ヒッグス粒子探しは役に立つか？：谷村省吾教授の提言

TANIMURA Shogo @tani6s

正直のところ、100年後にヒッグス粒子が光子や電子なみに「日常生活において役に立つ」ようになるとは私は思いません。電磁気力と弱い相互作用の統一理論が役に立つ日は来るかもしれませんが、電気と磁気の統一理論ほどではないでしょう。

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しかし、我々人類は世界のフロンティアを知りたがる生き物であり、生活範囲を広げ、「できること」を増やしてきたのです。素粒子物理学は、この世界がどういう仕組みになっているかを探るフロンティアの一つなのです。

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世界の仕組みを知ったことが、人類によい結果をもたらすか、何ももたらさないか、かえって悪影響があるかはまだわかりません。しかし、知らないでいるよりは、知ることに価値がある、力がある。私はそう考えます。

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ちなみにヒッグス粒子が見つかったとしても、人類に悪影響はないでしょう。このことはかなりの自信をもって言えます。悪用なんかしたくてもできないでしょう。あるとすれば「ヒッグス粒子」を騙った悪徳商法くらいのものでしょう。

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なお、ヒッグス粒子探しに使われた資金はヘルツやエジソンの比ではない金額でしょう。とてつもないお金を国からもらっている。そういうことにお金を使えるのはとても裕福な、余裕のある国だけです。

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そういうことができる国は、人々を貧窮させながら核兵器やミサイルを作っている国よりよっぽど素晴らしい国だと思います。

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物理学者たちは、CERNのようなオープンな研究ができる国に生まれたことを感謝しているのです。

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以上、ヒッグス粒子探しは役に立つか？という問題の一面を考察してみました。長々とすみません。