第一回大罪大戦【エピローグ】

大罪大戦は終わりました。 紡がれた物語は、この場所で終わります。 エピローグ
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プライド @seigo_sin

伸ばすまでもない。 嗚呼、そうだ。 私は、『其処にいる』。確かに私は、『其処にいた』。 ――共に、在ったのだ。 記憶の果て、王は一人、歩き続ける。 ある一方へ。何かの確信を抱いて。 そうして。 足を止める。

2013-07-20 17:31:04
プライド @seigo_sin

此処が『記憶』であるならば 『記憶』は『世界』とリンクし得るというのならば ――存在しているのだ。此処には、それが。

2013-07-20 17:32:52

オブセッション エピローグ:彼方の星

シーン主導PC:紅の執着 オブセッション
シーン参加PC:紅の憤怒 ラース

ワイマックス @nigayuki_sin

夢でもいい。現でも、どちらでもよかったのだ こんな幸福な世界があるならば。こんな清らかな心地でいるのなら――。 目覚めると髪の毛に埋もれていた。最初は女を連想した。正々堂々、執着を討ち獲った女の名を、思い浮かべた。 けれど、今必要なのは、今の心地に胸を、思考を埋めるなら。

2013-07-20 19:25:17
ワイマックス @nigayuki_sin

男は鉄の寝台から立ち上がり、ゆっくりと、髪を引きずりながら。 憤怒との戦いにも悪夢(み)た、鉄格子に近づく。それは嫌な心地はしない。涙が出ることも、無かった。 髪で前方が塞がれて見えないけれど、赤い簾の隙間に覗く鉄の棒を握る。そうして、力を……強く、強く、つよく、込めていった。

2013-07-20 19:28:51
ワイマックス @nigayuki_sin

鉄格子の溶接が罅入り、鉄棒が湾曲していく――。 男は虚像だ、戦って死んだ。ただ、勝ち得たものがある。 鉄格子が粉々に握りつぶされ、男は困ったように微笑む。 「ワイマックス。ワイの、筋肉という男の名だ」 さあ、出よう。そう思って頭を振り、邪魔な垂れる前髪を払う。眼前には――。

2013-07-20 19:34:11
黒の憤怒:ツォルン @whiteplays_sin

天井が崩れ、穿たれた穴から北天が覗く。そして眼前に映し出されるのは武器を持たぬ白銀の騎士。空しい幻。それはただそこに立ち、牢屋から踏み出した男に語りかける。「我が生への執着よ、人世への執着よ」騎士は素顔を見せぬまま、男を見る。「この地を往くのか」

2013-07-20 19:53:05
ワイマックス @nigayuki_sin

「殿」 大丈夫だ。いつも以上に慈しみのある声だ。 「……」 片膝をつき、騎士を見る。 「天(そら)を。この天を往きます」

2013-07-20 20:05:57
黒の憤怒:ツォルン @whiteplays_sin

「天、であるか」騎士は天を仰ぎ見る。騎士の身体が淡い光に包まれ天に昇る光の粒となって薄れてゆく。その幻がそっと男に右手を差し伸べる。「では往こう、我が眷属よ」思えば、かつてこの騎士が男に自らの『人への執着』を与えたときから、この結末が決まっていたのかもしれない。「我が『執着』よ」

2013-07-20 20:16:39
ワイマックス @nigayuki_sin

最初に会った狭間でも、手を差し伸ばされた。 「ありがたき幸せにござりまする、殿」 伸びすぎな髪は赤い光の河となり、栄光を受け取った瞳を北極星へ向ける。 主の手に手を握るときに、二人分の幻の光が空へ翔けていく。 エピローグ:オブセッション FIN

2013-07-20 20:37:45

ヴォルプターモ エピローグ:彼女の想い。

シーン主導PC:虚の色欲 ヴォルプターモ
シーン参加PC:虚の暴食 グロトネリーア

暴食(イストリーブ)の色欲(かあさん) @reclew_sin

―――意識が、浮上する。 私は…? 見渡すと周りに広がる虚空。 自分の存在は認識できているが身体に不備がないかと見てみると薄れて見える女の身体… これは、一度でも『大罪』を捨てた代償だとでもいうのだろうか。

