サイモン・コンウェイ=モリス『進化の運命:孤独な宇宙の必然としての人間』を読む前に考えていたこと
タイトルと今までの論調からして、人間のような知性は、収斂によっていずれ生まれるものだった(少なくともその可能性が高かった)、という論調になるものと思われる。たとえばドーキンスなんかも祖先の物語でそれに近い立場だったと思う。
2010-07-20 23:21:17バージェス動物の評価に対するグールドの見解はほぼ全面的に間違っていたが、人間のような知性の誕生が必然だったという結論(本当にそう言ってるのかはわからないが)には、まだ賛成できないと思う。
2010-07-20 23:23:42宇宙開闢から人間(文明)誕生までの間の一番起こりにくいところはどこかというフェルミのパラドックスの話とも繋がるけど、地球誕生をとりあえずスタートとすると、人間(文明)のネックになるのはどこかという話。
2010-07-20 23:31:56生命誕生は固いだろうと思われている。理由は化学的に可能になったと思われる時期からすぐに実際に誕生しているから。まあまだ実際の機構が不明なのでこれから覆る可能性はあるが。
2010-07-20 23:33:01真核生物の誕生が奇跡に近い偶然の出来事で一番のボトルネックだったんじゃないかという意見がある。理由は起きても不思議ではなくなった時点から、実際に起きたと思われる時点までの器官が途轍もなく長いから。
2010-07-20 23:34:29これが正しいかどうかはまだなんともいえん。勘だけど、スノーボールアースの話とか、共生によってできた過程とかが徐々に明らかになっているから、段々そんなに不思議とはいえない方へ傾いていくと思う。
2010-07-20 23:39:36そこまで行けば、多細胞生物の誕生は、きっかけがなんだったかはともかく、あっただろう。そこからは、たぶんモリスが今度の本で書くような収斂の過程が働いて、かなり予測できるような進化の過程があるに違いない。
2010-07-20 23:41:30フラクタル構造は限られた情報から複雑な体を造り出す最も有効な手段だから体節制を持った生物は必ず生まれるだろう。脊椎動物、節足動物、などと我々だったら呼ぶようなシステムは非常に高い確率で再発見されるだろう。目や耳といった基本的な部品や戦略も。
2010-07-20 23:44:07どんな「地球」も、我々が現実のバージェス動物や恐竜を見る場合に比べて、何ケタも異常な、想像を極端に絶するような奇妙な動植物は生み出さないだろうと思う。
2010-07-20 23:47:31恐竜がでかいだけで愚鈍な間抜けだったという偏見は覆っている。恐竜の時代には今より温暖・高酸素で生きやすい時代があったし、彼らは機敏で賢く、今の鳥類の直接の祖先だ。
2010-07-21 00:00:50「恐竜人」がいなかった(と思われる)、それにちょっとでも近づいたと思われるものすらいなかった(と思われる)ことは、知性の進化が必然であるという見解に対する非常に不利な根拠になると私は思う。こういう話が出てくるかには興味がある。
2010-07-21 00:02:49進化の果てにはニンゲンが生まれるなんてのは人間中心の考え方で、別の「地球」ではまずヒトっぽい生き物は生まれないだろうぐらいに考えてたんですが、フクロオオカミみたいな収斂があったことを考えれば、この考え方も、ニンゲンを何か特殊なものとみなす考えなのかもしれませんね。 @tkido
2010-07-21 00:09:35これもあやしいと思う。たとえば鯨類は何百万年も人間よりよほどでかい脳を持って生きてきたが、なんらかの意味で人間のような知性に近づいたわけではない。
2010-07-21 00:10:01人間と最近まで系統を同じくするチンパンジーやゴリラでさえ、たとえば今人間のいない独立の地球に移住させたら必ず知性を生み出すかというと疑問だ。
2010-07-21 00:10:36ここでもめる、というかはっきりしなくなる理由は、何といっても人間(の知性)が、どうやって進化したかということが完全には分かってないからだ。
2010-07-21 00:11:23特にジェフリー・ミラーの、知性は性淘汰上の適応指標形質であるという説は気に入っていて、少なくとも部分的には正しいことは確実だと思っている。
2010-07-21 00:15:28性淘汰の指標形質というのは、本質的にはきっかけはランダムに近くてもいいものなので、霊長類つながりでサルで言えばたとえばカラフルな毛色とかは、【ひとつとして同じものがない】。
2010-07-21 00:19:07