SPEEDIは何故公開されなかったか

SPEEDIの公開が遅れたことの理由として次のような理由をよく見ます。 ・モニタリングが不十分なため不完全なものだった ・気象データに不備があり不完全なものだった ・公開すればパニックが起こるから ・公開しても避難の役には立たないから 続きを読む
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前提知識、リンク集

SPEEDI情報はなぜ、公開されなかったのか(各数ページ)
【1】http://president.jp/articles/-/5568
【2】http://president.jp/articles/-/5569
基本的な話、概略、SPEEDIことについて把握するのに良い記事。president。

政府事故調のSPEEDI該当の項目
中間報告http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/icanps/111226Honbun5Shou.pdf
本報告http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/icanps/SaishyuHon04(0820).pdf

緊急時迅速放射能影響予測(SPEEDI)ネットワークシステム
http://img.jp.fujitsu.com/downloads/jp/jmag/vol59-5/paper05.pdf
運用している富士通による詳しい記事。
「 気象予測計算GPVデータを基に大気力学モデル計算を行い,原子力関連施設の周囲の気象状況(風向・風速)の変化を予測する。アメダスデータとモニタリング データは,予測値の精度向上のための補正に使用される。」

「データ収集・監視の詳細化
SPEEDIネットワークシステムが各地方公共団体から収集する環境放射線データは,本来,予測計算 そのものには必要なものではなかった。JCO事故 以降,国内の全原子力関連施設の環境放射線データ の常時監視が,SPEEDIの大きな任務の一つとして 位置付けられるようになった。これに伴い,従来, 平常時は1時間間隔(緊急時には10分間隔)であっ た環境放射線データの収集を,常時10分間隔で行うよう改修が行われている。」

SPEEDI 計算結果の公開を巡る謎に迫る。。。

まとめ SPEEDI 計算結果の公開を巡る謎に迫る。。。 本来、原発事故における周辺住民の避難指示に活用するために導入された「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)」は、じつは震災直後から(密かに?)運用されていた。。。 「使い物にならないから」「パニックを怖れたから」等々、いろいろな言い訳はすでにされてるようだが、本当のところはどうなのよ。 5789 pv 67 1 user

さらに踏み込んだまとめ。

「読売新聞の誤認記事について」原子力安全技術センター3/15または3/16のレポート
http://www.nustec.or.jp/news/pdf/kiji.pdf
「3月11日に緊急時処理を文部科学省から指示を受け、毎正時(1時間毎に)及び特別条件での拡散予測図を文部科学省等に報告しており、今日現在においても継続してSPEEDIシステムは、住民避難や国の原子力防災対策で活用されていますので、お知らせします。 」
「・地方自治体からテレメータシステムにより気象データや放射線観測データを常時入手しているが、これは、気象予測の確かさを確認するため、気象予測精度分析を常時行うという平常時処理である。
・地震によりテレメータからのデータが得られなくとも緊急時処理は別処理であるため、拡散予測を行うことができる。」

SPEEDI処理の流れ 原子力安全技術センター
http://www.nustec.or.jp/news/pdf/SPEEDI.pdf

回答する記者団  【情報公開】SPEEDI予測「公表できない」記載の文科省文書を見たい
http://kishadan.com/lounge/bbs/read.cgi?id=201203051621351
情報公開を求めて報道されている方の記事。重要な情報も。

福島第一原発周辺気象データアーカイブ : 2011年3月11日〜25日 / 風向・風速(モデル比較)
http://agora.ex.nii.ac.jp/earthquake/201103-eastjapan/weather/data/wind-model-20110311/
気象データとSPEEDIに関する詳しい説明。

福島第一原発周辺気象データアーカイブ : 2011年3月11日〜25日 / 風向・風速(モデル比較) / 地上 (10m) / 詳細
http://agora.ex.nii.ac.jp/earthquake/201103-eastjapan/weather/data/wind-model-20110311/surf/
同じサイトで毎時大気解析とGSM日本域を同一MAPで比較できるサイト。GSM日本域はSPEEDIで主に使われる気象データ(他のデータも使われる模様)

環境防災Nネット
http://www.bousai.ne.jp/vis/speedi_z/
過去の原子力総合防災訓練・文部科学省原子力防災訓練・仮想計算図形で使われたSPEEDIデータが公開されているサイト。

