左利きが万年筆のためだけに右利きに矯正した話

左利きが右手で万年筆を持ってそれなりな字を書けるようになるまでの試行と思考について
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葉之倉えん @en_1768

ぼちぼちある試行が継続1年になるのとこの話を某所でしたら随分ウケたのでので自分なりにまとめようと思う。

2013-07-14 22:12:01
葉之倉えん @en_1768

先ず、ある試行とはなんじゃらほいというところから。私は左利きなのだけど、万年筆だけ右利きに矯正すること。右利きに矯正するに至った理由は”右手で書いた方が万年筆らしい書き味を楽しむことができると思ったことこと、日本の文字は右手で書くことを常道としていること”の二つ。

2013-07-14 22:16:33
葉之倉えん @en_1768

事の起こりは1年前ペンクリでペンドクターに「左利きで万年筆を扱うことはその構造上紙を掘り進むように文字を書くことになるため万年筆本来の書き味を楽しめない。できるなら矯正した方がいいよ」と言われたこと。

2013-07-14 22:20:55
葉之倉えん @en_1768

その時は左利きのままにすると言ってインクフローだけよくして筆記時のザリザリ感をごまかしてもらうだけにした。右に矯正するなんて無理だろ…何年左で文字書いてきたと思ってんだよと思っていたので。

2013-07-14 22:23:33
葉之倉えん @en_1768

家に帰ってからもう一つ言われたことがひっかかった。「うちのとこに入ってきて万年筆に関わる人は左利きの人も矯正するんだ」と。もうひとつ。当時からツイッターで構ってもらっていたある万年筆クラスタの方が非常に達筆でひそかに?私は彼の字やその手の動きにあこがれていた。

2013-07-14 22:26:38
葉之倉えん @en_1768

チョイと右手でその日調整した万年筆を右手で持って線を引いてみた。フローを良くしてもらっただけあって書き心地が非常になめらかで、左手で書いていた時の数段書き味が良かった。こうも違うものかとビックリした。スゲー感動した。

2013-07-14 22:31:10
葉之倉えん @en_1768

自分、これは相当損してねーかと、あの滑らかさをずっと味わえるってのは相当おいしくないかと。左で文字を書くのはちょっとしたコンプだったのもある。万年筆はいい機会だと思ってチョイと矯正してみようと思った。なに、左でも十分板書は取れる。ダメだったらそれそれで戻すかと。

2013-07-14 22:32:51
葉之倉えん @en_1768

余談として、私が板書を万年筆オンリーで取っているので色ペンも万年筆だった。キャップをいちいち外すのが面倒くさいのだ。両手で書けりゃ楽になる。右がサブ(色ペン用)になればいいやと。まー左をサブにするくらいにはなりました

2013-07-14 22:35:25
葉之倉えん @en_1768

んで何をやったかというと、とりあえず数日くらい右で歌詞を書いて遊んだりしてから板書をできるだけ右手で取るようにした。ペースが落ちたら置いて行かれるので(数学とか)疲れたら即左手に切り替え、疲れが取れたら右手という感じで。とりあえずひたすら書いた

2013-07-14 22:38:05
葉之倉えん @en_1768

最初のころは字がガクガクだし手の力みもひどいのでサロンパスで手首をサンドイッチしたりもした。あと何が困ったってテスト勉強のときにうっかりすると読解できないとか。

2013-07-14 22:40:10
葉之倉えん @en_1768

ただ書くだけだと頭悪い、というか矯正もくそもないので隣で板書してる学友の右手を先生の雑談のときとか空いたときに観察していた。多分結構挙動不審だったのではないかと反省はしているが後悔はしていない。あと電子の海でペンの持ち方の写真漁ったり。それっぽいのは結構あったのでそれも参考にした

2013-07-14 22:43:39
葉之倉えん @en_1768

これもちょっと余談っぽいのだけど、左利きのペンの持ち方って想像以上にいろいろある。右利きの鏡写しみたいな持ち方からペン先の向きは左を向いているけど左で抱えるように持つとか。私は前者であるのでそのまま鏡写しにして右手で万年筆を持つことにした。

2013-07-14 22:47:27
葉之倉えん @en_1768

そうはいかなかった。慣れない右手で持つというのは細部が利き手の左手と異なっている。右手で上手くペンが動かせないのだ。上手く行かないせいで無駄に力み、負担をかけサロンパスで手首をサンドする羽目になった初めてペンを持ってきて最適化された左手はそれはそれ、なかなかよくできていた。

