機構学たんの機構学その4『機構のしくみ』
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機構って言うのが複数の部品から構成されている物だって言うのは,もう過去の話を聞いてる人は知ってるよね.その機構を構成する一つ一つの部品を,『機素』って言う名前で呼ぶんだ.
2013-05-17 21:14:39ここで注意しなければいけないのが,この機素って言うのは,物理的に分解可能である最小単位とは異なるって言う事なんだ.例えば,歯車と軸とが固定されていたとしたら,この歯車と軸とは一つの機素として扱うんだ.ここがちょっと面倒かな?
2013-05-17 21:17:33その機素の中でも幾つか種別があって,運動を入力する機素を『原動節』,運動を伝達する機素を『中間節』,そして運動を出力する機素は『従動節』って言うよ.時々固定されて全く動かない! なんて言う機素もあるんだけど,それはそのまま『固定節』って名前が付いてるね.
2013-05-17 21:21:55そして,その機素が隣り合っていて,互いに接触を保ちながら相対運動をする様に連結されている部分を,『対偶』と呼ぶんだ.人間で言う所の関節に当たる部分だね.
2013-05-17 21:24:44まず,引き戸みたいに一直線上を行ったり来たりしか出来ない対偶,これを『滑り対偶』または『進み対偶』と呼ぶよ.
2013-05-17 21:29:50次に,何かの軸みたいにしてくるくる回るけど,これしか出来ない物は『回り対偶』って言うね.これにさっきの滑り対偶が加わって,シャーペンと芯みたいな関係になると,今度は『円筒対偶』って言う名前になるんだ.
2013-05-17 21:31:48そして,これは正直ねじとしか言えないんだけど,ねじの噛み合いで行ったり来たりの対偶はそのままズバリ『ねじ対偶』.一応『らせん対偶』って別名もあるけど,結局ねじなんだしねじ対偶で覚えた方が覚えやすいよね.
2013-05-17 21:33:28プラモデルとかドールとか作る人は想像しやすいんだけど,球体関節とかボール状の車輪については『球面対偶』って言うよ.
2013-05-17 21:37:06後は,ユニバーサルジョイントって言って分かるかな…….クルマのドライブシャフトとかに使われてる部品なんだけど,これは『自在継手』.……いや,和訳しただけやーんって思いたくもなるけど,偉い人がそう決めちゃったからスルーで.
2013-05-17 21:41:57ここまで,ひーふーみーよー……7つか.この7つの特徴として,いずれも『面同士が接触している』と言う事が挙げられるね.こういった対偶は『低次対偶』って言うカテゴリに分類されるよ.
2013-05-17 21:45:34一方,机の上に乾電池を寝かせて置いた時みたいに,線で接触している場合は『線対偶』.ボールを置いたら『点対偶』にそれぞれなるんだ.この2つはさっきの低次対偶に対して『高次対偶』って言われてるよ.
2013-05-17 21:47:29ただ,この高次対偶の欠点として,接触面が小さいせいで接触圧力も大きくなっちゃって,摩耗しやすいって言う事があるね.でっかい力を伝えたりするのにすぐヘタれちゃ困るから,機構はなるべく低次対偶で構成するのが大切なんだ.
2013-05-17 21:49:03携帯電話の開閉機構だけど,折り畳み式のが回り対偶なのに対して,スライド式のは滑り対偶なんだ.ねじ対偶の例としては,ペットボトルの蓋があるね.
2013-05-17 21:55:46球面対偶については,時々ジョイスティックがこの構造を採用している事があるよ.手元にアナログスティックのあるコントローラや,フライトシミュレーター用のスティックがあったらレッツ分解! ただし自己責任で.
2013-05-17 22:01:05でもって,自在継手なんだけど……これはホームセンターに行って,レンチのアダプタを見て貰うのが一番手っ取り早いかな.店員さんに訊いてみれば一発だと思うよ.
2013-05-17 22:04:02