ソウルのバスについての独り言

ご紹介がてら、つらつらと。
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せき のりかず @kotonoha_s

さて、ちょっとバスの話題が出たりしたので、ソウルのバスの話でもしようかと。21世紀になる頃からソウル市は市内交通の再整理に着手、遅々として整備が進まない軽電鉄(新交通)に代わるBRTの整備を行い、2004年には大改革に打って出ました。 pic.twitter.com/izOAyq3z

2013-01-12 21:33:25
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ソウル市は、老朽化した都心部の高架バイパス道路の処遇について、再建ではなく撤去と景観回復を決断し(当時の市長は李明博氏)、それにより発生する交通流動の変化(自動車交通の混乱)を「公共交通の分担率向上」でカバーする方針を固めました。それに伴い、市内バスの完全再編と都市圏鉄道との一体化が実施されました。

せき のりかず @kotonoha_s

ソウル市のバスは、改革によって準公営化され(既存事業者運行受託で存続)、運賃収受をICカード基本に改めたうえで「直通と乗継のベストミックス」で路線を再編。バスの塗装も、路線の性格別とし、幹線は・支線はに変更し判りやすくしました。 pic.twitter.com/HzpYiNjt

2013-01-12 21:39:21
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せき のりかず @kotonoha_s

ソウル市は、日本で言うコミュニティバス都心巡回バス的なものも、都市交通の一部として総合的に整備。狭い範囲内で運行される住民サービス的な位置付けの「マウルバス」も、都市圏共通運賃での乗車が可能で「総合的な都市交通ネットワーク」に内包。 pic.twitter.com/0bTnngMP

2013-01-12 21:45:43
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せき のりかず @kotonoha_s

ソウル都心部でちょくちょく見かける黄色いバスは、市街地循環バス。日本でも買い物バス的な形で運行されたりしていますが、こちらはソウル都市圏の鉄道・バスが採用している都市圏共通運賃で乗車可能。都市交通としてきちんと一体化されています。 http://t.co/eYylfkdr

2013-01-12 21:52:03
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せき のりかず @kotonoha_s

さてソウルのバス、市街地内だけでなく広域流動もシステム化しています。赤いバスは都心と郊外の拠点や団地を結ぶ「広域バス」で、日本で言う都市圏高速バス的な存在。これもソウル都市圏の公共交通として一体的に運営。運賃は共通運賃制度適用です。 http://t.co/rC0P2r7Z

2013-01-12 21:55:05
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せき のりかず @kotonoha_s

ソウル市は2004年のバス改革2007年の鉄道共通運賃制度(4社で運賃統合)へのバス参加で、都市圏の公共交通を完全に一体化。清渓道路の廃止(川の復活)で市内の交通流動が変動することをカバーすることに成功(公共交通分担率の大幅向上)。 pic.twitter.com/B2ocNMZ2

2013-01-12 22:08:09
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ソウル都市圏では、結果として地下鉄・郊外鉄道・空港連絡鉄道および都市圏バスが、全て同じ運賃かつ「通し計算」で乗車可能になり、乗り継ぐ度に初乗り運賃を取られたり、社局に応じて複数の乗車券を使い分けたりする必要がなくなり、シームレスなサービスが提供されるようになりました(ICカード利用の場合)。またICカード利用を前提としたシステムに改めたことで(鉄道は1回乗車券もICカード化)、利用動向や発着地データなどが高い精度で把握できるようになり、それに基づいたダイヤ設定やバス路線の改廃が出来るようになりました。

運賃については、このような形態になっています。
http://photozou.jp/photo/show/475086/116343076
いまは各運賃とも100~150ウォン値上げされていますが、システムは変わっていません。

改革は路線や運賃制度だけでなく、インフォメーションスタイルも。

せき のりかず @kotonoha_s

ソウル市のバス改革は、インフォメーションの面でも改革され、バスは系統番号を法則化し、都心部が0、その周囲を1~7としてエリア分け・付番。バスの系統番号と車体色を見れば、どこからどこへ行くどういう路線なのか、おおよそ判るようになりました。 pic.twitter.com/3hRTkLM6

2013-01-12 22:17:52
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翌日、系統番号マップを韓国観光公社のサイトから引用、記事紹介を貼ってみたり。

せき のりかず @kotonoha_s

昨夜連ツイしまくったソウルのバス、観光公社に日本語での解説ページがありました。→ japanese.visitkorea.or.kr/jpn/TR/TR_JA_5… エリア分けが明確で、全てのバスへ共通のルールで系統番号が付けられているので、結構便利です。 pic.twitter.com/8v9Ap612

2013-01-13 10:58:48
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せき のりかず @kotonoha_s