気象庁毎時大気解析(日本気象学会)
http://www.metsoc.jp/tenki/pdf/2008/2008_05_0043.pdf
様々な観測データからある日時の風と気温をメッシュ状に出す気象データ。予報機能は持っていない代わりに、詳しく、精度もよさそう。たとえいくつかの地上の計測点で不具合があっても、影響はなさそう。

※3/11〜25の毎時大気解析とGSM日本域とで大きな矛盾は無さそう。つまりSPEEDIは大凡正しい気象データを用いて計算していたと言える。

原子力安全基盤機構 平成21年度
地震時レベル2PSAの解析(BWR)
http://www.jnes.go.jp/content/000017303.pdf
今回のような事故が起こった時に、どういった時系列でどこからどれだけの核種が放出されるかのシミュレーション。(震災前の資料)
牧野淳一郎さんによる解説スライド。
http://jun-makino.sakura.ne.jp/talks/oookayama20110628.pdf

※放出量として用いるべきなのはモニタリングに基づいた値だけではなく、こういったプラントのシミュレーションによる放出予測ではないだろうか。実際に放出されてから計算したのでは手遅れなのだから。(実は「プラント事故挙動データシステム(PBS)」としてSPEEDIと連携が取られているらしい。下参考。)

解析予測情報の表示 原子力安全基盤機構
http://bousai.jnes.go.jp/system/erss-7.htm
「解析予測システム(APS)」及び 「プラント事故挙動データシステム(PBS)」について
「PBSでは、予め、種々の事故事象に対するプラント挙動を解析し、これら解析結果をデータベース化しておきます。 事故が発生した際は、似かよった事象をデータベースから検索・表示することにより、APSよりも早い 段階で、おおよその事故進展を把握することができます。また放射性物質の放出量をSPEEDI に受け渡す ことも可能です。」

PBSに関するさらに詳しい説明ブログ
SPEEDI無用論・・プラント事故挙動データシステム(PBS) 上・下
上:http://pub.ne.jp/hatakenotayori/?entry_id=4573232
下:http://pub.ne.jp/hatakenotayori/?entry_id=4575381

同じブログから
SPEEDIはSBO事故から1時間で使えなくなる設計 東電フクイチの準ストレステスト
http://pub.ne.jp/hatakenotayori/?entry_id=4145643
「(ERSSから)使用する伝送パラメータが来ない場合は、電話、FAX 等によってパラメータの数値情報を得て、プラント事故挙動データシステム(PBS)をつかって予測します。」

もし本当にFAXや電話のデータ量でも動かせるのであれば、今回の事故でも役に立ったことになる。要検証。

「しかし、11日も12日もPBSは使われていません。3号機は13日の2時42分頃にHPCIが停止し、注水が途絶してメルトダウンへの道を転げ落ちていきます。それから3時間後の13日6時頃にPBSで注水停止条件で予測をしています。プラントの状態(燃料破損、水素発生、燃料溶融等)や放射性物質の放出などを予測しています。このように遅くなった理由は不明です。」

3月13日のデータはどういう経由のデータを用いたのか。何故それが11日・12日にはできなかったのか、しなかったのか、検証が必要(※7/22追記:正しく無い可能性あり。下参照。)

巨額の予算が水泡に帰した事故対策システム原子力防災技術者が語る福島原発事故の深層(その1)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/36232
「しかし、原子力安全・保安院は間違いなくPBSの存在を知っていた。しかも、起動していた。証拠は、3月11日に動かした予測結果を首相官邸に報告したことが分かっていることだ。福山哲郎官房副長官(当時)は「(3月11日午後10時44分、保安院が)『福島第一 2号機の今後の進展について』と題するペーパーを官邸の危機管理センターに報告した。それはプラント解析システムによって今後、2号機がどうなっていくのかを予測していた」と明記している(『原発危機 官邸からの証言』福山哲郎著、ちくま新書、46ページ)。住民避難に使わなかった。」

