[後編] 1hc0m先生と【エビ精力】(エビデンスベイスト精神力動的心理療法)をお勉強

「心理学の「教育者」のはしくれとしての関心から、『エビデンスベイスト精神力動的心理療法ハンドブック』は目を通してみようと思う。研究者として力動的思考法には興味はなく、まして実践としてどうこう言う立場にもないけれど。」 エビデンスベイスト精神力動的心理療法ハンドブック → http://www.amazon.co.jp/dp/4762827835/ 続きを読む
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ᴉɥsoʇɐsᴉʞnzᴉɥɔoɯ @1hc0m

【エビ精力】ちょっと順番入れ替えて,さきに13章・14章を読もう。神経生理学的基礎,ということで,13章は脳イメージング,14章は生理指標(心拍と皮膚伝導)。

2012-10-24 18:12:34
ᴉɥsoʇɐsᴉʞnzᴉɥɔoɯ @1hc0m

【エビ精力】(13章)※これはフロイトの思い描いていたプロジェクトなのである。

2012-10-24 18:15:01
ᴉɥsoʇɐsᴉʞnzᴉɥɔoɯ @1hc0m

【エビ精力】(13章)とはいえ,薬物療法に比し心理療法のイメージング研究はかなり少なく,この章でも前半に,「記憶と学習」「情動」「社会的認知と関係性」(←転移,愛着,共感,心の理論,ミラーニューロン)「意識と無意識」に関連するような知見の概略が述べられているにすぎない。

2012-10-24 18:21:10
ᴉɥsoʇɐsᴉʞnzᴉɥɔoɯ @1hc0m

【エビ精力】(13章)心理療法の効果については,CBT,IPTによるものが紹介されている。

2012-10-24 18:22:45
ᴉɥsoʇɐsᴉʞnzᴉɥɔoɯ @1hc0m

【エビ精力】(13章)“精神分析の同僚たち,あるいは精神分析を敵視する人たちも一様に,そもそも精神力動的構成概念は行動的にも神経生物学的にも根拠など見出せないものであると公言し,そのことを当然のこととして受け入れてきた。(…)”

2012-10-24 18:25:23
ᴉɥsoʇɐsᴉʞnzᴉɥɔoɯ @1hc0m

(…)一方,認知心理学者はそのことを端から見て楽しんできたのである。このことは,ある者からは精神分析学的仮説に内在する「検証不能性(untestability)とされ,しばしば精神分析の理論と治療の中核となる現象の無意識的,主観的,対人関係的性質によるものとされた。(…)

2012-10-24 18:27:23
ᴉɥsoʇɐsᴉʞnzᴉɥɔoɯ @1hc0m

(…)他の者は,エビデンスの欠如は精神分析的な考えが虚偽であること,あるいは少なくとも実験に基づく脳と心の科学とは無関係であることを証明していると主張している。  実際のところ,物議を醸している文脈は両サイドの主張よりも,もっと複雑なのである。”(p.261-2)

2012-10-24 18:29:37
ᴉɥsoʇɐsᴉʞnzᴉɥɔoɯ @1hc0m

【エビ精力】(13章)とは言っても,こうした知見が,精神力動的立場にいる理論家や臨床家たちの日々の思索に即応用可能であるのかどうかという点については,論争は依然として活発に続くであろう。(…)

2012-10-24 18:32:38
ᴉɥsoʇɐsᴉʞnzᴉɥɔoɯ @1hc0m

(…)研究の方法が非常に異なっている知見が他の分野に適用可能であるのか疑問をもつことは有益なことであり,責任のある姿勢である。しかし,だからといって逆に,文献に直接触れようとせず,すべての神経生理学的知見を無益とする批判を極端に一般化してしまうことは(…)

2012-10-24 18:34:14
ᴉɥsoʇɐsᴉʞnzᴉɥɔoɯ @1hc0m

(…)無責任であると同時に,この研究領域のさらなる発展可能性に対する阻害要素になると思う。”(p.281)

