『小児甲状腺がん発生リスクが通常の10倍近くに上がっていると言っていいのだろうか』斗ヶ沢氏の指摘
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このまとめを作ろうと思ったきっかけは、
福島市に住み子育てをしているお母さんの小さな呟きを偶然目にしたからです。
大きな不安をかかえているわけではなく、つとめて冷静に現実を見ている方のようでした。
でも、流れてくる情報に小さな不安を感じることはあたりまえのことです。
不安な気持ちをそっと口にしたそのお母さんに、この情報が届けばいいなと思いました。
毎日新聞連載:さあこれからだ:/49 甲状腺検診、加速させよ=鎌田實http://t.co/bJMDKuJ5TZ 鎌田先生は何度かお会いし、著書もよませていただき、心から尊敬している方ですが、今回は敢えて批判を。
2013-02-25 12:12:25鎌田先生は、福島県の県民健康管理調査で、子ども3人に小児甲状腺がんが見つかり、さらに7人に甲状腺がんの疑いがあることについて、「福島県での発生リスクが、通常の10倍近くに上がっていることを意味している」と書かれている。
2013-02-25 12:16:29「通常、小児甲状腺がんの発生率は100万人に1人といわれている。36万人の子どもがいる福島県で3人見つかった」から、「福島県での発生リスクが、通常の10倍近くに上がっている」とのことです。しかし、この論には、問題があります。第一に、「発生率は100万人に1人」は本当か。
2013-02-25 12:19:52「小児甲状腺がんの発生率(罹患率)は100万人に1人」というのは、よく見かける表現ですが、私の調べた範囲では、それを裏付けるデータはありません(どなたか、ご存じでしたら教えて下さい)。概ね10万人、あるいは数十万人に1人程度というデータはありますが。
2013-02-25 12:28:52発生率(罹患率)と有病率の違いが大事なことがわかります。
比べられないものを比べてはいけないということですね。
この小児甲状腺がんの罹患率というのは、何らかの症状があったり、たまたま検査して見つかった人の割合であり、積極的にスクリーニングして得られた数値ではありません。ですから、今回の福島県でのスクリーニングの数値と比較するのは、そもそも適切ではありません。
2013-02-25 12:31:59@hidetoga 平常時の有病率は「病気が存在する率」ではなく「病気が気付かれて診断された率」なので、そもそも見てる数字が違うんです。ご提示の論と全く同じ勘違いをする人が、ここのところ後を断たないんですよ。 http://t.co/9J88xGwYOv
2013-02-25 12:32:24御意です。RT @pkanzug 平常時の有病率は「病気が存在する率」ではなく「病気が気付かれて診断された率」なので、そもそも見てる数字が違うんです。ご提示の論と全く同じ勘違いをする人が、ここのところ後を断たないんですよ。 http://t.co/ki0BfcfNZO
2013-02-25 12:57:55さらに鎌田先生は「100万人に1人」と「30万人に3人」を比較して、10倍程度と書かれていますが、これもおかしい。30万人に3人は「有病率」であり、「罹患率」ではありません。有病率は現在その病気を有する人の割合であり、罹患率は一定期間(例えば年間)に発生した新たな患者数です。
2013-02-25 12:35:38つまり、甲状腺がんのように予後の良いがん(一部の予後の悪いタイプは別として)では、患者はあまり亡くならないから、小児甲状腺がん(0~20歳)では、年間罹患率は有病率の10分の1か20分の1ほどになるはずです。ともあれ、有病率と罹患率の数値をそのまま比較するのは間違っています。
2013-02-25 12:40:07日本で小児甲状腺がんの積極的なスクリーニングをするのは初めてのことなので、福島県でのスクリーニングで初めて小児甲状腺がんの実態が分かることになります。現在、青森県などで同様の検査をして比較する試みが進められており、年度内にも一定の結果が出るでしょう。
2013-02-25 12:42:48はい、そうです。RT @montagekijyo これですね→”環境省は福島と他地域の子どもたちを比較するため、青森県などで約4500人を対象に検査を進めており、結果は3月下旬に公表予定” http://t.co/BKdgEoDE5p