SPEEDIネットワークシステムの現状と展望
保健物理 津田直英 2006年
http://ci.nii.ac.jp/els/110004799351.pdf?id=ART0007530983&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1374151984&cp=
「防災指針及び緊急時モニタリング指針(原子力安全委員会)によれば、SPEEDIの予測結果は、モニタリング情報や放出源の情報、気象情報と共に用いられる防護対策検討のための判断材料の一つである。」

班目春樹氏と菅直人氏 「証言 班目春樹」

内部からの一視点として興味深い。

SPEEDIの計算結果の活用・公表について 文部科学省
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2012/07/26/1323887_03.pdf
この資料でもそうだが、しばしば「モニタリング指針」が引用される。そうすると、防護の為には「放出量を仮定した計算」>「モニタリングの方針策定」>「モニタリング」>「防護の実行」という時系列が印象づけられるが、これはもちろん「モニタリング指針」によるモニタリングを前提とした防護なので当然の話である。問題はモニタリングの前にどれだけの防護をできる可能性があるかである。

SPEEDI 計算結果の公開を巡る謎に迫る。。。

まとめ SPEEDI 計算結果の公開を巡る謎に迫る。。。 本来、原発事故における周辺住民の避難指示に活用するために導入された「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)」は、じつは震災直後から(密かに?)運用されていた。。。 「使い物にならないから」「パニックを怖れたから」等々、いろいろな言い訳はすでにされてるようだが、本当のところはどうなのよ。 5789 pv 67 1 user

SPEEDIを公開していれば被曝は避けられたのだろうか
アカチバラチの日記
http://d.hatena.ne.jp/akatibarati/20120414/1334421134
事故調査・検証委員会の中間報告を踏まえた慎重な意見。主に避難経路、避難手段、情報の選択について言及されている。今後、検証すべき問題。
時系列が曖昧になっている部分がある。また、避難の混乱の問題はSPEEDIの有無に関わらず生じる問題であり、論点はSPEEDIによって混乱が緩和される可能性があったかが焦点になるべき問題。このまとめの最後に避難の問題については触れる予定。

ERSS(緊急時支援対策システム)について
ERSSの構成http://bousai.jnes.go.jp/system/erss-4.htm
プラント情報の表示http://bousai.jnes.go.jp/system/erss-5.htm
事故状態判断情報の表示http://bousai.jnes.go.jp/system/erss-6.htm
解析予測情報の表示http://bousai.jnes.go.jp/system/erss-7.htm

= = = = =

Rintaro 𝙉. @qu_cerca_trova

何故SPEEDIが公開されなかったのかということについて色々な情報があるが、断片的で全容が分かり難い。そもそもは隠蔽体質が主因なのだろうけど。ここの記事「 回答する記者団【情報公開】SPEEDI予測「公表できない」記載の文科省文書を見たい」が纏まっている。

2013-07-13 11:00:35
Rintaro 𝙉. @qu_cerca_trova

↓情報公開を請求した著者の書き写し。引用「翌3月16日の3役会議では、当省はモニタリングデータの提供に徹することとし、データの評価は行わないこととする、とされた。この一連でSPDI及びWSPDIの公表に関する議論になった際、(続く

2013-07-13 11:08:40
Rintaro 𝙉. @qu_cerca_trova

続き)鈴木副大臣より、当省は影響の評価は行わないことになったのであるから、評価がないSPDI等の公表は意味がないので、今後SPDI及びWSPDIの運用は安全委員会において運用・公表する、ものである、との提案があり、合意された。」引用終わり

2013-07-13 11:09:49

↑その後の話を総合すると「放出量の評価」の意味に思える。ただ「影響の評価」は別の意かも?
7/28追記:いずれにしても、「今後は文科省でよろしく」というのが大意か。

Rintaro 𝙉. @qu_cerca_trova

「データの評価」と「影響の評価」で意味が大きく異なるのかな?そうすると「評価がないSPDI」の意味はどちら?それとも第3の意味? 私には全然意味が取れないです。そもそもSPEEDIとは何かという前提からおかしいという可能性もあるのかも。

2013-07-13 11:21:56
Rintaro 𝙉. @qu_cerca_trova

リンク書き忘れていました。http://t.co/Y66KvXwkQg/先の引用で、「評価」の意味が分からない。「予測」の意か、「リスク評価」の意なのか。このタイプの事故で、全量の何割放出され得るかという評価は既にあったので、全量放出前提SPEEDIの1/10などで良かった気が。