2012-10-24 18:36:09
ᴉɥsoʇɐsᴉʞnzᴉɥɔoɯ @1hc0m

※まあですからこの作業はその逆方向的な姿勢の表現であるということになりますね。

2012-10-24 18:40:06
ᴉɥsoʇɐsᴉʞnzᴉɥɔoɯ @1hc0m

【エビ精力】(14章)1950年代半ばの初頭から,心理療法セッション中の患者と治療者の感情状態や生理的反応を調べる研究がなされはじめた,という。

2012-10-24 20:18:34
ᴉɥsoʇɐsᴉʞnzᴉɥɔoɯ @1hc0m

【エビ精力】(14章)これらの研究では,患者のHR(心拍)やSC(皮膚伝導)と感情状態や病理,患者のHR/SCなどと治療者のHR/SCの関係などが検討されている。たとえば,これが「共感」の指標として使えないかどうか。

2012-10-24 20:25:25
ᴉɥsoʇɐsᴉʞnzᴉɥɔoɯ @1hc0m

【エビ精力】(14章)精神力動的心理療法でいえばMarciら(2007)の研究が紹介されていて,患者の報告したセッション中の治療者の共感の程度は,そのセッション内における生理的反応の一致の程度と有意な相関がみられた。また,最も高い一致を示した瞬間は(…)

2012-10-24 20:29:12
ᴉɥsoʇɐsᴉʞnzᴉɥɔoɯ @1hc0m

(…)連帯のレベルが高く,さらに患者と治療者の両方からポジティブな注視が生じていることが明らかとなった。

2012-10-24 20:30:29
ᴉɥsoʇɐsᴉʞnzᴉɥɔoɯ @1hc0m

【エビ精力】さて,残るはPart III の「精神力動的心理療法の理論,方法,プロセス」,9章~12章です。シンプルな効果研究(Part I)でも尺度による研究(Part II)でも神経生理学的研究(Part IV)でもないここのところを,くじけずに読めるかどうか,試されている。

2012-10-24 20:45:38
ᴉɥsoʇɐsᴉʞnzᴉɥɔoɯ @1hc0m

【エビ精力】(9章)治療同盟(作業同盟・援助同盟)。いくつもの尺度が開発され,実証研究が行われている。

2012-11-03 07:53:42
ᴉɥsoʇɐsᴉʞnzᴉɥɔoɯ @1hc0m

【エビ精力】(9章)治療早期に高く,中盤で弱化し,後期に高いことが治療成果を予測する ※U字型 ※特にそれらが急速に生じるV字型であることが良い効果をもたらすようだ。 →よって,「決裂→修復」プロセスの検討はおおいに必要。

2012-11-03 07:56:27
ᴉɥsoʇɐsᴉʞnzᴉɥɔoɯ @1hc0m

(恋愛もだらだらべたべたよりは,危機を乗り越えた方が強まりますわね)

2012-11-03 07:57:03
ᴉɥsoʇɐsᴉʞnzᴉɥɔoɯ @1hc0m

【エビ精力】(9章)「同盟決裂は治療プロセスで必然的に生じる」

2012-11-03 07:58:07
ᴉɥsoʇɐsᴉʞnzᴉɥɔoɯ @1hc0m

【エビ精力】(9章)「同盟の決裂に直面した治療者は,柔軟性のない非建設的なやり方で模範的な治療モデルにますます固執することで問題を処理しようとする」 →(治療者は)関係を絶つようなネガティヴなプロセスを展開し,より権威的・防衛的に。 ※こういうのって初心者にありそうな話だね。

2012-11-03 08:00:48
ᴉɥsoʇɐsᴉʞnzᴉɥɔoɯ @1hc0m

【エビ精力】(10章)は,情動への焦点づけ。「感情を取り扱うことへの注目」。いろんな理論があるが,実証的に検討したのはMcCullough(2001)だけとのこと。

2012-11-03 08:11:11
ᴉɥsoʇɐsᴉʞnzᴉɥɔoɯ @1hc0m

【エビ精力】(10章)概して感情への焦点づけは「良い」のであるが,注意点はふたつ。その1)Gaston & Ring (1992) では,改善が得られた患者の治療者よりも,改善しなかった患者の治療者の方が,感情に重点を置いていた」という結果。

2012-11-03 08:11:54