遠藤先生の講義 郡山勉強会

「外部被曝の計測と評価値への換算は奥が深い」という話 講義のスライドをお読みください。 http://www.slideshare.net/tomohiroendo315/20130518-endo-rev0 続きを読む
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「放射線検出器の測定値について」

名古屋大学 遠藤先生

Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

昨日(2013/05/18土)、郡山市福祉センターで使用致しました発表資料pdfをアップロード致しました。誤記等にお気づきになられましたらコメント頂けますと幸甚です。 @slideshare http://t.co/d0x2fH4ndM

2013-05-19 23:25:12

1、本題に入る前に
遠藤先生は、30代前半に見える痩せた学生さんのような先生でした。
ご専門は、「臨界安全」 
今回の事故については、この専門の一員として、申し訳ないという気持ちが強く、「何かできないだろうか?」と考えつづけておられるそうです。

リーフレイン @leaf_parsley

質問1 内部被曝と外部被曝 どちらが理解しやすい量でしょうか? http://t.co/Cuby53QpvL

2013-05-22 16:33:21
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質問1
内部被曝と外部被曝 どちらが理解しやすい量でしょうか?
まず、会場に尋ねられたご質問でした。
改めて問われると非常に迷うところです。会場でも割れていたように思います。

質問2
実用量 防護量 
☆2つの量があることを知っていますか?
(会場の反応は半々ぐらいかな?) 

→答えはスライド30

(まとめ人より)
防護量とは、外部被ばく線量を身体諸臓器について、コンピュータを用いる計算機手法で求めた実測不可能な値です。
(臓器等価線量、実効線量)

実用量とは、この「防護量」を測定器で安全側に測定するための値で、実測に係数を与えて求めます。
(1㎝周辺線量当量、1㎝個人線量当量)
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=09-04-01-19


http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/09/09040119/01.gif

☆放射線防護管理上、どちらのほうが保守的(安全側の)量だと思いますか?
(会場の反応は、防御量のほうが多かったような気がします)

答えは、実用量のほうが安全側の値になります。(値が大きい)

(まとめ人)
実はこの質問は、半年以上前に遠藤先生から受けたような記憶があります。
その時の自分は、あっさり間違って「防護量」←実効線量 のほうが防御的だと思っていました。

リーフレイン @leaf_parsley

質問3 モニタリングポストの1μグレイは? http://t.co/TndlYdoK0X

2013-05-22 16:35:09
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質問3
モニタリングポストで測定された1μグレイは、シーベルトに換算すると何μシーベルト?

この質問の答えは割れました。

μシーベルトがどの単位なのか?という疑問が、、、、
実効線量も、1㎝周辺線量当量も、全部シーベルトなので、、
1μグレイは実効線量の1μシーベルトよりは大きい、意見が大勢だったように思います。

放射線とその単位(この辺は暫くスライドで)
放射線とは
放射線の透過力
放射線に関わる単位
ベクレル
吸収線量
カーマ(最初に電荷をもたない放射線が電離作用によって生じたエネルギー)
等価線量
放射線の種類による影響の違い
実効線量
人体の臓器。組織による影響の違い
放射線検知器の測定値
γ線の空間線量測定で用いられる検出器の例

空間線量率の測定イメージ

ここが一番大事なページでした。
検出器は検出器と反応を起こした放射線の数を測る
放射線の数から人間が知りたい値に翻訳する
物理量:空気吸収線量率(μGy/h)
放射線防護の実用量:場所1㎝周辺線量当量率(μSv/h)

外部被曝の測定がやっていることは、基本的にはγ線のカウントであり、グレイはその機械が〆ていた空間の空気吸収線量率です。 それになんらかの係数を掛けて、それぞれのシーベルト値を出してます。

一宮先生「実効線量も1㎝周辺線量当量もどっちも計測値ではなくて推定値なんだから」

遠藤先生「そのとおりなんです。そこが中々伝わらない」

再び暫くスライドを
「率」について
空気吸収線量
ただし、人は空気ではない
人体組織におけるγ線の減衰・吸収
人はまんまるでもなく、構造が複雑
人体内の臓器と放射線荷重係数
放射線の向きによる実効線量の違い
(正面のほうが横より影響が大きい)
放射線検知器の場合

リーフレイン @leaf_parsley

場所の実用量・周辺線量当量のイメージ http://t.co/I3EBKCFhRa

2013-05-22 16:37:24
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AP(正面)照射の実効線量は、他の照射パターンよりも高い。 現在の照射は面線源からで、ROTとISOの中間ぐらい。

リーフレイン @leaf_parsley

ROTおよびISO照射条件時における1㎝個人線量等量と実効線量の比較 http://t.co/lcWNJgLgZU

2013-05-22 16:43:39
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会場の議論は、モニタリングポストの表示値が1㎝線量当量であるべきか、空気吸収線量率であるべきか?という議論が白熱していました。

「周辺線量当量はあくまで計画のためにある数値」

「一般人がSv=実効線量と思い込んでいて、指標として実効線量のSvを欲しがっているのが混乱のもとになっている」

「1㎝周辺線量当量と空気吸収線量率と実効線量の関係は
1.2:1:1付近であるため、1㎝周辺線量当量でSvを表示すると若干の過大評価が起きるのではないか? 少しでも現地のプレシャーを下げるためにも、実効線量表示でいいのでは?」

「1:1.2の差は、実効線量という推定値の中では誤差に過ぎないので、そこは拘る必要はない」

「防護計画は1㎝周辺線量当量ベースでいいのじゃないか?」

「過去のモニタリングポストの表示はGy/hなんだから表示は継続性を重視してグレイでいいのでは?」

等々、

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