2013-07-13 11:15:20

↑引用「WSPDIの結果は、全量一回放出の評価結果で関東および東北地方に放射性雲が流れるという結果。これらをみて、3役は一般にはとても公表できない内容であると判断。」

つまり全量放出データを見て公開できないと思ったらしい。例え事故が悪い方向に進行したとしても、全量放出はまだ先の話。当座その日、翌日の避難・防護を考えるのに全量放出は必要無かったのではないだろうか。適当な初期値で汚染の方角が読めれば良かったように感じる。

Rintaro 𝙉. @qu_cerca_trova

↓同じ視点で「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の試算について」平成23年3月23日原子力安全委員会 プレス発表http://t.co/sAk9Ky8Ncjを読むと、問題点1「試算に必要となる放出源情報の推定 に向けた検討をしてまいりました。」

2013-07-15 00:26:12
Rintaro 𝙉. @qu_cerca_trova

は、SPEEDIの出力図形の見方、原子力規制委員会http://t.co/aKgRCXEI35の説明と矛盾。「この計算から得られた実効線量の分布は、迅速な防護対策の検討に用いられます。また、緊急時環境放射線モニタリング結果と比較し、実際の放出量を推定するときにも役立つものです。」

2013-07-15 00:30:05
Rintaro 𝙉. @qu_cerca_trova

つまり、放出量が推定されていない段階での計算も防護対策に有用であるとされているのに、原子力安全委員会は試算には放出源情報の推定が必要だったと主張している。

2013-07-15 00:32:44
Rintaro 𝙉. @qu_cerca_trova

問題点2「3月20日から陸向きの風向となったため、大気 中の放射性核種の濃度が測定でき、限定的ながら放出源情報を推定できたことから」とあるが、http://t.co/ycmSTcV3htや気象データ、モニタリングデータを見ると、3/20以前にもチャンスは結構あった模様。

2013-07-15 00:35:05
Rintaro 𝙉. @qu_cerca_trova

誰が隠蔽に加担したかはまだ分からない(明らかにすべき)だが、公開の立役者は存在するだろうか?仮にhttps://t.co/MMBqa7CJaAやhttps://t.co/7C6j0vcl3bだとしても、その結果が先の問題を抱えた3/23プレス発表なのだから。

2013-07-15 00:47:40
Rintaro 𝙉. @qu_cerca_trova

20mSv問題に比べて、SPEEDI問題は相変わらず不明なところが多い。まずSPEEDIの基礎知識、今回の概略はこちら。 SPEEDI情報はなぜ、公開されなかったのか【1】http://t.co/J9Go796z33【2】http://t.co/mq2Tr9eFTR(各数ページ)

2013-07-15 11:06:38
Rintaro 𝙉. @qu_cerca_trova

関わった人の中でもいくつかのタイプに分かれ、時間経過の中で学習したり、立場を変えたりしているのではないだろうか。 1:SPEEDIの存在すら知らなかったorふりをした人 2:存在は知っていたが、平常時モード、緊急時モード、単位放出モードなどについての知識がなかったorふりをした人

2013-07-15 11:17:39
Rintaro 𝙉. @qu_cerca_trova

3:単位放出モードや全量放出を仮定した試算が防護・避難には無意味と考えたorふりをした人 2011年3月に公表されたものはこの3番目の立場のもので、全面的な公開は5月。

2013-07-15 11:18:08
Rintaro 𝙉. @qu_cerca_trova

2012年6月でも文科省は「現実をシミュレーションしたものとは言い難いと認識しており、当時の状況では適当だった」と言ったのか。何の為に例年の原子力総合防災訓練で単位放出図形を用いているのか。「SPEEDI公表遅れは「適当」文科省報告書 http://t.co/kLbKNuPDQI

2013-07-15 12:07:00
Rintaro 𝙉. @qu_cerca_trova

原発事故直後は気象データが不備だったから、シミュレーションしても結果はあてにならない、という旨の連続TWを見かけたが、http://t.co/QTxoRb1329で3/11〜25の毎時大気解析とSPEEDIが主に用いるGSM日本域を同じMAP上で切り替えられるページで確認できる。

