山下裕二 「円山応挙 講座 第二回」のまとめツイート

山田純嗣による山下裕二「円山応挙 講座 第二回」のまとめツイートなど。
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中日文化センター
講座ジャンル 教養ほか
講座名 真の実力者!円山応挙
曜日・時間 第3土曜日 昼 1:30~3:00
会場 栄中日文化センター  (名古屋市中区栄4-1-1 中日ビル4階)
講師 明治学院大学教授 山下裕二

講座内容 円山応挙(1733~95)は江戸時代を代表する画家で、写実の達人と言われてきました。しかし、その実情は単なる「写生画の大家」ではなく、近代日本画につながる革新性と、江戸時代絵画としての伝統性の両面を併せもつ真の実力者なのです。18世紀後半の京都という場で応挙が達成した“新しさ”の意味と、それが生み出された過程を探ります。1月から始まる3ヵ月講座です。

受講料 3ヵ月分 8,820円
備考 筆記用具
講座番号 1-12-851-0

http://www.chunichi-culture.com/

Junji Yamada @JunjiYamada

昨日は山下先生の応挙講座2回目を受講してきました。前回とも重複する内容もあったので、復習のような形で理解を深められました。今回も配布物が充実しており、愛知県美術館の応挙展の展示プランの図面までも配られました。以下、その講座でのお話から、連投を失礼します。

2013-02-18 00:32:54
Junji Yamada @JunjiYamada

まずは白隠について、白隠の達磨の斜視気味の表現は白隠自身と重なる自画像でもあるという話から、自画像について、15世紀の明兆、16世紀の雪舟(藤田美術館)などわずかにあるが数は少ないと言う話。そして応挙の肖像の話へ、それを見ると応挙は小さな人であったと思われると。

2013-02-18 00:34:01
Junji Yamada @JunjiYamada

そして前回も触れた応挙展の展示プランについて。大乗寺の再現展示は、襖の前に畳が敷かれ、それが結界がわりに。一段高く設置して、立ったままでも正座したときの目線で見られるようにするとの事。また、LED照明による調光は時間によって変化、ループするようになると。

2013-02-18 00:35:09
Junji Yamada @JunjiYamada

孔雀の間の孔雀が松煙墨を使っていて僅かに青味を感じる事や、松の葉と幹の色味の違いなど実物を見なければ分からないと。そして、10年ほど前から各所の襖絵などがデジタル複製に置き換わっていることについて、デジタル技術は日進月歩なので云々、いろいろともの申したいご様子でした。

2013-02-18 00:37:17
Junji Yamada @JunjiYamada

今回の山下先生の講座ではスライドを中心に、途中、大乗寺で販売されているブルーレイも鑑賞しながらお話が進みました。このブルーレイがとても良くできているのですが、どうやら愛知県美術館の展示のときにも販売されるようです。楽しみです。

2013-02-18 00:37:50
Junji Yamada @JunjiYamada

郭子儀の間の彩色は、高級な絵の具を使っているのでとても発色が良い。 子どもたちの目線の先にいる蝶は、金箔を背景にして、まるで現実の空間から迷い込んだように見えると。また郭子儀の足下にいる絵を描く子どもは、応挙自身の子ども時代に重ねているかもしれないと。

2013-02-18 00:39:16
Junji Yamada @JunjiYamada

応挙の次男の応瑞による鯉の間、画風は応挙そのものだと。そこに描かれる鯉や亀は見る角度によって形が変わる。 そして客人の控室にあたる応挙による山水の間は最も格が高い。貴人を迎えるにあたって上座は一段高くなっている。山水の間は壁に直接描かれているので、現地でぜひ見てほしい。

2013-02-18 00:40:49
Junji Yamada @JunjiYamada

応挙は空間を読む力がとても優れた人で、上座から山水の間全体を見たときに空間がどう見えるかがよく計算されている。上座から見て右奥の角に山がありそこから一筋の滝が落ち右手前の川になり、その川は床下を通って左手の海に注ぐ、というように。

2013-02-18 00:42:23
Junji Yamada @JunjiYamada

大乗寺の客殿の配置は平安時代作の本尊、十一面観音を中心に考えられている。襖絵の詳細や配置は大乗寺のHPデジタルミュージアムで見る事ができます→ http://t.co/73AP4bOC

2013-02-18 00:44:42
Junji Yamada @JunjiYamada

山水の間の床の間の違い棚の部分に描かれている建物は堅田の浮御堂であったり、上座から見て左手にある丸い小さな山は三上山、正面の砂州は天橋立、右の川は大乗寺近くの川が日本海に注ぐ様など、山水の間は中国風に描きながら京都を中心とした実風景を入り込ませている。

2013-02-18 00:45:47
Junji Yamada @JunjiYamada

中国風の山水画に日本の実風景を入り込ませた先例として、雪舟の天橋立図の話も出ました。雪舟の天橋立図は中国の西湖を描いた伝統的な山水の画題である西湖図の枠組みを天橋立に当てはめたもの。山下先生は実際にヘリコプターで飛んで天橋立を雪舟の作品のように見える場所から見たとのこと。

