#進撃の巨人 科学考証風２（城塞都市の壁）

Salah Rieman @cosycube

００ #進撃の巨人 #壁 によって人類は巨人の侵入を防いでいる。この壁には秘密があるようだが、現実に作ったと考えるため、花崗岩などの普通の岩だとしよう。そもそも、初期にはそういう素材だったはずである。先の考証でも巨人には特別性を仮定していない以上、それが公平でもある。～続く

Salah Rieman @cosycube

#進撃の巨人 #壁 （承前０１）壁は高さ50m、厚さ10mとされている。古代からの城壁と比べても、強度的に充分であろう。ただ、それは人類同士の戦争においてであって、巨人に対しては一から考察し直しておいた方がいいだろう。ここでも、普通の人間の10倍の巨人をモデルとしてみる。～続く

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#進撃の巨人 #壁 （承前０２）10倍巨人は想像しにくい。そこで、壁の方を縮小して人間サイズにしてみよう。1/10倍とすれば高さ5m、厚さ1mである。とてもではないが、素手の人間では破れまい。たとえ百人集まっても、何らかの道具を使わねば、一か所に力を集中できまい。頑丈だ。～続く

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#進撃の巨人 #壁 （承前０３）高さ5m、厚さ1mなら近代で大砲が現れるまでは破壊不可能であろう。素手の人間、実際には巨人相手に絶対安全になるはずだ。だが、本当にそうだろうか？何か見落としてはいないだろうか？壁に人類の存亡がかかっている以上、判断は慎重であるべきだ。～続く

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#進撃の巨人 #壁 （承前０４）問題は材質の強度なのである。古代エジプトのピラミッドで、工法が最終的に完成された後は四角錐形になっている。ミニチュアなら柔らかい、脆い素材で簡単に作れる。しかし稜線が直線の四角錘ではなく、上に行く程曲線的にすぼんでいるピラミッドがある。～続く

Salah Rieman @cosycube

#進撃の巨人 #壁 （承前０５）これは強度不足のため、あくまでも稜線が真っ直ぐになるよう岩を積むと、重みで最下部の岩から崩れそうになり、やむを得ず上に行くほどすぼまるようにして軽くしたのである。ミニチュア製作では決して起きない現象で、縮尺次第で強度が同じにならないのである。～続く

Salah Rieman @cosycube

#進撃の巨人 #壁 （承前０６）ピラミッドについては垂直的な強度なのであるが、壁の厚さにも同様のことを考える必要がある。人間サイズに縮小した高さ5m、厚さ1mは、少なくとも厚さ方向に岩の強度があるのではない。3乗の質量比か2乗の面積比で強度を弱めて考える必要があるだろう。～続く

Salah Rieman @cosycube

#進撃の巨人 #壁 （承前０７）これは面積比で安全限界を考えるのは危うい。質量比であるべきだ。確かに圧力の単位は面積であり、物体に静かに力を加えるときの破壊は圧力で測られる。しかし巨人は壁を静かに押してくれるだろうか？否、殴ったり蹴ったりする筈で、その可能性を考慮すべきだ。～続く

Salah Rieman @cosycube

#進撃の巨人 #壁 （承前０８）このとき問題となるのは運動量である。速度的には巨人は人間と同じであり、パンチの速度は人間と同じである。しかし質量は1000倍なのだ。運動量＝質量×速度であるから、1000倍の威力がある。質量比、つまり1000倍で安全限界を考えるべきである。～続く

Salah Rieman @cosycube

#進撃の巨人 #壁 （承前０９）つまり人間サイズならば、厚さ1mではなく、1/1000m＝1mmの岩の壁としなければならない。え、1ミリ？殴らなくても、ちょっと押せば壊れちゃうじゃないか！しかも、一枚岩ではなく積み上げてあるのである。実際の壁は高さ1mの岩の集合体だろうか。～続く

Salah Rieman @cosycube

#進撃の巨人 #壁 （承前１０）縮小すれば、高さ10cmの石を積み上げた厚さ1mmの石の壁なのである。だ、駄目じゃん、指先一つでダウンするじゃないか！しかし、実際には人類は壁によって巨人の侵入を防ぎ、生き延びている。何か別の理由があって、巨人は壁を壊さないのでは？～続く