2013-07-17 11:25:55
Rintaro 𝙉. @qu_cerca_trova

↓地上データのいくつかの欠損は大きな影響ではないように見える。もっともSPEEDIが万能ではないことはhttp://t.co/fhAQtkkDV8で指摘されている。主に「解像度の粗さ」と「計算頻度の少なさ」が問題。ただそれはSPEEDIは予報なので鮮度の大事さとの兼ね合い。

2013-07-17 11:36:25
Rintaro 𝙉. @qu_cerca_trova

↓つまり気象予報データが生成されて、送受信(量によっては時間がかかる)して、計算して発表、という作業を短時間に。ちなみに福島県が受信して活用しなかったデータはメールもFAXもこちらで公開。放出仮定時刻の30分〜1時間(時に更に遅れも)後には拡散予測を県が受信している。

2013-07-17 11:44:52
Rintaro 𝙉. @qu_cerca_trova

2010年11月に恒例の第20回目の県防災訓練(この回は福島第一原発5号機事故を仮定)が行なわれていて、このときはSPEEDI図形を用いている(用いられた図形:http://t.co/6x0QZKh3a1)。これは総合防災訓練とは異なり県が主体の訓練。報告書はネットには無さそう。

2013-07-17 13:23:05

↑第20回の情報は非常に少ないのですが、福島民放「見過ごされた「警鐘」 訓練、反省生かされず」
http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2012/03/post_3468.html
で報道されています。またこのときにもSPEEDIが使われた模様で上のリンクの通り36ページのSPEEDIによる予測図が使われた模様です。
「東京電力福島第一原発事故が起きた平成23年3月、県は1冊の報告書をまとめていた。A4判で、310ページ余り。事故から4カ月前の22年11月、大熊町のオフサイトセンターを中心に行われた県原子力防災訓練を記録している。」

Rintaro 𝙉. @qu_cerca_trova

それにも関わらず、2011年3月の事故では県が報告http://t.co/1UpEm30dsyしているように、SPEEDI試算結果の取扱い規定の不備・組織対応の不備・電子メール受信容量の制約・SPEEDI試算結果の情報共有不足・県と国の見解相違に係る詳細調査の懈怠、だけなのかな。

2013-07-17 13:26:43

= = = = =

報ステ「メルトダウン5日間の真実」より書き出し

福山哲郎 官房副長官
「『SPEEDIは正確な数値としては回していない』という報告があったと記憶している(3/15?)」

文部科学省 渡辺格次長
「かなり早いタイミングで避難指示が同心円状で出ていたので、あえて改めてSPEEDIを使うべきと進言する必要は感じていなかった。」

原子力安全・保安院 寺坂信昭院長
「放出源データが無い、わからないとなると、SPEEDIをあてにしていてもしょうがないという意識。」

インタビュワー
「どうしようもないものを45回もやる(計算の指令を出す)心理状況は?」

原子力安全・保安院 寺坂信昭院長
「避難区域が拡大していったり、ベントの作業をするとか、何かの時に役に立つとかそういう意識だったのではないか。」

ナレーション
「仮の数値(放出量)を入れたSPEEDIは使い物にならなかったとする保安院」

原子力安全・保安院 寺坂信昭院長
「官邸からSPEEDIをと(要請が)来れば出していると思う。指示がきて出さないというのはない。」

朝日新聞 上地兼太郎記者
「SPEEDIが計算のシステムとしては動いたいたが、それを扱う人間の方に問題があった。」

ナレーション
「SPEEDIは過去の訓練の度に使われてきた。」

= = = = =

この番組を見る限りでは、保安院は少なくともSPEEDIに対して正しい認識を持っていなかったようである。ただ、それは保安院独自のもなのか、他から由来したものなのか?

文科省も腑に落ちないことを言っている。日頃の原子力総合防災訓練などでSPEEDIを使うときに、近距離の避難こそ同心円ですることはあっても、ある程度の距離からはSPEEDIの単位放出図形に沿って汚染が予想される方角のみ屋内退避にしているケースもある。同心円に避難したからSPEEDIの必要性が減ったというのは、過去の訓練実績と矛盾する。おそらく本音は、ここまで事故が拡大するとは認識していなかった、ということではないだろうか。