漫画家の田中ユタカ氏が語る、少年マンガのキーワード(仮題)

あくまでも仮題ということで。創作関連を志している人なら何かの示唆になると思い、まとめました。
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田中ユタカ@愛ある漫画 @tanakayutak

“少年マンガのキーワードは「くやしさ」です。主人公は「くやしさ」を動機として、何者かになることを求めます。無力、弱さ、未熟、未熟ゆえの過ち。自分の「幼さ」がくやしい。そんな経験が少年を旅立たせます”思わず「中二ゴコロ」を熱くさせる作品 http://t.co/wF07ozLqPB

2013-04-18 23:50:47
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田中ユタカ@愛ある漫画 @tanakayutak

「少年マンガ」的物語、とりわけティーンの物語は「悔しさ」が大きな意味を持ちます。自らの未熟さ、子どもであるがゆえの無力さへの悔しさが、主人公の少年に何かを始めさせます。もう幼い子どもではない「少年」の物語が始まります。

2013-04-18 23:56:06
田中ユタカ@愛ある漫画 @tanakayutak

未熟で無力なくやしい少年は「ロボット」に乗ります。立ち向かうべき「敵」は圧倒的な世の中の理不尽。「遊星爆弾」…「ジオン軍のザク」…「使途」…。

2013-04-19 00:13:47
田中ユタカ@愛ある漫画 @tanakayutak

『エヴァンゲリオン』の使途、正体不明で圧倒的で理不尽な怖い敵。「少年の物語」の恐怖の対象として非常に強烈なイメージだと感じます。 使途、怖いですもんねえ。

2013-04-19 00:19:54
田中ユタカ@愛ある漫画 @tanakayutak

壁の向こうから現れて自分たちの世界を侵す巨人。恐怖と無力感とくやしさ。先日TVでアニメで第1話を観た『進撃の巨人』の世界観は、「少年の物語」の原初的な絵解きのようだと、僕は感じました。

2013-04-19 00:26:52
田中ユタカ@愛ある漫画 @tanakayutak

娯楽作品に「くやしさ」は欠かすことの出来ないものです。キャラクターを突き動かすエンジンとなる願望は、単に「こうなったらいいな」では強さを欠きます。達成された時、読者が思わず拳を握リしめるためには「くやしさ」の重要です。 読者にとって根源的な「秘められたくやしさ」とは何か?

2013-04-19 00:34:58
田中ユタカ@愛ある漫画 @tanakayutak

ティーンエイジャーの最も切実な課題は、自分の周囲に在ることを感じ始めた「現実」、この正体不明で理不尽な「世の中」と自分はどう戦うか?どうそこに参加できるのか?にあります。 だから、切実に知りたいのは、自分とは何者か?自分は何が出来るのか?自分は誰と出会うのか?

2013-04-19 01:08:38
田中ユタカ@愛ある漫画 @tanakayutak

そうであれば、「大人」や「世の中」をどのように描くかが、ティーンの作品において重要な課題になるといえます。

2013-04-19 01:32:11
田中ユタカ@愛ある漫画 @tanakayutak

「大人の不在」「大人への不信」「ダメな大人」などを、今さらいくら描いても、新しい作品として説得力をもって機能しないと考えます。そんなこと少年はもうわかっています。大人も同じ人間、社会は不完全。その上で、そこからどんな人間観、世界観を語ることができるかが大切だと考えます。

2013-04-19 01:55:08
田中ユタカ@愛ある漫画 @tanakayutak

「大人」の描き方が、子どものための物語とティーンのための物語を分かつポイントになるかも知れないですね。 パパもママもおじさんもおばさんも、本当はみんな「人間」だったんだ。

2013-04-19 02:09:36
田中ユタカ@愛ある漫画 @tanakayutak

いつの時代も、大人や社会の「正体」を明かしてくれる作品はティーンを引き付けます。それはとても切実な問いだから。

2013-04-19 02:10:07
田中ユタカ@愛ある漫画 @tanakayutak

かつて『ガンダム』や『エヴァンゲリオン』を、人生の答えを求める真剣さで、息を詰めて観た人はきっと多いだろうと想います。 今もまた、そんな「少年」たちがたくさんいるのだろうと想像します。 少年時代にフィクションに夢中になるのは、暇つぶしの遊びではないんですよね。

2013-04-19 02:28:52

そしてフォローワーとの感想などのやり取り

予感 @karasuz

@tanakayutak この世界観には頼れる大人がいない。本音を吐露するだけ良心的なのかもしれないが。

2013-04-19 00:32:43
田中ユタカ@愛ある漫画 @tanakayutak

@karasuz 「大人」や「社会」をどのように捉えるのかは、少年向け作品にとっては常に大きなテーマですね。

2013-04-19 01:09:48
予感 @karasuz

@tanakayutak そういう意味で未だに自分が少年だから苦笑するしかないです。。

2013-04-19 01:13:56
飯島優希 @yuukiero

@tanakayutak ヤマトの例で言うと、今の日本が悔しくも、放射能汚染の国になってしまったっていうのが大きいと思いますね。 なので世界中からエネルギー供給を受けた末、地球の日本から飛び立つヤマトは、復興への希望のシンボルに見えますね。旧作ではなかったことです。

2013-04-19 00:40:52
田中ユタカ@愛ある漫画 @tanakayutak

@yuukiero 同じ話でも観る側の体験によって感じるイメージが変化するのはとても面白いですね。「汚染」も「全世界からの電力供給」も「瓦礫からの飛翔」も全て初代通りなのですが、特に初代に馴染んでいない現在の若い視聴者などには、今のために作られた話に感じれるかも知れないですね。

2013-04-19 01:18:22
飯島優希 @yuukiero

@tanakayutak 新作ではちょっと扱えない素材じゃないかと思います。この状況下でアニメで「放射能」なんて・・・ 「ヤマト」の「リメイク」だからこそできたし、今の時代にぴったり合ったんだと思いますね。

2013-04-19 01:36:54
元・音楽堂書店のアカウント @ongakudousyoten

@tanakayutak 富野監督のガンダムなどは、少年に対峙する大人というものを、常に意識させるものでした。

2013-04-19 01:55:31
田中ユタカ@愛ある漫画 @tanakayutak

@ongakudousyoten ヤマトには沖田艦長がいたのに、ホワイトベースではブライトさんになったことに時代の変化を感じます。『エヴァンゲリオン』のミサトさんのTVシリーズから新劇場版も含めて変遷に深い苦闘を感じます。

2013-04-19 02:00:26
元・音楽堂書店のアカウント @ongakudousyoten

@tanakayutak 初代ガンダムですと、当初の艦長を継続させる事も可能でしたね。でも、敢えてそうしなかった、というのが後の若者たちのドラマを生みましたね。ブライト艦長の役割がまた大きかったですね。

2013-04-19 02:07:55
田中ユタカ@愛ある漫画 @tanakayutak

@ongakudousyoten ブライトの不安や苛立ちに共感できるようになったのは、自分が大人になってからでした。

2013-04-19 02:11:14
元・音楽堂書店のアカウント @ongakudousyoten

@tanakayutak 実際、現実の目線で観ると、憧れのキャラは、シャアやアムロではなく、ブライトさんだ、と思いますね(苦笑)。会社でも「頼れる理想の上司」に∧∧;

2013-04-19 02:31:46