個人情報保護法について(鈴木正朝教授の連続Tweet)
- ChihiroShiiji
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ここに第三者機関(独立行政委員会)の存在意義があった。マイナンバー法案にあった「番号情報保護委員会」は「情報保護委員会」として装いも新しく、権限を拡大して、「情報保護委員会設置法」としてマイナンバー法と独立に作るべきだろう。新政権に期待したい。
2012-11-30 02:47:00なお、暗号技術はどこまでいっても、安全管理技術の一つであることにかわりはない。欠くことの出来ない重要技術であるが、それはパーツの一つでしかない。暗号技術かわいさのあまり過剰な提言をしないことだ。過剰なものは必ずノイズになる。
2012-11-30 02:48:15匿名すりゃいいんじゃね?的な安直、短絡もあって怖い。ビジネス命はいいがこうした安直、短絡が自らのビジネスの首を絞める、これが最近の日本の傾向である。なぜ個人情報保護法が機能しなかったかの分析もなく、原因不明なまま情報流通策に踏み込む猪突猛進さは、貧すれば鈍すを地で行っている。
2012-11-30 02:52:344000万人以上いるTポイントカードの個人情報利活用ビジネスのどこを指導し修正させるべきかもわからないままで、どうやって正しい利活用促進策を推進するのだろうか。善悪の基準を持ち得ないものが旗を振っている。ごまかして勢いで行くほかないが、それで手戻りばかりがこの10年だ。
2012-11-30 02:55:14何度もいうように条例含む個人情報保護法制2000個問題もある。国内越境データ問題を放置して利活用促進もない。個人情報の定義は、微妙に異なるものが20、30はあるだろう。容易照合可能な識別子を除外する自治体もある。ここを上書きする方針を示すことなく一つの個別法だけをみている。
2012-11-30 02:58:47個人に関する情報を含むデータ連係を円滑に行うためには、刑事、民事を含む全法律を全てクリアしなければならない。個人情報保護法制だけをいじってもデータは動かない。個人情報保護法1本主義と揶揄してきたが、ここだけが目詰まりしているという認識にあるなら問題を軽視している。
2012-11-30 03:02:59Tポイントカード型ビジネスモデルのデータ連係において、どのようなことが論点になっているか、薬害オンブズパースン会議の「Tポイントサービスに関する要望書」(2012年11月20日)をざっと確認してみればいい。個人情報保護法だけだろうか?http://t.co/Oya6wesP
2012-11-30 03:06:53「IT融合」のねらいはいい。ただ経産省設置法の中でこのような大きなプロジェクトを推進しきれるのか。そこは国をあげて取り組むべきだろう。「政府CIO制度」はその意味でも重要な位置を占めるはずだ。そこでグランドデザインを描き各省において連携して実施すべき。これも新政権に期待したい。
2012-11-30 03:16:05個人情報の問題は、憲法上の人権保障の問題として個人の尊重の理念を軸に再構成が必要である。憲法保障としての司法の統制が働く中で、PIIのみではなく、情報の内容(センシティブ性)とプライバシーインパクトを評価する規律に転換すべきである。消費者保護の枠組みを作ることが先決である。
2012-11-30 03:20:37本当に悪いこと(禁じ手)を明確化して、悪い奴に釘を刺すことができれば、そのほかは自由。刑法も不法行為法も、自由保障機能の構造は単純明解であり、それが近代資本主義を法的に支えている。Tポイントを是正できないというのは悪いところがわからないと表明しているようなものだ。
2012-11-30 03:23:17産業界が国との関係において着目するのは、政府の規制の内容、すなわちその法目的であり条文の趣旨であり個々の義務の適法違法を分ける判断基準であり、理論である。要するに予見可能性を求めている。ビジネス投資の回収までの計画を立てるにおいて、後出しじゃんけん規制は大変に困ることである。
2012-11-30 03:28:04現状は、個人情報保護法に哲学なく、理論的基礎もなく、ただ単に手続的な決めの条項が並ぶだけである。根拠を尋ねれば法源性のないOECDプライバシーガイドラインだ。しかも8原則が日本では5原則にまとめられている。一命題一内容の原則が何故5になるのか。思考停止の産物である。
2012-11-30 03:31:12国家権力による公的個人番号と、社会的権力による民間個人番号に通底するライフログと識別子の問題を、しっかりと捉えることができれば、マイナンバーの問題もケータイID、スマホのID、Googleアカウント、Tポイントカードの問題が見えてくる。
2012-11-30 03:34:07そこを疎かにアバウトな規律に走れば、1年後、2年後と手戻りばかりが発生する。ビジネスモデルの修正を余儀なくされ、当初の投資回収計画は市場環境というよりも行政の無策のために大幅に狂っていく。緩めることが産業支援と短絡しているのではないかと不安になる説明ばかりを聞かされている。
2012-11-30 03:37:01くどいようだが、天下が注目するTカード問題を放置することは、あれと同種のビジネスモデルを容認したと市場にメッセージを与えたということだ。Tカード型の共同利用方式で個人データを共有し使い回す方式に踏み込むビジネスに投資していいのかどうか。白黒言えずにどこが産業支援なのだろう。
2012-11-30 03:41:12ということで、以上の論点含めた詳細は、時間内に話しきれるかわからないが、12月5日(木)18:30に情報通信学会の第6回情報知財研究会(サピアタワー8階・東京大学先端研)で報告の予定。レジュメはどこかで公開したい。 http://t.co/98zDu0LU
2012-11-30 03:44:49昨日の日経誤報は、どこが誤報かというと(1)個人情報そのものの提供の自由化という誤解を与えかねない表現、(2)改正法案の提出という閣議決定はないというところ。連結可能匿名化をガイドラインに反映させるという閣議決定は出ているようです。
2012-11-30 11:19:12ガイドラインで連結可能匿名化をやろうとすれば、現行法上「容易性」判断基準のところになるのですがre-identificationの論点はどうなるのか。連結可能によるリスクを担保するところは新たに法律で対応しなければならないところをガイドラインで安直にやっつけてしまえるのか。
2012-11-30 12:51:29しかも「容易に」の文言があるのは民間法だけですが。2000個問題をいつも忘れて議論してしまう。医療関係は、遺伝子創薬があり、病院は普通に国、自治体、民間、大学にわたって数多く存在してますが・・。それ故に厚労省は立法対応なんでしょうね。
2012-11-30 12:52:41いよいよ社会保障費が100兆円時代に突入です。よく無策のまま年寄りになれるなと驚愕します。特に加齢によって万人が晩年は医療介護のお世話になります。在宅医療介護を支えるものはITです。真の利活用はこうしたシビアなところで議論されなければなりません。この安直さ思慮の浅さも驚愕します。
2012-11-30 12:55:04医療関連で参考になるのは米国HIPPAくらいでしょう。これとて十分ではない。それだけに欧米のキーマンらと哲学を共有するというのが大変重要になります。
2012-11-30 12:58:05彼らのベースにある価値判断を理解しておくことなしに越境データの流通を確保していくことはできません。障害を自ら作る愚かな方向に走っては、修正を余儀なくされる連続でしょう。こうした手戻りもまた産業の力、国の力を弱める遠因になります。小手先のガイドラインという発想がいかに愚かか。
2012-11-30 12:59:06そしてつぎの夜…
こちら(↓)のまとめの方が先にできていましたが、繋がりがあると思われる12月2日分が採録されてませんでしたので、別途(↑)作り直しました。