわかるんですけれども。薬というのは全部の脳に働きますから。それから全身に回るんで、肝臓・心臓・すい臓・腎臓・・・。これらに対する危害は見えないだけに、気がついた時には手遅れということがあるくらいです。

2012-06-13 21:46:35
とし @toshihiro36

国谷:問題のある場所だけに効くわけではないのですね。そのような副作用の起こる可能性のある薬の投与が行われるのは...井上さん、いまのリポートにありましたように、学校から医療の現場につながっていく傾向が強まっているという背景もあるようですが。なぜその傾向が拡大してい飲んですか?

2012-06-13 21:52:08
とし @toshihiro36

井上:最近は発達障害やうつ病などの兆候を早く見つけて、必要なら早く医療につなげて専門的なケアをした方が、症状の悪化も防げて本人のためにもいいという考え方が、学校現場や医療の世界にも浸透してきているんです。

2012-06-13 21:58:03
とし @toshihiro36

井上:文部科学省は「子どもの異変を見抜くための教師向けの手引き」というものを作成しておりますし。それから地域では病院の医師が学校の中に入っていって、教師の相談に乗るという取り組みも各地で始まっているんです。

2012-06-13 22:01:17
とし @toshihiro36

井上:こうした早期の対応をすることで、子どもの周囲の環境が整えられて状況が改善するということも、もちろんあるんですが…中には不必要な投薬を受けて、深刻な副作用に苦しむというケースも出てきているんです。

2012-06-13 22:03:32
とし @toshihiro36

国谷:石川さんは40年を超える精神科医としての経験をお持ちなんですけれども。なぜいま学校現場から、子どもたちが医療現場につながりやすくなっているとみてらっしゃいますか?

2012-06-13 22:08:49
とし @toshihiro36

石川:私は2つほど大きな問題があると思うんですけど。ひとつは発達障害という言葉が広がると、親も先生も医者も「見逃してはいけない」という意識が強く働くんですね。

2012-06-13 22:16:43
とし @toshihiro36

石川:「良いことをしてあげねば」という善意から、見逃してはいけないという意識と善意が入り混じって、どんどん見逃してはいけないという意識が強まっているんですね。

2012-06-13 22:17:23
とし @toshihiro36

石川:もう一つは、先生も親も子どもの行動を…昔だったら、元気がいいとか個性的と見たり…いろんなおもしろい行動と見たものを、問題行動なんじゃないかというふうに悪い方に見るようになってしまった。先生に余裕がなくなって、医者に任せた方が楽だと。その2つが重なっているように思います。

2012-06-13 22:24:00
とし @toshihiro36

国谷:こうした傾向が強まってきたのは、いつぐらいからですか?

2012-06-13 22:26:19
とし @toshihiro36

石川:だいたいこの10年で急速に広がっていると思います。

2012-06-13 22:27:34
とし @toshihiro36

国谷:この向精神薬にできるだけ頼らずに、子どもたちにじっくり向き合うことで問題を解決していこうという取り組みが、教師や医師の間で始まっています。

2012-06-13 22:30:38

VTRが流れます

とし @toshihiro36

<ナレーション> 小児神経科の医師を囲む、教師たちの勉強会です。問題行動のある子どもを数多く診てきた宮尾益知医師です。発達障害の特性なども視野に入れながら、子どもの立場に立った具体的な対応の仕方をアドバイスしています。

2012-06-14 05:39:24