中川保雄著「<増補>放射線被曝の歴史」からの引用まとめ

中川保雄著「<増補>放射線被曝の歴史―アメリカ原爆開発から福島原発事故まで―」 http://goo.gl/mAbAz からの引用を中心にまとめました。 中川保雄(なかがわ やすお、1943年 - 1991年)は、日本の工学者。工学博士。科学技術史研究者。神戸大学教養学部教授。 専門分野は科学技術史。(Wikipediaより) 本書のもう少し詳しい情報をWeb上で知りたい場合は、たとえば 続きを読む
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tomo san @国籍廃止しましょう @cnvvlty

「放射線関係者が国際的組織を作って自分たちの健康のための被曝基準を制定したのは過去のことである。核の時代に入って以後、被曝防護の体制は、核兵器と原子力発電を至宝とする支配層が、被支配者にヒバクを強要するための社会的仕組みとなった。」増補版P263 #放射線被曝の歴史

2012-08-08 02:14:42
tomo san @国籍廃止しましょう @cnvvlty

「被曝線量限度は、支配者による被支配者へのヒバクの押しつけ限度である。ICRPは国際的科学権威の組織などと言える代物ではむろんない。ICRPとは、ヒバクを人民に押しつけ、経済的・政治的利益は原子力産業と支配層にもたらす国際的委員会である。」増補版P264 #放射線被曝の歴史

2012-08-08 02:20:17

公衆被曝とICRP

ICRPの被曝リスク受忍論がもたらすもの/被曝労働

CAVU @cavu311

「ICRPのリスクの考えからは,リスクを『容認』するものにはどこまでもリスクが押しつけられる。この結果,とりわけ社会的に弱い立場にある人びとに放射線の被害が転嫁されることになる。(続く)」 #放射線被曝の歴史

2012-08-22 07:06:19
CAVU @cavu311

「(承前) 原発で働く労働者の場合も,被害の告発が即解雇につながるような弱い立場にある下請けの労働者に被曝は集中し,被害もまた深刻なものになる。~原子力産業は経済的な遅れにつけこんで,札ビラで頬をたたいて,現地の住民に被曝のリスクを受任せよと迫る。」 #放射線被曝の歴史

2012-08-22 07:08:05
CAVU @cavu311

「(ICRPのリスクの考えは)被曝を強制したうえに,被害が現れると,自分たちで過小評価しておいた放射線のリスク評価を用いて,『科学的』には因果関係が証明されないからその被害は原発の放射能が原因ではない,と被害者を切り捨てる。」 #放射線被曝の歴史

2012-08-22 07:10:53
CAVU @cavu311

「1989年度に正社員一人あたりの被曝線量は0.5mSvであったが,下請け労働者のそれは,1.7mSvで,正社員の3.4倍もの被曝をさせられていたのである。その結果,原発労働者があびる総被曝線量の95%以上が下請け労働者に集中させられているのである。」 #放射線被曝の歴史

2012-08-22 07:16:14

ICRP的被曝防護体制とそれの怒り

tomo san @国籍廃止しましょう @cnvvlty

「放射線被曝防護の基準とは、核・原子力開発のためにヒバクを強制する側が、それを強制される側に、ヒバクがやむをえないもので、我慢して受忍すべきものと思わせるために、科学的装いを凝らして作った社会的基準であり、原子力開発の....行政的手段なのである。」P225 #放射線被曝の歴史

2012-09-09 11:10:32
CAVU @cavu311

「放射線被曝の社会的体制は,ヒバクを押しつけ,ヒバクの犠牲を隠し,ヒバクの危険性を過小に評価しておきながら,それらのいわば犯罪的行為を『科学』の名の下に正当化するヒバクの支配体制である。それは,原発推進の支配体制の重要な構成部分をなしている」 #放射線被曝の歴史

2012-08-22 07:17:30
CAVU @cavu311

「核の時代に入って以降,被曝防護の体制は,核兵器と原子力発電を至宝とする支配層が,被支配者にヒバクを強要するための社会的仕組みとなった。被曝線量限度は,支配者による被支配者へのヒバク押しつけ限度である。」 #放射線被曝の歴史

