- tsukushi_k
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「イヤーッ!」アイサツ終了からコンマ1秒! ダリーナはカキンスレイヤーめがけスリケンを放っていた。Sレアアイドルのスリケンはカキン・スリケン。カキン・ソルジャーたちのドネートによって際限なくもたらされる金の殺戮兵器である!
2013-07-04 01:23:01「イヤーッ!」カキンスレイヤーはこれをブリッジして回避! しかしそれはダリーナにとって計算の内であった。スリケンなどは牽制にすぎぬ。金ならいくらでももたらされるのだ……!
2013-07-04 01:25:47ダリーナはスリケンを放った瞬間にはすでに駆け出していた。彼女の本命は、至近距離から放つロック・ジツなのだ! それは超音波によって対象を破壊するジツであり、ゼロ距離からそれを受ければカキンスレイヤーすらひとたまりもあるまい!
2013-07-04 01:28:56ダリーナは大きく息を吸った。ロック・ジツはロックンロールの魂が高まるほど威力が増す。ロックは怒りと悲しみの音楽だ。彼女のそれは今や最高潮に達していた……その破壊力は想像を絶するであろう! おお、ナムアミダブツ! ここがカキンスレイヤーのオブツダンとなるか!?
2013-07-04 01:31:39「イヤーッ!」「オゴーッ!」しかし、おお、見よ! ロック・ジツの放たれるほんの一瞬前である! カキンスレイヤーはブリッジの体勢から無理やりにバック転に移行し、片手で肉薄したダリーナの首をつかみ締め上げていた!
2013-07-04 01:36:06まさにコンマ秒以下の戦いである。ダリーナの敗因は、スタミナ不足によって、ほんのわずかに鈍った体の動きであった。だがアイドル同士の戦いにおいてそのわずかの差は致命傷。普段からカラテを怠ることはアイドルにとって命とりである。インガオホー!
2013-07-04 01:38:52ロック・ジツのためにチャージされていたエネルギーは喉をふさがれることによって出口を失い、ダリーナの中でしだいに赤熱してゆく! 「ゴッ……! オゴゴッ……!」ダリーナはもはや発声すらままならぬ!
2013-07-04 01:40:38「イヤーッ!」ロック・ジツの暴走が限界に達したと見るや、カキンスレイヤーはアイドル筋力を最大限に発揮し、ダリーナを投げ飛ばした! 「アバババーーッ!!」 BOOOMB! ダリーナの体内から小規模の爆発! とはいえ、それはダリーナの身を焼くには十分すぎた!
2013-07-04 01:42:54「アバッ……」全身にやけどを負い、倒れ伏すダリーナの頭上に、殺戮者の影が差した。「た、助け……」ダリーナはやけどと涙でかすれ切った声で懇願した。カキンスレイヤーの目が細まった。
2013-07-04 01:45:25それを見届けると、カキンスレイヤーはすぐに背を向ける。去りゆく歩調は決断的であり、欠片の感傷も見られなかった。彼女は課金を殺す者。課金のある限り、彼女に休むことは許されないのだ。
2013-07-04 01:49:46爆発跡には、砕けたヘッドフォンの欠片だけが残り、物も言わず重酸性雨に濡らされていた。空をゆくマグロツェッペリンから流れてくる音楽が、レクイエムめいてその場に響いた。
2013-07-04 01:52:11以上をもちまして、お遊び企画「カキンスレイヤー」放送を終わります。遅くまでお付き合いありがとうございました! セルフ管理メントは十分にして下さいね!
2013-07-04 01:57:43