第一回大罪大戦《正2の狭間》【戦闘フェーズ02】

紅(ルージュ)は不羈、ファンシー[ @noamarimo_sin ] 黒(ノワール)は旧紅色欲、ラスト[ @temari_sin ]
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ラスト/アドウェナ @temari_sin

ファンシーが段々砂に成っていく様子をただただ黙って見ていたが。「行きなよ」と促されて、はっと我に返る。境内の中の空気が変わった。床もひび割れているようだ。『狭間』が終わる時が近い。→

2013-07-05 02:03:31
ラスト/アドウェナ @temari_sin

→「じゃ、お言葉に甘えて」最後に深く深くとろけるような口付けをして、立ち上がる。「アタシは、帰るよ」ファンシーに背中を向けて歩き出した。

2013-07-05 02:03:38
ファンシー・S・ピグレーツォ @noamarimo_sin

「さよなら、色欲。この大戦の行く末に、君の自由があるといいね?」 片足で座布団に乗ると、賽銭箱の上へ飛ぶ。身体の半分が欠損した状態だが、まだ唇は残っていた。 それも色欲が世界に望んだせいかはわからない。最後に狐は、その背中を見送りながら、宣言した。

2013-07-05 02:10:06
ラスト/アドウェナ @temari_sin

社を出て振り向く。ファンシーの声は彼女に届いていた。「アタシの、自由……」無意識のうちに首のリボンに触れていた。アタシは今、自由じゃないのだろうか……? 出なかったら、自由を謳うファンシーがあんなことを言う筈がない。→

2013-07-05 02:16:37
ラスト/アドウェナ @temari_sin

→目の前には社の入口。「あぶらあげおんりー」と書かれた貼り紙が。「油揚げはないから……これで、我慢して」ポケットの中から、戦いの前にくすねてきたチョコレートを出した。入口にそっと置くとまた振り返り。「早く、帰らなくちゃ」足早に鳥居を潜り、神社を抜けた。

2013-07-05 02:19:08
ファンシー・S・ピグレーツォ @noamarimo_sin

神社から彼女が去った後。最期の言葉が社に響きます。 「我事成了」 ぱらり。ぱら。ぱらぱら。さらさら。身体《ヒトガタ》が崩れて、砂が賽銭箱の中に入っていきます。

2013-07-05 02:25:43
ファンシー・S・ピグレーツォ @noamarimo_sin

座布団の上には―― 一匹の―― 息を引き取った―― 観測されなければ存在しない―― 白い猫が残りました。 ― Side:ファンシー・ピグレーツォ 了 ―

2013-07-05 02:29:06
ラスト/アドウェナ @temari_sin

砂に成っていく狐の石像。色褪せて消えていく森。ここに来た時とは違う生温い風。そう、全てが消えてなくなっていくのだ。その中に、来た時と同じようにそびえている扉が見える。「待っててルクスーリア。約束、守ったから……」扉を開けて、彼女は色褪せた世界から姿を消した。

2013-07-05 11:08:55
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