AERA『女性管理職100人の本音』特集と日経の『子育て社員向け』記事が伝えたいもの
今週号のAERAでは、"女性管理職100人の本音"というタイトルで、"今年9月下旬~10月半ばにかけて、企業の広報などを通して、女性管理職100人にアンケートを実施"した結果を掲載しています。
2012-11-15 01:06:062つのパートで合計8P程度の特集です。最初の6Pでは、アンケートから推察できることと、何人かのワーキングマザーへのインタビュー。後のパートの2Pではアンケートに対する自由回答が掲載されています。
2012-11-15 01:10:32Yahoo!ニュースで配信されたこの記事は、6Pのパートの冒頭のエピソードになります。/小6の娘から「お母さん、仕事辞めて」 働く母親のジレンマ〈AERA〉 (dot.) - Yahoo!ニュース http://t.co/EjIlnsul
2012-11-15 01:12:55この記事、Twitter上でも話題になっていたので読んだ人も多いと思います。このエピソードが掲載されているすぐ横には添付の写真のような見出しがつけられています。 http://t.co/5GH0h2AL
2012-11-15 01:16:03"夫は忙しい時の塾の迎えなどを担当してはくれたが、そこまでして母親が働く必要があるのかという態度が透けて見えたし、実母にははっきり批判された。"←という彼女の状況にも関わらず、横にある見出しが、"子育ても出世もしたい"です。何が言いたいんでしょうね、アエラは。
2012-11-15 01:17:52その他気になったところは、世界経済フォーラムの「男女格差報告」で日本が135カ国中101位と順位を落としたという文章の次に来るのが、"今回のアンケート結果を見ると、両立に悩む半面、子育てが仕事にプラスになる、と答えた人も少なくかった"です。文脈が良く分かりません。
2012-11-15 01:21:52そして、6Pの最初のパートの締めの一文にあるのが、"だが、今回のアンケートで多くの女性が必要性を指摘したのは、個別企業の取り組みよりも、社会全体の意識の変化だ"です。アンケート結果では、夫の家事・育児協力が両立には必要、両立が難しいのは会議など時間的拘束が長いと読めるのですが。
2012-11-15 01:25:00後半のパートでの、自由回答には数多くの女性からのコメントが寄せられています。見出しはこれです。 http://t.co/q3zYJmrj
2012-11-15 01:39:43この特集から、自分がまず最初に考えたのは「これを読んでワーキングマザーにはなりたいと思う人はいないだろうな」ということ。そして、多くの具体的名問題点が挙げられているにも関わらず、結論が"個別企業の取り組みよりも、社会全体の意識の変化"となっていることに疑問を感じました。
2012-11-15 01:43:518Pの特集の中で、夫側の状況に関しては(妻視点を除き)一切触れられていません。会社の人事部からのコメントもありません。あるのは、ワーキングマザーの感じた家庭・仕事に対する不安です。共感を狙って書いた記事としても、具体的に列挙されている、夫・会社の問題になぜ踏み込まないのか。
2012-11-15 01:47:09そもそもこのアンケートは、最初に書いたとおり、"企業の広報などを通して、女性管理職100人にアンケートを実施"したものですから、アンケートは企業の協力を得ていますし、企業の広報を通った結果がAERAには渡ります。もともと、アンケート結果に会社の問題は書かれにくいもの。
2012-11-15 01:51:34そして、朝日新聞ダイバーシティープロジェクトとして、今週のAERAは見開き2Pで三井住友銀行で女性の就業環境がいかに整っているか、ページ数の記載のない、恐らく広告記事が掲載されています。三井住友銀行はこのPJの特別協賛です。/朝日新聞社 http://t.co/n5tvvFcb
2012-11-15 01:56:13AERAの読者層は、男女比=6:4、年収1000万円以上が約3割、6割がビジネスパーソンとなっています。高年収の男性読者は管理職と推測できますが、そういった人向けに対して、物申すことはAERAではやりにくい。/AERA 媒体情報 http://t.co/6LQz1GuF
2012-11-15 02:07:37管理職の男性読者が多く、新聞社として企業から広告費を頂きダイバーシティプロジェクトを推進している以上、AERAでワーキングマザーを取り扱い、いかに怨嗟の言葉が綴られていようが、それでもって、夫・企業に対する改善の提案など到底書けるはずもないんですよね。
2012-11-15 02:10:01この日経新聞の記事でもそうですが、ワーキングマザー・共働き関係の記事では、女性に努力することが求められ、同時に産休・育休などを利用した女性と利用しない女性とを戦わせる構図を作る。/子育て社員甘やかさず 「制度使う以上仕事で貢献を」:日経 http://t.co/Qktn5Hfi
2012-11-15 02:13:28確かにここ数年で育児休業取得率は上昇していて2011年度雇用均等基本調査では、約87%でした。でも、この調査は会社が申告しているもので、その時点で会社に在籍していない=退職した社員については分母に入っていないんですよね。
2012-11-15 02:35:48結婚後の継続就業する割合は徐々に増えているものの、第一子出産前後の就業継続率は20年間でほぼ同じか減っていて、2004~2009年では38%です。同期間で育児休業を利用して就業を継続したのは24%です。/継続就業率(PDF)http://t.co/FkzGgDB2
2012-11-15 02:47:02厚生労働省が行っている21世紀成年者横断調査では、" 夫の休日の家事・育児時間別にみたこの8年間の第2子以降の出生の状況"を集計していて夫が手伝っているほど出生があるんですよね。 http://t.co/7TKUCM3A
2012-11-15 02:54:38退職しなくてはいけない空気、退職しないと子育てしないといけない家庭環境は誰が作っているんでしょうね。先のAERAの記事のように、"社会全体の意識の変化"とするのも必要な考え方でしょうが、でもそれは長期の話。一つ一つの会社、家庭でできることってたくさんありますよ。
2012-11-15 03:00:19ちなみに、日経の記事で"子育ては大変です。仕事も大変です。その両方を選んだのはあなたです"というメッセージを社内セミナーで伝えていたのも、AERAでダイバーシティプロジェクトの広告を出していたのも、同じ三井住友銀行です。このセミナーでは"頭取が登壇し、プロ意識を訴えた"そうです。
2012-11-15 08:52:45感想など
@topisyu Yahoo!ニュースを読んでも「夫は何してんの…」としか思いませんでしたね…。なんか…これ夫は家事も全然してなさそうな気配……。
2012-11-15 01:57:49@topisyu 社会に意義を申し立てても、夫には何も言わないのでしょうか…(´Д` ) やるせないっす…。しかしTEDでのシェリル・サンドバーグのスピーチを聞いてアメリカも根本的には変わらないんだな…と思いました。 http://t.co/RLlz8uUO
2012-11-15 02:31:17