2013-07-20 21:13:30
【暴食の雛】 @gomokumame_sin

少年は眠っている。 痩せ細った小さな身体を丸めて、身を守るように。あるいは、すべてを拒絶するかのように。 ぼろぼろの黒い服と、薄汚れても尚明るいショッキングピンクのコントラスト。曖昧な世界との境界線は薄れ、『意思』を失った子は、溶け消えようとしていた。 ――なにも、きこえ、ない

2013-07-20 21:14:56
暴食(イストリーブ)の色欲(かあさん) @reclew_sin

広がる虚空に、さてどうしたものか…と思案していた矢先。 『それ』は、在った。 忘れようもないほどの桃色の髪色。 ぼろぼろの黒い服にも見覚えがある。 ―――嗚呼、なんということだ。 『彼《あの子》』がここにいるということは死んだということなのに。 安堵している、自分がいた。

2013-07-20 21:17:36
暴食(イストリーブ)の色欲(かあさん) @reclew_sin

『彼《あの子》』を自分で確認し、認識した瞬間、女の薄れていた身体は実体を取り戻した。 何故、と考える暇も惜しかった。 『彼《あの子》』に近寄り、身体の無事を確認する。 その身体は、幾ばくか幼くなっていた。

2013-07-20 21:19:10
暴食(イストリーブ)の色欲(かあさん) @reclew_sin

死んだように眠る少年の呼吸による身体の動きに胸を撫で下ろし、傍に座る。 そのまましばらく観察に徹する。 初めて会った頃からは想像も出来ないほど痛んでいる髪。 見た目や身体の大きさから見ると齢6、7歳だろうか… 傍に座り、決して触れぬよう見守る。

2013-07-20 21:23:23
【暴食の雛】 @gomokumame_sin

ゆるやかな闇に包まれて、溶けていくような気がする。 眠りはいつでも優しい。 眠っていれば、お腹が減ってつらいのも忘れられる。 何もかも、消えて、なくなっていく。

2013-07-20 21:30:22
暴食(イストリーブ)の色欲(かあさん) @reclew_sin

「っ!?」 じっと見守っていると、『それ』は段々、しかり着実にうっすらと薄らいで消え行こうとしていた。 消える? 消える…私の… 私の、『全て《世界》』が? 何かの悪い冗談だ。 もう私には…『大罪』であることを名前でしか受け止めていない私にとってはこの子だけなのに

2013-07-20 21:33:20
暴食(イストリーブ)の色欲(かあさん) @reclew_sin

そんなことがあってたまるものか。 消すなら…何かを消してしまわなければ『私《空虚》』を消してほしい。 『この子《私の世界》』が消えるなんて… 私が、認めない! 薄れ行く肩は掴めるか不安だったが、普通に掴むことが出来た。 そしてそのまま身体を揺さぶる。 「起きて…お願い…!」

2013-07-20 21:36:08
【暴食の雛】 @gomokumame_sin

だれか、よんでる。 眠っていれば何もつらくないのに、誰かが揺さぶって起こそうとする。優しい闇が振り払われる。 ――だれ。 どうして、おこすの。 瞼をうっすらと、開く。力ないピンクの瞳が、揺さぶる誰かを、見た。

2013-07-20 21:44:57
暴食(イストリーブ)の色欲(かあさん) @reclew_sin

目を、覚ました… 目を覚ましこちらを見ると同時にその身体は薄れてゆくのを止め、しっかりと認識できるようになった。 嗚呼、良かった… 女の顔から、笑みがこぼれた。 その顔は、小さな『世界』から見ればどのように映っただろうか。

2013-07-20 21:48:45
【暴食の雛】 @gomokumame_sin

見下ろす視線。笑っている。どうして? 「――――だれ?」 知らない、人。 おれはこんなひと、しらない。 こんなに優しく笑いかけてくれる人を、知らない。

2013-07-20 21:55:29
暴食(イストリーブ)の色欲(かあさん) @reclew_sin

だれ? と。 そういわれた。 その事実に目の前が闇に閉ざされそうになりながらも、目の前の『子』に応える。 「…私? 私は…ただの通りすがりよ」 言葉に、こちらの心が切り刻まれそうな嘘を織り交ぜて。

2013-07-20 21:58:18
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