BAAL Language Learning and Teaching SIG 2013

2013年7月4-5日にロンドンのSt. Mary's University Collegeで行われた、標題の学会に関するmrkm_aのツイートのまとめです。
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Akira Murakami @mrkm_a

基調講演1はL. Ranta氏の「'What is' and 'what should be':Teacher surveys as a window onto the theory-practice relationship in L2 grammar instruction」

2013-07-05 05:09:54
Akira Murakami @mrkm_a

『How languages are learned』でフィードバックがどの程度扱われているかを第一版から追ってみると、1993年版では0ページ、1999年版では3ページ、2006年版では4ページ。

2013-07-05 05:11:01
Akira Murakami @mrkm_a

カナダのケベックで英語教員に1993-1994年と2012年にアンケート調査。「ある項目を習得するためにcorrectionが必要だと思うか」への答えは差なし。「recast(を別の言い方にしたもの)が最善の方法である」を肯定する教員の割合は2012年の方が少ない。

2013-07-05 05:13:40
Akira Murakami @mrkm_a

「メタ言語フィードバックが最善の方法である」という考えを支持する教員の割合は上がった。総じて、1994年では暗示的なフィードバックが好まれていたが、最近は明示的なフィードバックにもオープンになっていると言える。SLA研究が教員に影響を与えているのでは。

2013-07-05 05:15:41
Akira Murakami @mrkm_a

実際のpracticeも変わったのか、それとも回答が変わっただけかは不明。

2013-07-05 05:16:55
Akira Murakami @mrkm_a

言語学は「what is?」、SLAも「what is?」、L2 pedagogyは「what is and what should be?」。/ SLA研究の結果→教員養成→teacher cognition→実践、というような流れ。

2013-07-05 05:18:57
Akira Murakami @mrkm_a

Peter Skehan & Francine Pang「The perils (and rewards) of planning」。Skehanは元々今回の会場であるSt. Mary's University Collegeにいた。

2013-07-05 05:24:15
Akira Murakami @mrkm_a

プラニングは複雑性、流暢性を上げるが、正確性には必ずしも寄与しないのはなぜか。CAF(複雑性・正確性・流暢性)+ lexisという枠組みで測定する。これらは統計的に言って、同じ構成概念を測定しているとは言えない。

2013-07-05 05:25:10
Akira Murakami @mrkm_a

Pang & Skehan (forthcoming)では、この辺りの問を質的に研究した。10分間のプラニング→ナラティブタスク→インタビュー。被験者が「プラニングで何をしたと言ったか」と「実際に何をしたか」を比較。

2013-07-05 05:27:53
Akira Murakami @mrkm_a

プラニングがマイナスになる点は、自分が扱える以上にストーリーを複雑にしてしまうこと(正確性が下がる)、派手な語彙を使ったり文法に集中したりして野心的になりすぎる、実際にタスクを行う時の柔軟性を欠く(流暢性が下がる)、など。

2013-07-05 05:30:43
Akira Murakami @mrkm_a

問題はプラニングからパフォーマンスへの転移。アイデアは転移しやすいが、言語形式はフェードしやすい。同様に細かい点(どういう語を使うなど)は転移しやすいが、マクロなプラニング(?)はフェードしやすい。実際に「転移」がどのようなものか、それをサポートできるのか、が大きな問題。

2013-07-05 05:36:18
Akira Murakami @mrkm_a

事前プラニング+オンラインプラニングで正確性が上がったという香港の研究者の研究がある。これは事前プラニングで計画した内容を思い出す時間があるからではないか。

2013-07-05 05:38:04
Akira Murakami @mrkm_a

(QAで、プラニングはL1で行われたのかL2で行われたのかという問に対し)体系的には分析していない。L1の方が具体的な(細かい点の)プラニングになりやすいので、その方が有効という考えもあるだろう。

2013-07-05 05:39:22
Akira Murakami @mrkm_a

二日目のトップはZoltán Dörnyei氏基調講演「Communicative language teaching in the 21st century: The `principled communicative approach'」

2013-07-06 18:41:28
Akira Murakami @mrkm_a

紹介はJudit Kormos先生。Dörnyei氏の元学生で、氏が語学を教えていた時の学生(学部1年?)でもあった。

2013-07-06 18:41:47
Akira Murakami @mrkm_a

Dörnyei氏は1997年にCLTに関する論文を出していて、influentialなもの(Kormos先生)。でも被引用回数などから判断するに動機付けの研究などと比較してあまり読まれなかったようだ(Dörnyei先生)

2013-07-06 18:42:14
Akira Murakami @mrkm_a

この基調講演は『Psychology of second language acquisition』の第七章に基づいている。この本はこれまでで最も大変だった仕事。本講演をより拡張したものは以下の本にある。 http://t.co/coXIYr2CIs

2013-07-06 18:46:36
Akira Murakami @mrkm_a

CLTはlinguistic course contentに焦点があり、「学習(学習の心理)」については何も言っていない。その結果、様々なCLTの種類が出てきて、例えば文法指導について矛盾するスタンスが出てきた。

2013-07-06 18:47:47
Akira Murakami @mrkm_a

CLTに関する典型的な教科書や権威者はおらず、普遍的に受け入れられているモデルもない(Richards & Rodgers, 2001, p.155)。これは問題。

2013-07-06 18:48:02
Akira Murakami @mrkm_a

全般的に教員の知識は研究の知識(?)を遥かに超えていると考えているが、明示的・暗示的学習の辺りについては研究が何か言える。この問題にSLAで最初に焦点を当てたKrashenはすごい。

2013-07-06 18:48:13
Akira Murakami @mrkm_a

暗示的学習はL2では効率的ではないため、明示的学習に頼る。N. Ellisが言っているように、躓いて初めて歩き方を意識的に考える。つまり暗示的学習が失敗して初めて明示的学習が出てくる?

2013-07-06 18:48:28
Akira Murakami @mrkm_a

言語指導の主な課題は、明示的学習と暗示的学習の協力を最大化することである。その方法には(1)FonF、FFI、(2)流暢性と自動化、(3)formulaic languageがある。

2013-07-06 18:48:35
Akira Murakami @mrkm_a

流暢性は心理学ではautomatizationにカバーされる。流暢性を上げるのはskill learning theoryで包括される。心理学的にはどのようにL2が自動化されるかが問題。

2013-07-06 18:49:03
Akira Murakami @mrkm_a

自動化は宣言的インプット+練習によって成るが、練習はcontrolledとopen-endedに分けられる。宣言的インプット→controlledな練習→open-endedな練習、という流れ。これはつまりPPP。

2013-07-06 18:49:56
Akira Murakami @mrkm_a

これをもって、研究が実践に追いついたと見ることもできる。「え、またPPP?」という反応もあるだろう。ドリルも適切に行えば悪くない。

2013-07-06 18:50:11