2013-07-14 22:50:59
葉之倉えん @en_1768

こうも上手く行かないのは確実に何か持ち方が違う。筋力云々の問題ではないと考えた。左右で持ち替えて手と指ペンの位置を観察したところ発見があった。ペンを動かすにあたって一番寄与が大きいのはペンを持ったとき、人差し指が親指よりいくらかペン先に近い位置にあるとペンを動かしやすくなることだ

2013-07-14 22:55:16
葉之倉えん @en_1768

軸尻からペン先へ向かってX軸を作ったとき親指と軸の接点より人差し指と軸の接点がペン先側に少しあるか、同じくらいの位置にあること。親指との接点よりも人差し指の接点が後ろにならないことが一つ。もう一つは軽く握りこんだ中指の第一関節の指先側にペンが乗ること。

2013-07-14 22:59:33
葉之倉えん @en_1768

最後に、できればペンの重心がペンを持つとき人差し指と親指でできるわっかの中にあること。この三つに気を付けて書きやすい万年筆の持ち方や好みの角度に合わせていった。これでひとまずペンと手の関係に収まりがついた。

2013-07-14 23:03:14
葉之倉えん @en_1768

これでペンの動かしにくい動かしやすいというところは当面の解決ができたわけだが。次の問題はどうやったらきちんと書けるようになるかである。万年筆を動かしやすい持ち方にはできたがこれだけだと結局ふにゃふにゃの文字のままである。

2013-07-14 23:07:15
葉之倉えん @en_1768

このふにゃふにゃの原因が何かということに対して、右手で文字を書くための回路や筋肉が弱いのだろうという仮説を立てた。ふにゃけていても書けないことはないということは、頭の中の文字像は左手で覚えたものをそれなりに流用できているということだと考えた。

2013-07-14 23:10:55
葉之倉えん @en_1768

要は、後はひたすら右手に文字を馴染ませるだけだと。素振りと筋トレみたいなものである。ぶっちゃけた話、右手だけ小学生辺りにでも戻ればいい。ゆっくり、できるだけ丁寧に文字を書く。何とも体育会系な思考でいかがなもんかとも思ったが一番手っ取り早いし他に思いつかなかった

2013-07-14 23:14:25
葉之倉えん @en_1768

結果としてはこれは正解だったようで3か月くらい続けるとそれなりに持久力がついて文字のガタつきも軽減されるようになった。夏休みの間サボったのでいささかアレなのだけど、それも含めて半年くらいでほぼ講義丸一日分の板書を右手で、見れる字で取れるようになった。

2013-07-14 23:18:52
葉之倉えん @en_1768

で、それが続いて今に至る。文字に関しては継続は力なりの言葉は真。もーどーしようもない。力の入れ具合とかの触覚とか神経の信号がうんたらとかのレベルなのでもうキャッチボールの練習とか型の練習とか素振りとかと大差ない。こればかりは頑張るしかない。

2013-07-14 23:23:08
葉之倉えん @en_1768

現状、右手でメインのプロギアモザイクとかM800を持てるようになって、備考用の書き込みを左手で書きこむスタイルを確立。疲れて右で書くのが嫌になったら左手と交代(たまに)という具合になっている。先日M1000に触れる機会があったのだが十分持てた。もとが重いので疲れるけど。

2013-07-14 23:26:20
葉之倉えん @en_1768

まとめ。万年筆を持つときの基本形は右手の正しい持ち方を基本にする。注意点は指の位置関係とペンの重心。徐々に好みの角度や持つ位置へずらしていき調整する。ペンの取り回しは基本的に指の位置に依存する。

2013-07-14 23:32:07
葉之倉えん @en_1768

続き。初めはフニャフニャの文字しか書けないが粘って数をこなすこと。自分の利き手は文字を書くことについて人生単位で最適化され続けてきたことを認識すること。焦りダメ絶対。右手に字を書く感覚とそのための筋肉をつけるのが大事。文字の原本は頭の中にあるので大丈夫。

2013-07-14 23:38:08
葉之倉えん @en_1768

もうちっと続く。地味に重要なのが文字を書いている途中の手の移動。文字を書き続けると利き手で書くときはほとんど無意識で手が紙の上を滑るように移動しているはず。利き手を矯正するとこれが最初のころ上手くできないです。意識してやらないといけない。

2013-07-14 23:44:38