仮面ライダーW Rの脅威/帰って来てくれ仮面ライダー 『チャプター4・Iは死すべし/はじめての共同作業』

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イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「分かったよ竜くん! あたし頑張る! はじめての共同作業、絶対成功させてみせるから!」 「あ、あぁ。頼んだぞ、所長」  彼女が何を考えているのかは敢えて放って置き、アクセルは嫌味に高笑いをする伊刈の方へと向き直った。25 #WR

2013-03-28 22:39:18
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「待たせたな、漫画家」 「おほっ、待ちくたびれたぜ。話し合いは終わったかい」 「あぁ。次で決めてやる。お前の、ゴールをな」 「ごぉるぅ? 決まるのはどっちのゴールかな、っとォ」26 #WR

2013-03-28 22:41:32
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「所長ォ! 今だッ!」 「お、お、オッケ!」  アクセルに促され、トライアルのスイッチを押しこむ亜樹子。二つの異形は再び超加速の世界へと姿を消した。27 #WR

2013-03-28 22:42:51
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 もう時間の猶予はない。エンジンブレードを握り締め伊刈の隙を窺うが、そう言った時に限って、隙らしい隙が見当たらない。苛立ちがミスを誘い、アクセルをさらに窮地に追い込む。たった7秒と言う時間が、10分にも20分にも感じられた。28 #WR

2013-03-28 22:44:43
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「にへへ、こいつで終わりだッ、ポリスメン!」  その苛立ちが決定的なミスを生じさせる。エンジンブレードを空振りした瞬間を狙い、背を向けたアクセルの頭上に、伊刈のクナイが飛んだのだ。29 #WR

2013-03-28 22:46:12
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 変身し携行しているとはいえ、エンジンブレードの重量は相当なもの。体勢を立て直すには時間が無い。もうダメかと目を背けかけたその時!30 #WR

2013-03-28 22:47:50
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 ――俺、たまんねー! 俺、たまんねー! 「この声は……どこだ、どこだ!」  これはどうしたことだろう。軽薄そうな男の声が伊刈の耳に届いた瞬間、彼は激昂し顔を引き攣らせ、アクセルを無視して声のする方に顔を向けたのだ。何故そうなったかは知らないが、間違いなく勝機だ。31 #WR

2013-03-28 22:50:25
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「今……だッ! くらえッ」 [エンジン!][マキシマムドライブ!] 32 #WR

2013-03-28 22:50:50
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 アクセルはエンジンブレードを伊刈の右太腿に突き刺し、同時にエンジンのギジメモリをブレードに差し込んで発動。ギジメモリの力で突進力を強化されたエンジンブレードは、強烈な排気熱と蒸気を発し、外殻を含めた彼の右足を”振り切った”。33 #WR

2013-03-28 22:51:06
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

[トライアル!][マキシマムドライブ!]  同時にトライアルの超加速が中断される。亜樹子がタイミングを計りスイッチを切ったのだ。34 #WR

2013-03-28 22:52:33
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「所長、今のタイムは!」 「ろ……、6.7秒だよ竜くん!」 「ならば一緒に決めるぞ、所長」 「うん!」  ――6.7秒。それがお前の絶望までの……タイムだッ。  二人は力なく倒れ込む伊刈を挟み込むようにして向かい合い、二人で大見得の決め台詞を決め、彼に背を向けた。35 #WR

2013-03-28 22:53:37
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「うぅ……う! この、この……ッ! リア充共がァアアアアアアアッ!」  タイミング通りに爆発するところがまた憎らしい。伊刈は爆発と共にメモリを排出し、生気の抜け切った顔で床に突っ伏した。36 #WR

2013-03-28 22:54:41
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「竜くん、伊刈は……」 「生きている。自分の力で立ち上がれそうにはないがな、さて……」  アクセルはドライバーからメモリを抜いて変身を解除すると、苦痛に顔を歪ませ横たわる伊刈に声をかける。37 #WR

2013-03-28 22:56:04
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「……伊刈透《いかりとおる》だとか言ったな。お前の漫画、風都署に配属された際の調書整理で読ませてもらった。反社会的だが、なかなか楽しませてもらった」 「……だから、何だってんだよ」38 #WR

2013-03-28 22:56:57
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「お前の行き先を変えよう。お前のゴールは警察病院でも刑務所でもない。漫画家となってデビューし、俺を再び漫画で納得させてみろ。それがお前のゴールだ」 「……」  照井の言葉に伊刈は何も答えない。その表情には怒りも哀しみもなく、俯き、ただぶつぶつと唸っているだけであった。39 #WR

2013-03-28 22:58:35
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 降り出した雪が彼の体を白く包んで行く。伊刈を警察病院へと連れて行くよう電話で指示した照井は、目に一杯の涙を溜め、自分を待つ亜樹子の前に立った。40 #WR

2013-03-28 22:59:37
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「竜くん! 竜君竜君竜くぅぅぅぅん!」 「……動き辛いから離してくれ。それよりも……さっきの声は何だったんだ?」 「う、うん。それはねぇ……ごしょーかいします。じゃじゃーん」  照井の問いに亜樹子は自分の周りを可愛らしく跳ね回る、小さなカエル型のガジェットを指差した。41 #WR

2013-03-28 23:01:09
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「仮面ライダー七つ道具の一つ・フロッグポットだよん。あたしの声を加工してあいつに聞かせたってワケ。竜くんは知らなかったかもしれないけど、あいつヘヴンズ・トルネードの弾悟君のことが大嫌いだったから、さ」42 #WR

2013-03-28 23:02:20
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 弾悟とは誰だ? と首を傾げるも、どうでもいいかと流す。「なんだかよく分からんが、また君に助けられたな。ありがとう所長」 「い、いやぁー。お礼なんていいよぉ、お礼なんてェさァ」43 #WR

2013-03-28 23:03:35
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 ――いや、なんでここで離しちゃうのよあたし。チャンスじゃん。キスとかその他の大チャンスじゃん。ここで頑張らないでいつ頑張るってのよあたし!44 #WR

2013-03-28 23:05:13
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 結論は決まった。  亜樹子は唇を突き出し、目を閉じてじりじりと照井の元へと迫る。  あわよくば、照井がこちらを向いたその瞬間にキスを迫る魂胆だろう。45 #WR

2013-03-28 23:06:27
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 5歩、4歩、3歩、2歩、1歩。徐々に照井との間を詰める。辛抱堪らなくなり、亜樹子は顔を突き上げ、彼の唇を狙うのだが――。 「あ、おぉお……おぐっ!」 「さて、急いで左の援護を……っと、どうした? 亜樹子」46 #WR

2013-03-28 23:07:54
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 自分が放したフロッグポットに躓《つまづ》き、照井ではなく地面にキスする羽目になってしまった。  ――あはは、俺たまんねー! 俺たまんねー! 「うるさいわっ!」47 #WR

2013-03-28 23:09:58
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

『Iは死すべし/はじめての共同作業』終わり 「砕け散れH/必殺ツインマキシマム」に続く #WR

2013-03-28 23:11:12