Salah Rieman @cosycube

#進撃の巨人 #壁 （承前１１）牧場では、簡単な木の柵で牛や馬は囲まれている。牧場主らの証言では、もし牛や馬が本気で柵を押せば、容易く壊れてしまうそうだ。しかし、余程にお茶目なのを除き、決して彼らは柵の外に出ようとしない。これは彼の本能的な習性なのである。～続く

Salah Rieman @cosycube

#進撃の巨人 #壁 （承前１２）木ではなく紙テープの柵ですら、牛馬はその外には出ない。エリアと認識した外には出ようとしない。柵が木製なのは牛馬でなく風雨に耐えるためなのである。同じことが巨人にも当てはまるのではないかと思われる。見えないところへは行けない。～続く

Salah Rieman @cosycube

#進撃の巨人 #壁 （承前１３）超大型巨人が始めて壁自体を破壊した。それまで、壊されるとしても開閉する門だけだった。門は開いたときには、その先が見えるからであろう。超大型巨人にして、初めて壁越しに見ることができたわけである。見えたからこそ壊したに違いない。ここがポイントだ。～続く

Salah Rieman @cosycube

#進撃の巨人 #壁 （承前１４）ようやく巨人の侵入を阻む方法が見えてきた観がある。頑丈さで阻もうとしてはいけない。巨人が先を見通せなければいいのである。視界を遮るだけなら、布の壁でもいいのであろう。現在の壁に柱を立て、帆船の帆のようなもので高さを足せばよいと考えられる。～続く

Salah Rieman @cosycube

#進撃の巨人 #壁 （承前１５）このことを敷衍すると、巨人は視界が使えないと移動を停止する可能性を強く示唆する。対巨人戦では目潰し、目隠しを有効に使えば、兵士の損耗率は激減するに違いない。人類は対巨人の戦術・戦略を見直し、防御から逆襲を考える時機にあるのではないだろうか。（終）

Salah Rieman @cosycube

#進撃の巨人 #壁 （補足０１）ここまでの研究において、安全限界を慎重に見積もるため、無視してきたものがある。一応、壁が巨人を阻んでいる主な理由は述べたので、今度は無視しておいたものを述べてみたい。壁の強度については考慮したが、巨人については何も考慮しなかった。～続く

Salah Rieman @cosycube

#進撃の巨人 #壁 （補足０２）実はそれは片手落ちなのである。よく考えれば、人間が通常の100倍の力を持ち、岩を全力で拳で殴りつけたとしよう。岩は砕けるだろうか？もちろん砕けるのは拳の方である。通常の巨人は岩より頑丈であろうか？巨人は人間よりある程度は頑丈なはずだ。～続く

Salah Rieman @cosycube

#進撃の巨人 #壁 （補足０３）なぜなら幾何学的に大きくしたとき、構造を支える強度は2乗の面積比でしか増えないが、それが支える質量は3乗の体積比で増えてしまうからである。ある程度は人間より頑丈な構造でないと、あの巨体は立っているだけで崩壊してしまうであろう。～続く

Salah Rieman @cosycube

#進撃の巨人 #壁 （補足０４）しかし、縮尺の3乗で強度が増しているということはあり得ない。なぜなら、通常の剣で斬り刻めるからである。巨体を斬り裂くには刃のほぼ全長を使うため、その分の力は必要であるが、通常の兵士でも巨人の急所に届くよう斬ることは普通にできている。～続く

Salah Rieman @cosycube

#進撃の巨人 #壁 （補足０５）つまり、巨人の強度は人間と大差はないと見てよいであろう。先の考察では壁の厚みを1/1000倍にしたが、巨人も材質と見て、その強度を考えるなら、厚みを減らして考える必要はない。人間が素手で岩を砕けるかどうかで考えればよいのである。～続く

Salah Rieman @cosycube

#進撃の巨人 #壁 （補足０６）人間が素手で石、あるいは小さい岩を砕いて見せる術がある。武道の練習、あるいは大道芸で行われている。たとえば、手刀で小岩を叩き割る技術では、手刀が小岩を斬っているのではない。そのやり方をよく見ると、丈夫な鉄の台の上で行っている。～続く

Salah Rieman @cosycube

#進撃の巨人 #壁 （補足０７）左手で小岩を持っているのだが、小岩を少し浮かせている。それを右手刀で思い切り叩く。小岩はその時点では割れず、急加速して鉄の台にぶつかり、割れる。鉄の台にうまく小岩を叩きつけて割るのである。台に置いた岩を割れと言われたら困るであろう。～続く