「キョート・ヘル・オン・アース」急「ラスト・スキャッティング・サーフィス」#4

翻訳チームによるサイバーパンク・ニンジャ活劇小説「ニンジャスレイヤー」リアルタイム翻訳 (原作:Bradley Bond-san & Philip Ninj@ Morzez-san) ニンジャスレイヤー公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 続きを読む
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「キョートは一度焼かれねばなりません」パラゴンは呟いた。「堕落都市ガイオンも、この城の糧として……モータルの卑しき命屑を崇高な生命に変換する神聖装置に供されるさだめであったとするならば……惰眠むさぼるその醜怪な姿が同じ世にのさばって来た事にも、かろうじて耐えられようもの」95

2012-08-31 22:59:21
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パラゴンは水盤の表面に映し出される光文字を見、眉をわずかに動かした。「7つめのゲートが開かれようとしている」「9つのゲートが開ききった先には」ユカノが不意に問いを発した。「先には何が」「……」ロードはホログラム地球儀を見上げたまま動かない。パラゴンは首を振った。「悲しいかな」96

2012-08-31 23:08:53
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パラゴンはユカノを見る。「これは貴方が構築した装置だ。我らにとっていまだ不完全な情報を、創り手に語ってきかせねばならぬとは。ブッダに問答するにも等しい。残酷なお方だ」「……」「神器は羅針盤です。動力装置の琥珀ニンジャ像に力を与え、同時に、キンカク・テンプルの位置を示す」 97

2012-08-31 23:21:01
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「私は何の為に、これを」ユカノは歯を食いしばった。「殺戮の為にですか?バカな」「むしろ教えて頂きたい。その真意を」パラゴンは冷たく言った「ともあれ我らは正しき目的にこの装置を用いる事ができる。神聖な目的に。……9つのゲートの先に、キンカク・テンプルを繋ぐ。神器の導きによって」98

2012-08-31 23:29:08
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「キンカクを?」「覚えておいでですか?キンカクを。ニンジャのヴァルハラを!」パラゴンは言った。「……」「オヒガンの果てにあるキンカク・テンプルは、9つのゲートで隔離されたエーテル通路を通り、現世に顕現する。それを可能にするのがこの装置だ。全ニンジャが現世に顕現するのだ!」 99

2012-08-31 23:37:11
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ロードは一切の感情を表現せず、頭上の地球儀を眺めるばかりである。一方パラゴンは殆ど叫んでいた。「現世に出現したキンカク・テンプルから、血肉備えしニンジャ達が蘇る!それらを支配するのは超ニンジャ存在、即ちヌンジャとなられたマイロードだ。貴様ら古代の悪獣を奴隷使役する神だ!」100

2012-08-31 23:44:47
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「なんと大それた事を……」ユカノが蒼褪めた。「私の記憶はおぼろです。ですが、貴方がたの為そうとしている事がまったくの誤りである事ははっきりとわかる。神器を創りしソガ・ニンジャの目的は……そしてこの装置を……作らせた私の……目的は……」鎖がジャラジャラと鳴った。 101

2012-08-31 23:51:08
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ロードが口を開いた。「まさにそのソガ・ニンジャの魂を身に宿す者こそが、私だ」「はい」ユカノは頷いた。ロードは続けた「ニンジャなど所詮は獣。我がソガ・ニンジャとて同様である。なべて、我、ドゴジマ・ゼイモンの永遠世界の歯車となるべく宇宙創造時点から決定づけられた奴隷に過ぎぬ」102

2012-08-31 23:59:35
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「ですがそれでは……」「ヴォラッケラー!」パラゴンのヤクザスラングが響き渡った。「スッゾコラー!」「よい」ロードが制した。「老いた肉体を抱えていた私はキョートを動く事ままならず、キョジツテンカンホーの為にはガイオン街路のチェスボードめいた魔法陣構造を必要としてきた」 103

2012-09-01 00:20:52
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「だが既に私は老いた肉体の枷を脱した。ガイオンの全モータルソウルを吸い尽くした暁には、我が完全性は揺るぎなきものとなる。キョジツテンカンホー・ジツを全世界に拡大し、以て、キンカクから蘇生させたニンジャ達を支配する。カツ・ワンソーは所詮ニンジャに過ぎぬ。ヌンジャとは私なのだ」104

2012-09-01 00:36:35
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「それは……しかしそれは……」ユカノは頭を揺らした。その方法は明らかにイビツ……イビツに過ぎる。稚児じみて……だがロードの正当性は既に確かめたではないか。現にこうして……「でも……」『ドラゴン・ユカノ。目を閉じろ』不意に不明瞭な声がニューロンに流れ込んだ。 105

