2012年7月3日

日本の世代間格差論の思想水脈と現状について by 後藤和智

「POSSE」誌の坂倉昇平編集長（@magazine_posse）のツイートをきっかけに、編集長宛に我が国の世代間格差論について連続ツイートを行い、さらにいくつか補足を行いました。まとめ主：後藤和智（@kazugoto）

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（承前）そのような認識が、解雇規制緩和などの清算主義的な「政策」を及ぼすことがある。例えば城繁幸は湯浅誠との対談で、「財政破綻まで時間がない、だからここでウルトラCを起こさなければならない」という趣旨のことを言っているが、これがまさにそう。（続く）

2012-07-03 16:45:13

訂正
誤：及ぼす
正：もたらす

（承前）世代間格差論者の解雇規制緩和論者は、解雇規制緩和による恩恵の多くが自分たちにまわってくると宗教的に盲信している。もちろん、それは自分たちの世代は上の世代に対して（もしかしたら下の世代に対しても？）生産性が高い、という確信（根拠なし）に基づいており、（続く）

2012-07-03 16:47:09

（承前）自由市場が自分たちの「価値」を正当に評価してくれればうまくいくはずだという認識である。言ってしまえばユートピア妄想。城繁幸の最近の著作の多くはこのユートピア妄想に取り憑かれている。それはさておき、主に1970年代生まれの世代間格差論者が解雇規制緩和に親和的なのはそのため。

2012-07-03 16:48:54

（承前）他方で1970年代生まれの論者の思想の核として、バブルによって梯子が外された、もしくは裏切られたというものがある。自分たちはバブル時代に大学生や高校生としてその時代の「空気」を感じてきたが、平成になってバブルが崩壊して「時代の変わり目」に立ち会った、という認識も（続く）

2012-07-03 16:51:07

（承前）見え隠れする。そのため彼らにとって上の世代は「バブルの恩恵にあずかり勝ち逃げした層」となり、これもまた世代間格差論の原動力になっている。他方「バブルを知らない」世代は、これまた置き去り。結局世代間格差論者は「親世代への反発」にしかならないというのが現状なのである。

2012-07-03 16:53:24

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2012-07-03 16:56:23

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世代間闘争論と外国人排斥論の親和性

@kazugoto 世代間格差が海外における外国人排斥の代替物となっているのではないかという五十嵐泰正さんの仮説もありましたね（『労働再審2』）。まあ、ご指摘通り、世代間格差論すら若者に浸透してるとは思いがたいですが。

2012-07-03 16:43:17

@magazine_posse 『嫌韓流』の作者が世代間格差論の本を出したのは象徴的ですね。また世代間格差論が外国人排斥論の代替物になっているという議論を踏まえると、生活保護バッシングの人たちが外国人（というか在日韓国・朝鮮人）バッシングをしているのも（続く）

2012-07-03 16:59:48

@magazine_posse （承前）納得いくかな、と思います（生活保護については城繁幸が（やや過激ですが）まともなことを言っているのは確変でした）。外国ではどうかは知りませんが、少なくとも我が国においては外国人や上の世代が「既得権」で得をしているという認識があり、（続く）

2012-07-03 17:02:42

@magazine_posse （承前）それゆえ世代間格差論と外国人排斥論が親和的であるということは言えるでしょう。

2012-07-03 17:03:15

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