毎日放送( #MBS )アナウンサー西靖(@y_west)氏による、インドにおける英語教育の内幕に関する連続TW

英語教育に力を入れているとされるインドですが、その背景には「そうせざるを得ない事情」、があるようです。
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西 靖 @y_west

インドは国策として教育に力を入れていて、幼稚園から英語教育をしっかりして、世界に通用する人材を育成している、と喧伝されていますけど、昨日、今日の放送で触れたように、それはあくまで一面でしかありませんし、短い滞在でも「そうせざるを得ない事情」がいろいろ見えてきます(続く)

2013-07-12 02:52:00
西 靖 @y_west

まず、インドでは地方によって言語が全くといっていいほど違います。方言のレベルではなく、文法も違うし、挨拶の言葉まで違う。共通言語としてヒンディ語だけを使えば南部など反発を覚える地域もある。英語を使った方が「手っ取り早い」という事情がありそうです。

2013-07-12 02:59:20
西 靖 @y_west

次に、インドでは巨大な人口を養うため、あるいは各個人が糊口をしのぐためには、国外に職を求めざるをえないという事情があります。そのためには英語が出来た方が有利であることは間違いありません。そしてもうひとつはカースト制度の名残。(続く)

2013-07-12 03:03:56
西 靖 @y_west

公式にはカーストによる差別は厳しく禁止されていますが、やはりその影響は否定できず、就ける職業が限られたりする現実があります。ところがITはカーストのどれにも当てはまらない、いわばインドにとっての「巨大な隙間産業」です。少ない投資で始められるメリットも。そしてここでも英語は役立つ。

2013-07-12 03:07:54
西 靖 @y_west

また、インドが国を挙げて英語教育に力を入れている、というのも正確とはいえません。私立では10年も20年も前から全ての授業を英語で行っているところがたくさんある一方で、公立では今も英語は中学からのようですし、そもそも貧困による幼児就労で満足に学校に行っていない児童も大勢います。

2013-07-12 03:16:07
西 靖 @y_west

取材した学校の校長先生に幼稚園からの徹底した英語教育について「タミル語しか話せない祖父母と英語しか話せない孫というようなことになると、彼らは直接会話すらできないことになりますね」と尋ねると「それは仕方がない。それでも英語を話す孫を彼らは誇らしく思うだろう」とお答えになりました。

2013-07-12 03:20:28
西 靖 @y_west

それを聞いてもなお「やっぱインドすごいわ。これからは我が国でも幼児から英語教育だよ」とは、今の私は軽々には言えません。インドの凄みやしたたかさはビンビン感じますけど。いや、たくさん宿題を持って帰れそうです。さ、そろそろフライトだ〜

2013-07-12 03:33:24