2012-09-01 00:41:19
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ユカノは思わずそれに従った。彼女は目を閉じた。外界が断たれた。『鎖を引きちぎれ』(((鎖を?)))『やらねば終わりだ。出来る筈だニンジャ六騎士。ドラゴン・ニンジャ=サン』彼女は……そうした。両腕に力を込めた。出来るわけが無い。でも、どうしてそんな風に思った?「イヤーッ!」106

2012-09-01 00:44:55
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ユカノは目を見開いた。ロードが、パラゴンが、彼女を凝視した。パラゴンの目は驚愕に見開かれていた。ユカノはシャチホコガーゴイルを破壊し、拘束から解き放たれていた。上からは白大理石の破片が降って来た。天井を切り開き、真上から振って来るのは、オブシディアン色のニンジャだった。 107

2012-09-01 00:49:28
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「イヤーッ!」ユカノは腕輪につながれた鎖を振り回し、ロードに攻撃を罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰ードはダークニンジャを見上げ罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰 108

2012-09-01 00:52:27
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罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪キィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ罪罰罪罰罪罰罪罰ィィィィィィィィィィィ、ベッピンの刃が鳴り響き、落下するダークニンジャの姿がブレ罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰キィィィィィィィ、ベッピンの刃が鳴り響き、落下するダークニンジャの姿がブレる。109

2012-09-01 00:56:28
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罪罰キィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ罪ィィィィィィィィィィィィィィィィ、ベッピンの刃が鳴り響き、落下するダークニンジャの姿がブレ罪罰罪罰キィィィィィィィ、ベッピンの刃が鳴り響き、落下するダークニンジャの姿がブレる。110

2012-09-01 00:58:27
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キィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ、ベッピンの刃が鳴り響き、落下するダークニンジャの姿がブレる。ロードはダークニンジャを捉えきれない!「マイロォード!」パラゴンが絶叫した。「マイロォード!」ユカノがパラゴンに鎖で殴りかかった。「イヤーッ!」 111

2012-09-01 01:01:37
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「イヤーッ!」パラゴンはヤリめいたサイドキックでユカノを蹴り飛ばした。「ンアーッ!」「マイロォード!」ズグン。ロードの身体が揺れた。その首の後ろからベッピンが貫通し、鎖骨を、肋骨を貫き、切っ先が飛び出した。「グワーッ!?」鮮血が天めがけて噴き上がった。 112

2012-09-01 01:05:55
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「キリステ……」「グワーッ!」「ゴーメン!」ダークニンジャはロードの身体をうつ伏せに倒し、刃を捻り込んだ!「アアバーッ!」「死ね!貴様は単なるヤクザだ!貴様では城を、神器を扱えぬ。妄想を何一つ実現できぬまま、恥辱に死ね!」「アアア!」ロードは抵抗した。だが傷はあまりに深い!113

2012-09-01 01:13:09
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「マ……マイロォード!」パラゴンはあまりの衝撃に激しく痙攣し、涙をあふれさせた。だがすぐに克己した。彼は水盤の存在を思い出した。水盤だ!ウカツであった!ウカツがロードをこうまで苦しめた!「マイロード!マイロード!」彼は水盤に手を翳す!「マイロード!今少し!今少し!」114

2012-09-01 01:15:58
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「アバーッ!アバーッ!アバーッ!」ロードは魂を啜り上げられる予感に震えた。そして全力で抵抗した。だが命が失せつつある!魂を厚くくるむ命の灯が!血とともに身体から流れ出そうとしている!「イイイヤァーッ!」ダークニンジャは刃を捻る!ロードは身悶えした。命が!命が……戻って来た。115

2012-09-01 01:19:04
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遥か下の秘密動力室で、琥珀ニンジャ像が稼動した。そのときニンジャ像はクリスタルが吸い上げたモータルソウルの大部分を九つのゲートに向かって注ぎ込んでいたが、命令を受けると突如その向きを変え、頭上……天守閣へ、力の流れを集中させた。琥珀玉座によって認証された主のもとへ。 116

2012-09-01 01:22:50
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「グワーッ!グワーッ!……グ……イヤーッ!」ロードは身体を捻った。そしてダークニンジャの足首を掴み引き寄せ、膝下を掴み引き寄せ、襟元を掴み引き寄せ、その胴体に手を当て罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰 117

2012-09-01 01:27:03
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪ダークニンジャはうつ伏せに倒された己に気づいた。その背にはベッピンが突き刺さっていた。ロードが彼を見下ろした。 118

2012-09-01 01:28:59
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「……ヤンナルネ」ロードが少しよろめいた。ボタボタと血が零れ、白いタタミを汚す。ベッピンで縫い付けられたダークニンジャの身体からも血が溢れる。白いタタミに血染みが拡がってゆく。ロードの身体は内側から輝いている。その身体の傷が治ってゆく。ダークニンジャの傷は治らない。 119

2012-09-01 01:35:49
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