PKA先生の、甲状腺検診はもっと普及してもいい という話

甲状腺ガンは、検査しないとなかなか見つからない癌。
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𝑷𝑲𝑨 @PKAnzug

では、仮に原発事故の影響で甲状腺癌がガバッと増えたとした場合、現状はどうなのかと考えると、こういう図になります。今の段階の調査では「正常」とされる青の人がいっぱい。この青の人が長時間かけて緑になり、さらに放置すると赤くなる。 http://t.co/d0PqFGau

2012-09-13 14:23:20
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𝑷𝑲𝑨 @PKAnzug

もちろん元々青の人もいますから、今後出てくる甲状腺癌がみんな原発のせいというわけではないですが、原発のせいではないとほぼ断言できる赤や緑の人を今回の調査で除外して、さらに定期的に調査を続けることで、原発事故で出たかもしれない甲状腺癌を緑のうちに見つけられる、というわけです。

2012-09-13 14:23:30
𝑷𝑲𝑨 @PKAnzug

そして残念ながら、元々青の人と原発事故で青になっちゃった人の区別はつきません。しかし、もしチェルノブイリのように甲状腺癌が増えたなら、今後発見される甲状腺癌も増えてくるので、数の推移を追うことで原発事故の影響の有無(程度)を評価することは可能です。

2012-09-13 14:23:48
𝑷𝑲𝑨 @PKAnzug

で、これが増えないことを何年も(できれば10年以上)確認した上で初めて、原発事故に対する事後対応の1つである「I-131誘発甲状腺癌からの防護」はうまくいったと言えるわけです。甲状腺癌は大人しくてゆっくりな分、とても気の長い話になっちゃうんですよね。

2012-09-13 14:23:58
𝑷𝑲𝑨 @PKAnzug

ということで、ちょっと話が脇に逸れたんで話を戻すと、有病率とか発見率とか、もっと以前からの話だとベクレルとかシーベルトとか、すごく馴染みのない言葉や数字が登場して、その数字から情報を引っ張り出そうと皆さん頑張ってますが、数字そのものよりまずはその数字の意味を考えてほしいんです。

2012-09-13 14:24:09
𝑷𝑲𝑨 @PKAnzug

関係のない数字を並べて比較したり、似てるけど実は違うものを比較したりしても、そこから得られる情報は誤情報です。もし結論が合ってたとしてもただの偶然で、同じ考え方をしたらいつか間違います。誤情報はデマを生み、デマは不安を生む。不安はそれ自体実害であり、差別など別の害にも化けます。

2012-09-13 14:24:20
𝑷𝑲𝑨 @PKAnzug

で、その害が向かうのはいつも被災地です。先日の呟きで私は半ば皮肉のように「冷静ですね」と言われましたが、むしろ冷静にならないとダメなんですよ。最終的に実害が生じる以上、「踊らにゃ損々」とばかりに大騒ぎするのは、既に加害行為であると誰もが認識しないと。

2012-09-13 14:24:32
𝑷𝑲𝑨 @PKAnzug

最後の部分はもう長いこと指摘されてるのに、「子供たちのために!」と叫びながら被災地の子供たちごと足蹴にする言行不一致がまかり通ってるので、もう今更期待はしませんけどね。自分が加害行為に加担してるかも、と一瞬でも思えた方は、一度立ち止まって熟考していただきたいところ。

2012-09-13 14:24:43
𝑷𝑲𝑨 @PKAnzug

ということで、結局ちょっとズレたまま話を終えますが、福島でやってる甲状腺スクリーニングの意味や、その結果を「有病率」と比較するのが合ってるようで正しくないことなど、各種考察の一助となれたなら幸い。

2012-09-13 14:24:51
𝑷𝑲𝑨 @PKAnzug

結構長くなったな。こういうのは書けるのに論文とか発表スライドはなかなか進まないという不思議。

2012-09-13 14:26:09
𝑷𝑲𝑨 @PKAnzug

@naokororin2 あ、どもです〜。(タイミング遅くて混ぜ損ねた)

2012-09-13 14:31:38
𝑷𝑲𝑨 @PKAnzug

あ、これです、これ。最初の方でボソッと書いたまとめ。RT joejoeu: .uchida_kawasaki さんの「甲状腺がん 有病率 発生率(罹患率) 等について 」をお気に入りにしました。 http://t.co/vGi9eSzd

2012-09-13 14:36:18
𝑷𝑲𝑨 @PKAnzug

@Tokyo_Dog いえいえ、お役に立てれば幸い。

2012-09-13 14:36:27
𝑷𝑲𝑨 @PKAnzug

@hayano 早野先生にまで@をいただけたとは光栄です。

2012-09-13 14:39:37
𝑷𝑲𝑨 @PKAnzug

@299_SideE おっと、なんかリプライがおかしなことに。さっきの噛み合ってない返事は見なかったことにしといて下さいw やはりやる気って重要なんだなと思いますね、この捗り具合の違いを見ると。

2012-09-13 14:40:43
𝑷𝑲𝑨 @PKAnzug

@_occi どもです〜。読みやすいように誰かまとめてくれないかなと密かに待っていたりしますw

2012-09-13 14:41:26

その後の会話

橋本公昭 @k60hashimoto

@PKAnzug 初歩的質問ですみません。甲状腺機能亢進症へのI131治療では発癌の確率は増えないって統計が出ているのですよね(長期間そして多数例の治療例からの結論)。それがなぜチェルノブイリ事故では増えたのでしょうか。子供だけの特有のものだということなんでしょうか。

2012-09-17 21:53:30
𝑷𝑲𝑨 @PKAnzug

@k60hashimoto いえ、それは初歩的質問じゃないです。意外にややこしい話なので、順に書いていきますね。諸説ある話なので、ここで挙げる内容は概ね観測に基づく仮説と考えてください。まず、当然ながら子供の放射線感受性の高さは影響していると思われます。

2012-09-18 03:59:31
𝑷𝑲𝑨 @PKAnzug

@k60hashimoto 次に、どうもI-131による甲状腺癌・甲状腺腫瘍増加は線形に増えるわけではないようなんですよ。大量のI-131で甲状腺細胞の大半が死滅する量よりは、甲状腺細胞が半殺しになるくらいの中途半端な量の方が、甲状腺癌や甲状腺腫を増やしやすいと報告されています。

2012-09-18 03:59:37
𝑷𝑲𝑨 @PKAnzug

@k60hashimoto まあ、死んだ細胞は癌化しないので、当たり前っちゃ当たり前です。なお、検査量(子供だと1MBq前後)くらい少ない場合は、やはり有意な発癌などの増加は観測されていません。

2012-09-18 03:59:44
𝑷𝑲𝑨 @PKAnzug

@k60hashimoto あと、スクリーニングを行うことで潜在しやすい甲状腺癌を見つけたことも、症例数の増加に関与してるのでは、とも言われています。ということで、こういったものが幾つか複合して違いを作ったのではないか、と私は考えています。

2012-09-18 03:59:51