ちなみにソウル市のバス区分は、こんな感じになっています。細かな行先や経由地までは判別できずとも、おおよその走行エリアは分かるので、調べるにも調べやすく、またコールセンターなどへの問合わせ及び応対も、容易になっています。 pic.twitter.com/Wxty38el

2013-01-12 22:37:02
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せき のりかず @kotonoha_s

さてソウル市のバスと言えば、見た目でインパクトがあるのはコレでしょうか。中央走行式バスレーンでの、BRT網の整備・運用。当初は数路線で始まったようですが、今では市内・近郊のの多くの幹線道路に敷設されています。 pic.twitter.com/sjFnEgKn

2013-01-12 22:40:58
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せき のりかず @kotonoha_s

ソウル市のBRTバスレーンは、終日専用としている区間が多く、物理的に一般車線と区分している区間もあります。レーンは目立つようカラー舗装され、一般車の侵入はかなり厳しい罰則があるそうです(監視カメラで終日監視)。 pic.twitter.com/xAmoQI16

2013-01-12 22:44:56
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せき のりかず @kotonoha_s

ソウルのBRT、バス停部分は鉄道駅と同等の設備。改札こそありませんが、ホームには近代的な屋根・風防壁があり、一部には跳ね上げベンチも設置。バスの接近表示もあり、バス待ちの不安や不快を軽減するよう設備が整えられています。 pic.twitter.com/HKFT2wRe

2013-01-12 22:50:52
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せき のりかず @kotonoha_s

ソウルのBRTバス停は、停名標や系統別の経路図(全バス停記載)・運行案内もあり、インフォメーションでも鉄道駅と同等レベルのサービス。停名標には現在地だけでなく前後のバス停名も表記され、まさに駅名標と同等のものです。 pic.twitter.com/JSXWQTYv

2013-01-12 22:57:37
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せき のりかず @kotonoha_s

ソウルBRTバス停の、停名標を少し大きく。現在地表記はハングルの他に漢字(韓国式表記)と英語で表記されています。デザインは各バス停共通で、見やすいシンプルなデザインですが、バスアイコンが良いアクセントになっています。 pic.twitter.com/DUzdipNP

2013-01-12 23:02:05
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せき のりかず @kotonoha_s

ソウルBRTバス停の、発着バス案内表記。上部のカラーラインはバスのボディカラーで、ここに(幹線)・(支線)・(広域・高速)の各バス系統番号が一覧表記され、下部には各系統の経路図(全バス停記載)が掲示されています。 pic.twitter.com/ZjV8CM8y

2013-01-12 23:05:46
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せき のりかず @kotonoha_s

さてソウルBRT、特定の路線バスだけではなく、広域バス(赤)や空港リムジンバスもバスレーンを走行します。またレーン設置道路でも支線系統(緑)はチョイ乗り要素に配慮してか、レーンを通らず路側発着もあるなど柔軟な運用となっています。 pic.twitter.com/luo06qMd

2013-01-12 23:09:56
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せき のりかず @kotonoha_s

ソウル市で成功したBRTは、他都市へも波及。画像はソウル市南郊の京畿道華城市にあるニュータウン(東灘新都市)に整備されたもので、ソウル市より簡素な上屋ながらインフォメーションモニターは高度化されるなど、各地でローカライズされています。 pic.twitter.com/rV2DkxOo

2013-01-12 23:20:38
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インフォメーションについては、地方都市では接近モニターの導入が進んでいます。 http://photozou.jp/photo/show/475086/72956438 http://photozou.jp/photo/show/475086/72960916 大邱市と浦項市のバス停にある自立型インフォメーションモニターですが、大邱市では一般的な路上バス停に、浦項市ではバス停上屋とは別に設置しています。それぞれの都市や場所に応じて、導入できるものから順次導入しているようです。

せき のりかず @kotonoha_s

で、先ほどからのソウルBRTですが、バス停部分の車線が膨らんでいるのにお気づきでしょうか。バスの運行本数が多い区間では「追い越しレーン」が整備されています。これにより先行バスの発車を待つことなく、スムーズな運行が可能になっています。 pic.twitter.com/hPBlUTbo

2013-01-12 23:30:03
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追い越しレーンについては、これは「バスならでは」と言える施策かと。鉄軌道でも追い越し線そのものは作れますが、バスの場合は「停留所のどの位置からでも」追い越しレーンに移れるので、運行の自由度が格段に増します。停車便同士が停車中に後続車が先に客扱いを終えた場合は、後続車は追い越しレーンを使って前方のバスを追い越せたりします。これはレールに縛られる鉄移動では対応が難しく、バスの機動性が大いに活かせる場面でもあったりします。