2013-02-25 13:07:18現在、青森県などで同様の検査をして福島県の検査結果と比較する調査が進められており、年度内にも結果が出るでしょう。対象人数が約4500人なので、小児甲状腺がんの患者が見つかる可能性は高くはありません。のう胞や結節については、比較できるデータになると考えられます。
2013-02-25 12:47:22悪意を持って書かれたものでなくても、
その内容によって不必要なストレスを抱える人たちが出てくることを
どうかメディアも自覚してほしいと思います。
今回は斗ヶ沢氏の指摘があり、鎌田氏が書かれたことの問題点がわかりましたが、
その記事によって、不安感を強めたかたもいるはずです。
自分の発言の先に、福島で暮らす人たちがいることを想像してほしいと思いました。
鎌田先生は立派な方で信頼度も抜群ですから、「南相馬市の若いお母さんからメールが届いた。『怖くなった。とても不安です』と書いてあった。当然だ」と書かれると、読者もまた、「やっぱり危ないんだ」と不安を感じてしまいます。
2013-02-25 12:51:51「甲状腺検診を加速せよ」という主張には賛同しますが、疑問符の付く内容でした。鎌田先生の東日本大震災後のご活動には深く敬意を抱いており、尊敬の念は全く変わらないのですが、敢えて批判をツイートしました。
2013-02-25 12:56:22たいへん難しい問題ですが、以下に私の考えを。RT @powpowpic スクリーニングの結果、必然的に有病者・罹患者ともに出現することが予想されると思います。その事実だけで「原発の影響だ」と主張される方々が多く出てくるかと思いますが、そのような主張にどのように対応
2013-02-25 13:01:30本来は「原発事故による放射線影響が出てくるには少なくとも3年程度はかかると思われるので、最初の3年間が基礎データとなり、以降にがんが増えたかどうかにより、原発事故の放射線影響かどうかを判断できます」と説明すれば、それですむはずです。(続)@powpowpic
2013-02-25 13:06:26しかし、「チェルノブイリで4年目以降に増えたのは、それまでに検査されなかったからだ=3年以内でも影響が出る可能性がある」「原発事故の放射線影響は早く出る」といった意見を語る方々がいます。それらの言説に根拠があるとは考えていません。(続)@powpowpic
2013-02-25 13:17:25私は1~2年のうちに甲状腺がんが発生して見つけられる大きさのがんになるという例は極めて少ないと考えますが、前述の言説を述べる方にそう言っても同意してくれないでしょう。今から3年後(事故後5年)に全く小児がんが増えていないことが分かるまで、待つしかない。@powpowpic
2013-02-25 13:23:00はい。そう思います。RT @PowPowPic 結局、「スクリーニングすれば、癌に限らず、どんな病気だって発見されてしまうものだから増えてるように見えるだけなんだよ。」と我慢強く繰り返すことと、継続的なスクリーニングと3年後の結果を待つほかないんですね。
2013-02-25 13:49:27韓国のような事態にならないように。RT @stratos1976 甲状腺がんの罹患率と有病率の違いは毎日新聞の「Dr.中川のがんの時代を暮らす」 http://t.co/iYITeWpMMz でいち早く指摘されていただけに、今回の「さあこれからだ」の記事は残念に思いました。
2013-02-25 13:26:13ご指摘の通りですので、批判ツイートをしました。RT @kazooooya この記事「さあこれからだ:=鎌田實」 http://t.co/jhvko5Sk1i は読者に誤解を与え不味いのではないでしょうか?
2013-02-25 13:43:47ご教示に感謝します。RT @botti_now ハリソン内科学三版では年間10万人あたり約9人となっていますね。発生率は加齢で増加、50歳過ぎで頭打ち。付属の発生率のグラフでは、20歳で10万人あたり0.5人程度でしょうか。それより年齢が下がると発生率もさらに低下します。
2013-02-25 13:54:18