ガザ情勢と中東紛争をめぐる一ユダヤ研究者のつぶやき

直立演人 @royterek

ホロコーストの記憶が国民化されるのは、むしろ1967年の「六日戦争」（第三次中東戦争）のトラウマを契機としてであり、この時期を境に、ホロコーストのトラウマがイスラエル国民の命運との兼ね合いでクローズアップされるようになってきた、と言っていいでしょう。@killimesoftly

直立演人 @royterek

それ故、イスラエル国民にとってのホロコーストを考える際には、トラウマ的記憶の継承という点で少なからず「不純な」要素がある点に注意が必要でしょう。その上で、イスラエル社会にとってのホロコーストとは、トラウマ以上に教訓という意味合いの方が強いと思います。@killimesoftly

直立演人 @royterek

パレスチナ人の抵抗運動の継続自体が、「ユダヤ人国家」というシオニズムの神聖にして侵すべからざる理念の正当性を脅かすことへの苛立ちだと思います。@killimesoftly：イスラエルの攻撃性はどこからくるのでしょう？何かの欠損を補填しようとするような、あの神経症にも似た行動は？

直立演人 @royterek

一言で言って、「自分の命は自分で守るしかない」という教訓です。@killimesoftly：教訓とは例えば、軍事力を強化して、民族を防衛するというような？やはり北朝鮮と比較するのがいいかもです。といっても北は日帝に抗日した遊撃隊、バルチザン国家として戦後出発するわけだけど。

直立演人 @royterek

残念ながら、バイナショナリズムは政治的アジェンダになったためしがなく、圧倒的大多数のユダヤ人はミニ・パレスチナ国家を作っておさらばしたいと思ってるのが現状ですね。@killimesoftly：やはり解決はバイナショナリズムしかないのか、、、。しかしそれも実現困難というアポリア。

直立演人 @royterek

個の自己保存ということなら、アメリカなどに移住するのが最も確実な解決策なんですけどね。@killmoisoftly：自己保存はホッブズにさかのぼるけど、リヴァイアサンは本来、国内の暴力を縮減して、平和状態＝国家状態を設立するためだったのに、外に向かってはそうならないという逆説。

直立演人 @royterek

イスラエルや世界中のユダヤ人の多くが「恥も外聞もなく」イスラエルの「自衛」という名の殺戮を臆面もなく支持してしまうのは、「自分の命は自分で守るしかない」という単純極まる自己保存欲求の表れなのです。しかしその行為は歴史的には間違った類推に基づいている。@killimesoftly

直立演人 @royterek

パレスチナに移住した初期のユダヤ人入植者たちは、帝政ロシアにおけるユダヤ人虐殺との類推で、アラブ人によるユダヤ人襲撃事件を「ポグロム」と呼んだ。1967年の「六日戦争」では、窮地に陥ったイスラエルを第二のホロコーストが襲うのではないかという危惧が世界中のユダヤ人の脳裏に浮かんだ。

直立演人 @royterek

同様に、「イスラエルを地図から抹消する」と豪語するアフマデネジャド率いるイランの核開発疑惑、イスラエルの生存権を認めないとされているいわゆるイスラーム原理主義のイデオロギー。現実性とは全く別のレベルで、イスラエルはこうした脅威をホロコーストとの類推で考える癖がついてしまっている。

直立演人 @royterek

今のイスラエルに言うべきこと→「頭脳が必要なときに筋肉は役に立たない」（イディッシュ語のことわざ）

直立演人 @royterek

停戦合意に至ったとして、イスラエルで話題になるのは、パレスチナ側への非難、政府の戦術・戦略、ＩＤＦによる作戦の技術的問題など。シオニズムやイスラエルがこれまでに行ってきた諸問題が長期的な視野に立った上で批判的に再検討されることはほとんどない。これの繰り返し。

直立演人 @royterek

イスラエルや世界のユダヤ人はパレスチナ国家の建国を永久に阻止したがっているといった考えを時折見かけるが、それは違う。彼らの多くが望んでいるのは、すでに既成事実となったユダヤ人入植地には大幅な変更を加えず、水源等の主な資源を自国に確保した上で、ミニ・パレスチナ国家を作ることである。

直立演人 @royterek

イスラエルも含めて世界のユダヤ人社会のマジョリティは間違いなく二国家解決を望んでいる。なぜなら、パレスチナ人とともに国際的な承認を得たパレスチナ国家さえできれば、パレスチナ人の境遇についてのみならず、その国家の行く末についても、晴れて自分の責任を問われずに済むと考えているからだ。

直立演人 @royterek

ミニ・パレスチナ国家の創出を願うユダヤ人社会の大半の考えが、自分たちに都合のいいことしか見ようとしないシオニスト・イデオロギーの欺瞞性と限界を如実に物語っている。パレスチナ人の帰還権は保留したとしても、1967年ラインはおろか1947-8年ラインを想定している者はほとんどいない。

直立演人 @royterek

問題は、ハマスを筆頭とするパレスチナ武装勢力がイスラエルのユダヤ人を文字通り海の外に放り出したがっているかどうかだが、そんなことを考えているパレスチナ人の割合は、できることならパレスチナ人を皆殺しにしたがっているごくわずかな狂信的ユダヤ人の割合と同じ程度に過ぎないのではないか。

直立演人 @royterek

イスラエルにはパレスチナ人は簡単に殺せるが、パレスチナ人にはイスラエル人を簡単には殺せない。

直立演人 @royterek

パレスチナ人が保有する最強の武器は非戦闘員の死である。だが、少なくともその死に責任ある者は、それを卑怯だと非難することはできない。

直立演人 @royterek

戦闘員をはじめとするパレスチナ人たちがかくも死を恐れないのは、生自体がすでに地獄に他ならないからだろう。生きていても希望が見出せなくなった時、人はもはや死を恐れない。しかしそれはあくまで大人の話だ。子供たちは違う。子供たちが真に絶望し切るというのは、およそ考えにくい。

直立演人 @royterek

こうも戦力や意識の差を見せ付けられると、どうしてもアメリカと日本の戦争を想起してしまうが、パレスチナ人はいちども侵略戦争をしたわけではないばかりか、その可能性すら元々ないのである。

直立演人 @royterek

「パレスチナを解放せよ！」という大儀には心から賛同するが、解放闘争のやり方については手放しに賛同することはできない。極めて困難なタスクとはいえ、シオニストたちの欺瞞的で独善的な理論の武装解除を志向しつつ、ユダヤ人を含む世界中の人々の良心や良識に訴え続けていくしかないのではないか。

直立演人 @royterek

パレスチナ人による断固たる対イスラエル武装闘争は、じわじわ効いている面もたしかにあると思う。しかしそれが武装闘争であり、市民を標的にする限り、イスラエルとその支援者らによる「対テロ戦争」を正当化する口実をいっそう与え、抵抗がもたらす効果も相殺されてしまいかねないのではなかろうか。

直立演人 @royterek

ガザから発射されるロケット砲は、多くのパレスチナ人の承認欲求の顕れだろう。イスラエル、アメリカ、ヨーロッパ、アラブ・イスラム諸国、そして世界に対しての。ガザからのロケット砲攻撃は、形を変えた自爆攻撃とも言えるのかもしれない。「停戦」が合意されれば、世界はぐっすり眠ることができる。