ある在日コリアンの徒労感

大阪で「友だち守る団」活動中の@geillrim さんの呟きをまとめました。 露骨な排外主義デモがもしなくなっても、日常には依然として無知・無理解が横たわっていて、排外主義デモを駆逐して万歳!では終わらないことを、改めて考えさせられます。
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凛 七星   @geillrim

続6 その理由をつきとめようと懸命に努力するが原因不明なまま「犬のように」殺されるのだ。外部の秩序の不可解さ、いかがわしさを十分わきまえつつ、同様に不可解なくらい従順さをもって秩序の中に入れてもらうことを切望しながら。また『城』という作品では、主人公が無意味に厖大な官僚機構の中を

2013-03-13 15:53:06
凛 七星   @geillrim

続7 絶え間なく「たらいまわし」され、ついには目的を果たせない。すでに朝鮮学校での個人的な背景から経験したものから、少年には似つかわしくないニヒリズムを帯びていたわたしだったが、初めてカフカの小説を読んだときは、自分の未来が的確に示されているようで、激しい眩暈と嘔吐感に襲われた。

2013-03-13 16:00:25
凛 七星   @geillrim

続8 話を『審判』についてもどそう。この作品は「誰かがヨーゼフ・Kを誹謗したにちがいなかった。なぜなら、何も悪いことをしてなかったのに、ある朝、逮捕されたからである」で始まる。主人公は自分にいったい何の罪があるのかと、断罪した(ようにおもわれる!)裁判所がどのようなものか探ろうと

2013-03-13 16:15:44
凛 七星   @geillrim

続9 するのだが、真相は全くわからないのだ。それなのに事態はますます紛糾し、不可解さばかりが増していく。だが一方で肝心の裁判所自体は遠い手の届かないところで姿を隠しているという状況になる。いっさいが謎に包まれる中で主人公は不合理とバカバカしさに苛立って、外部に向かって攻撃的態度を

2013-03-13 16:23:14
凛 七星   @geillrim

続10 取ってしまうが、やがて複雑怪奇な裁判機構の抜け穴を見つけて、なんとか自己弁護と自己防衛の手段を講じようとする。ほとんど絶望的な闘いと知りつつ。自分にとって何の救いにもならないのに。自分が立っている「場所」では無罪宣告にたどり着く道は見当たらないのに、である。まさに、いまの

2013-03-13 16:33:41
凛 七星   @geillrim

続11 在特会らの差別デモ・ヘイト街宣にカウンター行動をしかける『友だち守る団』なんぞをしている自分の姿のようである。また、そういったカウンター行動をするグループには、誰にとっても自明のはずだとおもうことが、実は大きな間違いで、その意味は実にあやふやな疑わしいものであるという話に

2013-03-13 16:41:09
凛 七星   @geillrim

続12 当惑と怒りを持つ者も出てくるところが、また小説『審判』に通ずるものがある。自分が正しいと信じていたことが、このうえなく疑わしいとなったら、ひとは何を信じたらよいのか戸惑い怒る。もはや信じること自体が、すでに間違っているかのようである。しかし、だ。もし答えが簡単に出るのなら

2013-03-13 16:46:59
凛 七星   @geillrim

続13 『審判』の主人公と同じく、こんなにムダのようにおもえる努力をくり返す必要もない。ただ「生きる」ことが「動く」ことであるなら、わたしはそれを分けることができないのだ。生きる=動くことを放棄してニヒリズムに浸るだけの逃避だったり、「悟り」の境地に自己浄化することよりも、到達が

2013-03-13 16:59:08
凛 七星   @geillrim

続14 できないであろうとも目的を意識しつつ、動くという行為で一歩でも半歩でもいいから目的に近づけれるのではないかという選択をしたワケである。しかし、それは両刃の剣であって、動く側と動かせた側の両方を深く斬り、えぐるものである以上、ともに傷つくことは避けられないのだろうとおもう。

2013-03-13 17:10:03
凛 七星   @geillrim

続15 なんなのだろう。この不毛さは。たとえば玉葱だったら、めんどくさくとも皮を一枚一枚と剥いでいけば、くり返すことで分離不能な芯にまで到達できるものなのだが、在日コリアンを取り巻く状況については生きている限り、ほとんど無限に問題が増殖して、また新たな皮をかぶってしまうような気に

2013-03-13 17:19:38
凛 七星   @geillrim

続16 なってしまう。たいていの人間の日常が底の抜けたバケツみたいなもので、生きることは水を汲みつづける反復動作のようなものでも、ひとは自らそれを認めようとはしないものだ。なぜなら、それを意識してしまったら、途端に無気味な不安がこころを蔽い、にっちもさっちもいかなくなってしまう。

2013-03-13 17:28:21
凛 七星   @geillrim

続17しかし在日コリアンの多くは、いつも日本社会から不毛な行為と無気味な不安を押しつけられているのが、いま現在でも現実なのである。まるでカフカの小説のように矛盾や不条理に満ち、それゆえ強迫神経症的になって蝕まれる毎日が、超現実ではなくリアリティとして生きていかなければならない。終

2013-03-13 17:36:24
凛 七星   @geillrim

もう少し、さらりとつぶやくつもりが17も続けるほど長くなってしまったわww すみませんね。最後まで読んでくれた方々に感謝っ!

2013-03-13 17:42:55
凛 七星   @geillrim

うむ、最近ちょっとマジメに語ることが度々あって、オレのアカウントの色合いが大幅に初期とは変わってしまい、最初のころの競艇仲間にはえらいこと迷惑になっちゃってるだろうなぁ。どうも、すみませんです!

2013-03-13 17:47:00
凛 七星   @geillrim

不毛な疲れを冷めた紅茶で癒している。あぁ、なんという午後であろう。笑

2013-03-13 17:56:19