実環境におけるガラスバッジや個人線量計による測定値の妥当性~サーベイメータとの比較

“放射線防護に用いられる線量概念” http://ccdb5fs.kek.jp/tiff/2012/1227/1227044.pdf (平山英夫 他,KEK Preprint 2012-44,January 2013) に記された,<ガラスバッジや個人線量計の測定値の妥当性の検討結果>の注目ポイントに関するツイートをまとめました. 続きを読む
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モニタリングポスト(Gy/h表示)やリアルタイム線量測定システム(Sv/h表示)との比較についての注意事項.これらを個人線量の推定に用いることはできません.

cwt @clear_wt

モニタリングポストは空気吸収線量率(単位:Gy/h)を測定するものであり,ここで述べられているサーベイメータ(1cm周辺線量当量をSv/hで表示)と明確に区別する必要があります. http://t.co/WenorfwUTe

2013-06-27 12:05:21
cwt @clear_wt

(リアルタイム線量測定システムは1cm周辺線量当量を表示しますが,モニタリングポストと同様,以下に述べる注意が必要です). http://t.co/HbMRSDWQf6

2013-06-27 12:05:39
cwt @clear_wt

しかし,モニタリングポストやリアルタイム線量測定システムはあくまでそれが設置された場所の測定値を表すものであり,個人の被ばく量推定のために用いることはできません(役割が違います). http://t.co/NuKkaINKMy

2013-06-27 12:06:08
cwt @clear_wt

この論文に示されたような形で個人線量測定値をサーベイメータと比較する(線量を推定する)ためには,<個人が長時間滞在する場所を><正確に校正されたエネルギー補償機能付きのサーベイメータで>測る必要があ.. http://t.co/BsemQt5fvJ

2013-06-27 12:06:24

@hyd3nekosuki さんが改めて説明してくださいました.

Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

https://t.co/6htrK0V506 でも示されていますが、"1cm周辺線量等量"を測定するように校正された空間線量計の測定値μSvは、飛び交っている放射線の外部被曝により人が実際に受ける"実効線量"よりも高めの値となります http://t.co/ZLwd90oa6J

2013-09-06 20:52:54
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Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

@hyd3nekosuki 人が実際に受ける実効線量の値は、①放射線のエネルギー、②どの向きから飛んでくるかにより変わりますが、例えばCs137から出る0.66MeVのガンマ線が四方八方から飛んでくる場合には、1cm周辺線量等量の測定値より実効線量は30%程度低くなる見込みです

2013-09-06 20:57:53
Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

地表面上にCs134,137が広く分布する場合、遠くから飛んでくるγ線の寄与も考えると、ROT照射条件に近くなります。 地中にCs134,137が浸透するようになると地中でγ線が散乱される効果も加わり、ISO照射条件に近づくようになります

2013-09-06 21:04:12
Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

@hyd3nekosuki このような条件下において、ガラスバッチや電子式個人線量計を人が胸部または腹部の前面に装着して使用した場合(ここ大事)、背中側から飛んできたγ線については人体に遮蔽されて装着した線量計に届くγ線の数は確かに減ることになりますが、(続く)

2013-09-06 21:07:27
Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

@hyd3nekosuki ガラスバッチ等の個人線量計でカウントされた放射線は、飛んできた放射線の向きによらず、「人の前面から飛んできた放射線」だと考えて1cm個人線量等量Hp(10)という値に測定値に換算されます。

2013-09-06 21:10:34
Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

@hyd3nekosuki http://t.co/wbpw1F9iVD 等で示されていますが、Cs134,137が地表に広く分布した場合に、人の胸部または腹部の前面に装着して使用された(ここ大事)個人線量計の測定値は、結果として、人が実際に受ける実効線量の値に近い値となります

2013-09-06 21:13:38
Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

ということで、Cs134,137が地表に広く分布している場合、人が装着して使用した(ここ大事)ガラスバッチ等の個人線量計の測定値は、1cm周辺線量等量を測定するように校正された空間線量計の測定値よりも、約30%程度低い値になります http://t.co/ZLwd90oa6J

2013-09-06 21:18:22
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長瀬ランダウアの壽藤氏のIsotope News 708, 90, (2013)の記事と今年6月のJRSMでの同氏の発表をもとにしたまとめ(実測データも参照しながらの説明となっています)

まとめ 周辺線量当量:H*(10)と、個人線量当量:Hp(10)って何のこと? ・必要な資料等がありましたら追加する予定です。 ・壽藤紀道氏 "今こそ復習!”主任者の基礎知識 第11回 様々な線量   http://www.jrias.or.jp/books/201304_SYUNINSYA_SUDO.pdf 18656 pv 252 11 users 1

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cwt @clear_wt

放射線計測勉強会part2での議論のための図の改訂版.実効線量と,他の測定量(個人線量,モニタリングポスト測定値,サーベイメータ測定値)間の関係をざっくりまとめたもの.倍率の数字や一部用語は厳密でないことに注意. http://t.co/hagJdWuckD

2013-09-18 18:59:21
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cwt @clear_wt

「ガラスバッジは過小評価ではないか?」という話については以下でまとめているので気になる人は読んでください ・放射線計測についての少し詳しい(長い)解説 goo.gl/wDCvkm

2015-01-20 11:11:24