木野龍逸氏「環境省発表の甲状腺検査の速報値に、深い意味はない」について斗ヶ沢秀俊氏との議論

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木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

ブログ更新しました。→環境省発表の甲状腺検査の速報値に、深い意味はない: キノリュウイチのblog http://t.co/1uAn2KF8o7

2013-03-10 14:03:31

斗ケ沢氏の批判

斗ヶ沢秀俊(4月からの職を探しています) @hidetoga

木野龍逸さん@kinoryuichiはきちんとした仕事をされているジャーナリストだと思っていますが、この記事は疑問です。→ BLOGOS環境省発表の甲状腺検査の速報値に、深い意味はない http://t.co/hP5ftdQjW1 以下に批判を。

2013-03-11 12:26:52
斗ヶ沢秀俊(4月からの職を探しています) @hidetoga

環境省の調査は、福島県の検査でA2判定(5mm以下の結節や2cm以下の嚢胞)だった子どもが35%(11年度調査、12年度は44%)に達して、保護者などの不安が募ったことを受けて、実施されました。甲状腺がんを念頭に置いた調査ではありません。

2013-03-11 12:35:11
斗ヶ沢秀俊(4月からの職を探しています) @hidetoga

環境省の調査結果は、「A2判定レベルの結節、嚢胞は、どこの地域でもある程度の割合で子どもたちの甲状腺に存在する」こと、すなわち「4割の子どもがA2判定というのは原発事故の放射線影響ではない」ことを示したのです。@kinoryuichi

2013-03-11 12:41:20
斗ヶ沢秀俊(4月からの職を探しています) @hidetoga

福島県の3人に見つかった甲状腺がんが放射線影響に起因するかどうかは、この調査とは別の話です。仮にこの調査で二次検査をしたとしても、何も結論は出ません。4300人ほどの調査では、甲状腺がんが見つからない確率が低く(見つかってもごく少数)、比較の意味がない。@kinoryuichi

2013-03-11 12:46:44
斗ヶ沢秀俊(4月からの職を探しています) @hidetoga

木野さんが、環境省の調査が甲状腺がんの分析に役立たないからといって、「環境省発表の甲状腺検査の速報値に、深い意味はない」と主張するのは、的を外しています。「結節、嚢胞の保有率が特殊ではない」ことが示されたのは、福島県の方々にとって大きな意味があります。@kinoryuichi

2013-03-11 12:49:58
斗ヶ沢秀俊(4月からの職を探しています) @hidetoga

木野さんは岡山大学の津田敏秀教授のインタビューhttp://t.co/sxArchInyk の「珍しい病気が3例見つかると多発」との見解を引用していますが、「100万人に1人か2人」という発生率は、スクリーニングしていない時のデータ。@kinoryuichi

2013-03-11 12:58:06
斗ヶ沢秀俊(4月からの職を探しています) @hidetoga

それと福島県で実施されているスクリーニングでの発見率を比べることに意味はないことは、少し考えると分かることです。甲状腺がんと事故に伴う放射線影響との因果関係の有無は、2巡目以降の検査(事故4年目以降)で甲状腺がんが増えるかどうかで確認されます。@kinoryuichi

2013-03-11 13:02:16
斗ヶ沢秀俊(4月からの職を探しています) @hidetoga

以上、木野龍逸さんの「環境省発表の甲状腺検査の速報値に、深い意味はない」との主張に対する私の考えを述べました。@kinoryuichi

2013-03-11 13:04:42

木野氏の回答

木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

環境省の調査は、「「A2判定レベルの結節、嚢胞は、どこの地域でもある程度の割合で子どもたちの甲状腺に存在する」こと、すなわち「4割の子どもがA2判定というのは原発事故の放射線影響ではない」ことを示した」のだと思います。ただ−−− @hidetoga

2013-03-11 16:01:23
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

続)その結果が「だから(甲状腺がんは)放射線の影響はでない」という結論までいってしまうと飛躍しすぎになるし、環境省もそこまでの意味付けはしていないので、だとしたらあまり意味のない安心を印象づけるだけの調査に意味を見出すのは難しいかなという、そのような主旨の記事でした。

2013-03-11 16:03:28
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

続2)ただし、この約4300人の調査を継続しても甲状腺がんが見つからない確率が低くて比較の意味がないというのは、少し違和感を覚えます。確かに今回の調査対象の年齢層が福島の調査と違う場合は、比較対象になりません。指摘しかったのは、それも含めてもともとの設計がおかしいということです。

2013-03-11 16:06:03
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

続3)対象調査をするなら、対象者の数、年齢層を含めてある程度揃えないといけません。今回の速報ではその詳細も明らかになっておらず、また対象者の年齢層が福島より高い可能性もあり、そうした意味で比較は難しいといえます。一方で求められていることの本質は、甲状腺がんの対象調査です。

2013-03-11 16:08:29
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

続4)であれば、調査設計の段階でそこまでを考慮すべきであり、診察項目としても一部でしかない甲状腺エコーでの大きさだけを結果として抽出するのは、恣意的な印象も受けます。本来甲状腺がんの診察は、エコーに血液検査や細胞診などを組み合わせて良悪性を判断するからです。

2013-03-11 16:10:23
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

続5)そこまでしてはじめて、調査に意味が出てくると思います。環境省は、甲状腺がんの数が増える前に設計したので詳細検査の結果までは含まなかったといいますが、対象調査にもならないようなことをなぜやったのか、疑問が残ります。とはいいつつ−−−

2013-03-11 16:13:24
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

続6)安心を説明するなら、環境省の調査結果にもあまり意味が無いということを説明し、同じように福島の調査も、嚢胞と結節を混在させた大きさだけでは判断できないということはいえるのかなと思います。というと、なんだかわかりにくいですね。。。

2013-03-11 16:15:03
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

続7)ところでスクリーニングの有無で発生率が変わるかどうかですが、有病率まで考慮すれば、スクリーニングの有無は無視できます。津田教授が引用しているポワソン分布は、そうした性格のものです。一定期間にある事象が起こる回数のばらつきで確立を見ているので「期間(=有病期間)」を変えると−

2013-03-11 16:19:33
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

続8)結果に幅をもたせることができます。スクリーニングをしたから見つかったという場合、この有病期間にあったということになります。アワプラの記事で有病期間を7年、10年に設定しているのはそのためです。それでも有為に多発であることがわかるというのが、津田教授の認識です。

2013-03-11 16:22:07
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

続9)問題は、3人が確定していることだと思います。この3人は、手術をした以上は発症したと見ることもできます。この場合、1年で3人が発症ということになり、有病期間は考慮されません。一方で、仮にスクリーニングで見つかったとしても有病率を考慮すれば確率計算は可能です。

2013-03-11 16:35:20
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

続10)なので、現時点で多発という津田教授の見解を、僕は支持しています。疑いの7人に関しても、擬似陽性が10%と考えると9割の確率で悪性の可能性があります。また擬似陰性が10%と考えると、二次検査を受けた方々のうち今回は陰性だった人から10%の確率で発症するという見方もできます。

2013-03-11 16:37:57
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

続11)不安を煽るつもりは毛頭ありませんが、現実は楽観できるものとはいえないのかなあと思います。2年前の福島第一原発事故の発生時と同じで、最悪の事態を考えながら、先回りした次の手を打っていく必要があるのではないでしょうか。予防原則は、そういうものだと思います。

2013-03-11 16:40:23