2012-08-22 07:18:06
CAVU @cavu311

「ヒバクの押しつけに不徹底にしか反対しない姿勢が,ICRPとその勧告への支持となって現れる。ICRPに対して徹底した批判を加えうるかどうかは,ヒバクの押しつけに対して徹底して反対していけるかどうかをはかる試金石である。」 #放射線被曝の歴史

2012-08-22 07:18:40
CAVU @cavu311

「ヒバクの犠牲の押しつけに対する告発,放射線の危険性の見直しといっそうの解明,放射線ヒバク防護体制の批判と被曝基準の大幅引き下げ要求は,あらゆる反核・反原発運動結びついている。このようなヒバク反対運動は,反核・反原発運動の基礎を提供してる。」 #放射線被曝の歴史

2012-08-22 07:20:11
CAVU @cavu311

「原発に反対する科学者の中にも,数多くはないが『ICRPの精神』を支持する人がいる。このことはヒバクの押しつけへの反対がまだまだ弱いものであること,ICRPとその思想への批判が不十分なものであることを教えている」 #放射線被曝の歴史

2012-08-22 08:53:08
CAVU @cavu311

「都市の住民は放射能汚染の犠牲を原発立地住民に押しつけて恩恵だけを自らのものとしてきた,と指摘される。~しかし~チェルノブイリ事故が起きた今日,明白になったことは,その都市住民と言えども,原発の放射能汚染から免れようもない時代を生きていると言うことである」 #放射線被曝の歴史

2012-08-22 08:54:19

ICRP1950年勧告

「可能な最低レベルまで」 "to the lowest possible level"

CAVU @cavu311

「ICRPは、放射線の影響が回復不能で蓄積的であることを積極的に認める。このためICRPの1950年勧告は、「被曝を可能な最低レベルまで引き下げるあらゆる努力を払うべきである」と強い調子で勧告しているのである。(ICRP1950勧告について 1/3 ) #放射線被曝の歴史

2012-09-03 05:45:26
CAVU @cavu311

「ICRPはなぜ『可能な最低レベルまで』と勧告したのか。この主張は、ICRPによってやがて捨て去られる。しかし、この事実は歴史から消し去られてはならない」(ICRP1950勧告 "to the lowest possible level" について 2/3 ) #放射線被曝の歴史

2012-09-03 05:45:44
CAVU @cavu311

「『被曝を可能な最低レベルまで低く』というのは、核兵器に反対する世界中の多くの人びとの願いを具体的に表現したものであり、その人びとの意志とともに、今日もなお守り続けるべき放射線被曝の原則なのである。」 (ICRP1950勧告について 3/3 ) #放射線被曝の歴史

2012-09-03 05:48:00

ICRP1977勧告

コスト・ベネフィット論に基づくALARA2
”as low as reasonably achievable” 「合理的に達成できる限り低く」

tomo san @国籍廃止しましょう @cnvvlty

「行き詰まった原発の発電コストを引き下げるために、放射線防護の新しい考え方が登場した。それは従来のリスク・ベネフィット論に代わる「コスト・ベネフィット論」である。その真の産み親はどこなのか。」 P136 #放射線被曝の歴史

2012-08-22 09:07:43
tomo san @国籍廃止しましょう @cnvvlty

「原子力委員会は1970年にその被曝基準の修正に手をつけ、(中略)コスト・ベネフィット分析を適用して「合理的に達成される限り低く」する、という規定を設けるに至った。これが後に、「アラーラ(ALARA)」と呼ばれる被曝防護の経済原則となるのである。」P137 #放射線被曝の歴史

2012-08-22 09:12:15
tomo san @国籍廃止しましょう @cnvvlty

「1971年に発表した。『放射線防護の根本基準』と題されたその報告書でNCRPは、「純粋に生物学的、物理学的な考慮によるものではなく、社会的価値判断に依存して」、「利益を最大に、損害を最小にするためには、合理的な損害は容認する」必要があるという考えを」P140 #放射線被曝の歴史

2012-08-22 09:18:10
tomo san @国籍廃止しましょう @cnvvlty

「一般の人びとの総被曝線量は「実行可能な限り低く」と、どこまでも低減をはかるべきではない。被曝線量を下げるために要するコストが、その金額で得られる利益、ベネフィットよりも上回るなら、人びとに被曝を容認させるべきである。(中略)BEIR委員会はそう主張」P142 #放射線被曝の歴史

2012-08-22 09:27:44