
個人情報保護法について(鈴木正朝教授の連続Tweet)
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ChihiroShiiji
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背景

これはぜひとも読んでおくべき。Tカード問題の法的な基本論点がクリアに説得的に解説されています。→「薬害オンブズパースン会議,Tポイントサービスに関する要望書提出」 http://t.co/Oya6wesP #takeolibrary
2012-11-22 23:56:21
本日11月21日(土)のNHK7時のニュース「おはよう日本」で、Tカードがドラッグストアから情報を得ていることの問題点についてコメントしてみました。
2012-11-24 07:24:50
Tカード問題に対するコメントがNHKのサイトに掲載されました。「利用者購入の医薬品データ収集 懸念の声」(11月24日) http://t.co/gBaFt9u1
2012-11-24 07:44:46
高木浩光氏と昨今の騙す気満々系の利用者情報収集アプリの問題などについてInternet Week 2012のパネルで語ってみた。→ Impress Watch「だまして利用させる“禁じ手”に歯止めを、“プライバシーエンジニア”育成も」http://t.co/wFVYz79E
2012-11-27 12:23:38関連まとめ等


「民間の個人情報売買解禁へ 政府、新事業創出を後押し」(2012/11/29 2:00 日経新聞)http://www.nikkei.com/article/DGXNZO48940300Z21C12A1EE8000/

この記事はガセのようです。私も委員になっている経産省のパーソナルデータに関するWG http://t.co/MNWtofSO で今朝確認したので間違いありません。RT 民間の個人情報売買解禁へ 政府、新事業創出を後押し:日本経済新聞 http://t.co/v0U6QiDe
2012-11-29 20:23:01個人情報保護法について

さて、日経の個人情報保護法改正の誤報が落ち着いたところで、個人情報保護法についてコメントしたい。いわゆる連結可能匿名化は、たぶん厚労省の医療個人情報保護法案でも重要論点になるところだろう。反対というわけではないが丁寧な検討特に国際的な整合性、そして国民への説明が求められる。
2012-11-30 02:07:59
特定個人の識別(可能)情報(PII)から特定個人は識別できないが個人の権利利益を侵害しかねない情報(non-PII)に保護範囲が拡大している欧米の動向を踏まえた議論は重要である。
2012-11-30 02:10:28
(1)日本法における「識別」と米国法におけるidentificationとの概念がズレているように感じる。(2)特定個人の識別(可能)情報とlinkableとの違いもしっかり認識しておくべきだろう。
2012-11-30 02:13:12
それから、(3)non-PIIの中でも「識別子」は特別だ。その機能と性質を押さえた上で匿名化の議論をしていくべきだろう。(4)匿名化の概念定義と用語、法的効果を、連結可能性を担保する技術の評価とともに丹念に積み重ねていかねばならない。
2012-11-30 02:14:21
「匿名」は名を匿(かくま)うと書くように、字義から見れば実名を誰かが知っていて隠している(かくまっている)状態を言うのではないか。あえて「連結可能」匿名化というべきなのか疑問であった。それよりも「連結不能」匿名化というのはいただけない。法令用語には不適切な用語であろう。
2012-11-30 02:23:12
しかし、日経の報道を受けた反応の中には、浅薄なビジネス命のつんのめり方が垣間見えるだけに、不安は大きい。こうした連中が望む通りにするほどに欧米との動向とのズレは拡大し、越境データ問題の解決から遠のいていく。どうやらデータ鎖国がお望みらしい。
2012-11-30 02:29:31
消費者保護=ビジネス阻害要素という短絡が支配していて、Tポイントカードの問題提起が利活用促進策にマイナスになるという印象論から抜けきれない警戒感。その頭の固さと視野狭窄さが、ビジネスセンスの悪さと正比例の関係にあるようだ。むしろ逆なのだが、わからんのだろうか。
2012-11-30 02:32:12
日本の個人情報保護法制におけるphilosophyの欠如がまた後々ボディブローのように効いてくるに違いないと不安になっている今日この頃。EUと米国との法文の文字面を比べるだけのチープな比較法もどきな分析が跋扈しているが、そうしたテクニカルなしのぎ方だけの問題ではないのだが。
2012-11-30 02:34:47
こういう重要論点がいくつも控えているだけにTポイントカード的な狼藉者をしっかり取り締まるところが重要であった。この報道の流れでは、あれも利活用、ビジネス促進の一例で追認するつもりですよとメッセージを出しているようにも見えるではないか。それが、今後の議論に躓きを与えるわけだ。
2012-11-30 02:37:28
ある種の創薬ビジネスでは、薬害に備えて、原料と薬との間で双方向のトレーサビリティを確保する必要がある。それを法的に担保するものとして、いわゆる連結可能匿名化がある。国際的整合性を踏まえながら重要概念をできる限り合わせていくことの重要性をどれだけ認識しているのだろうか。
2012-11-30 02:39:08
法体系の違いはいかんともしがたいが、それを超えて越境データ問題にとりくむのであれば、少なくとも重要な法令用語は米国法と合わせていくことも検討すべき。無駄にずれているようではコミュニケーションを阻害する。これが誤解と問題を生む遠因にもなっている。哲学のない国が譲歩すべきだ。
2012-11-30 02:42:02
連結可能匿名化を採用するなら、連結性を担保する「対応表」的機能を有する情報が必要であろう。さて、それを誰が保管し、誰が法的義務と責任を有し、本人はそれにどう関与し、行政はそれをどう監視、監査するのか。罰則はどうするか。利便性の裏にある危険性をどのように最小化していくのか。
2012-11-30 02:44:43