2013-02-18 00:47:18
Junji Yamada @JunjiYamada

孔雀の間は蝋燭の光で見ると良いと。立体感、量感が増し、孔雀の首はより迫出して見える。孔雀を描かせたら応挙が一番。足の部分は図鑑的な描写がされている。「墨は五彩を兼ねる」と言うが、この絵はまさにそうで、薄く塗ったところは下地の金が利用されているし、様々な色を感じることができる。

2013-02-18 00:48:24
Junji Yamada @JunjiYamada

応挙(1731~95)と同時代の絵師、伊藤若冲(1716~1800)、曾我蕭白(1730~81)、長沢芦雪(1754~99)との比較についての話も。彼らを見るときは若冲が一番早くに生まれ一番最後まで生きていたので、そこを基準に重ねて見ていくと良いと。

2013-02-18 00:50:04
Junji Yamada @JunjiYamada

若冲、蕭白、応挙、芦雪を見たときに、分かりやすい特徴を持った「奇想の画家」に比べると、応挙は一番分かりにくくなってしまっている。「写生」で語られるが、そう単純なことではない。写実ということであれば西洋の絵画が勝っているわけだし、と。

2013-02-18 00:51:18
Junji Yamada @JunjiYamada

最後に無量寺の芦雪についてなど。前回も触れられていたが、魚という字を亀甲形で囲んだ芦雪の落款について。氷の中に閉じ込められている魚を見て、応挙の弟子である自分に見立てたものだと。芦雪40代から落款の枠の右上が欠損しているが、それは氷が溶けた=師から自由になったことを意味している。

2013-02-18 00:53:45
Junji Yamada @JunjiYamada

無量寺の虎と龍の襖絵は30代のものでまだ落款の枠はすべて囲われている。 南紀という京都から遠く離れた土地で師匠の目も届かない場所だったことや、京都の絵師として、先生先生ともてなされ、芦雪は調子に乗ってたくさん描いていると。

2013-02-18 00:55:12
Junji Yamada @JunjiYamada

無量寺の襖絵の落款の部分には「平安」と書かれているが、これに限らず応挙も芦雪もよく名前の前に「平安」と書いている。これは地方の人からの依頼の場合に書かれたもの。平安=京都、京都の絵師が描きましたよ。という箔を付けるためのものだとか。

2013-02-18 00:56:22
Junji Yamada @JunjiYamada

《虎図》について。その頃の日本には虎がいなかったので、応挙は虎の毛皮だけは見たことがあるものの、応挙も芦雪も実際の虎の姿を見たことは無い。無量寺の芦雪の《虎図》の虎は大迫力だが、顔はどう見ても猫のよう、と。

2013-02-18 00:58:22
Junji Yamada @JunjiYamada

《虎図》の隣の襖には鶏が描かれているが、尾羽の跳ね上がりなど若冲の影響があるようにも見える。芦雪は「どうだ上手いだろう!」と言わんばかりの速い筆さばきで描くところがある。性格が悪いんですね、と。。早くに死んでいるが、一節には毒殺とも言われているとか。

2013-02-18 00:59:22
Junji Yamada @JunjiYamada

《虎図》の襖の裏側には水の中の魚を狙う猫の姿が描かれているが、この猫のポーズは表面の虎と同じポーズである。つまり表面のあの歪んでこちらに迫ってくる虎の姿は、裏面の水中の魚の目から見た猫の姿なのではないかと。このお話はとても興味深かった。

2013-02-18 01:01:18
Junji Yamada @JunjiYamada

ちなみに無量寺の《虎図》とその裏面の《薔薇に猫図》の画像などこのHPに出てます→http://t.co/NFvt9NJQ

2013-02-18 01:03:37
Junji Yamada @JunjiYamada

無量寺の襖絵、魚から見た猫の姿が、あの大きく歪んだ虎の姿であるということと、芦雪の落款が「氷の中の魚」であることがなんだか結びついてしまって、あの歪んだユーモラスな虎は芦雪から見た応挙なのではないかなどと勝手な想像を膨らませてしまいました。長々と連ツイ失礼しました。以上です。

2013-02-18 01:05:04
Junji Yamada @JunjiYamada

@akisato_ 先日はお疲れさまでした。虎を猫のように描いてしまう所と芦雪の応挙に対する横柄な態度の事を想像して勝手に重ねてしまいました。。。魚印を使っているとは。修行の身と言うことでしょうか。。

2013-02-19 00:08:22
佐藤晃子 @akisato_

@JunjiYamada 芦雪と応挙の関係を想像すると面白いですよね。魚の印の逸話も。ちなみに私が夫に作ってもらった魚印はこちらです。深い意味はなくて、ただの冗談なので、最初から欠損バージョンを作ってもらいました。 http://t.co/AL7WuItt

2013-02-19 23:37:14
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