ワン・ガール、ワン・ボーイ #4

日本語版公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 書籍版公式サイト http://ninjaslayer.jp/ ニンジャスレイヤー「はじめての皆さんへ」 http://togetter.com/li/73867
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ニンジャの女とは実際珍しい」ダチュラが言った。装束に巻き付くチューブの中を蛍光色の液体が葉脈めいてめぐり、ポタポタと地面に滴り落ちる。「薬物でしっかりやろう」「だな」ポリスティナエが頷く。その両肘と両膝から危険なニードル状の武器が展開した。キングピンは注意深く間合いを離す。22

2013-08-10 00:36:21
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「最初に攻撃を当てた奴が優先前後だぞ。いいな?」とポリスティナエ。キングピンは頷いた。「好きに……」「イヤーッ!」ドウ!ブレイズの眼前に火の輪が出現した。ブレイズは跳び、その輪をくぐると、一瞬にしてキングピンの真正面に出現していた。拳がキングピンの鼻面を捉えた。「グワーッ!」23

2013-08-10 00:38:18
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

不意をつかれ、尻をブレイズに向けてうつ伏せに倒れ伏すキングピン!ダチュラが跳びかかる!「イヤーッ!」毒液したたる両腕がブレイズに伸びる!「イヤーッ!」ブレイズは手の平からジェットじみた炎を放ち、その勢いで強烈な肘打ちを繰り出した。「グワーッ!」そこへポリスティナエが迫る!24

2013-08-10 00:40:10
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」ブレイズはポリスティナエに蹴りを繰り出す!「イヤーッ!」ポリスティナエは紙一重でこれを躱すと、ブレイズの脇腹にニードルを突き刺した。「グワーッ!」さらに前蹴り!「イヤーッ!」ブレイズは躱そうとするが、遅い!「グワーッ!」吹き飛ばされ、金網に衝突! 25

2013-08-10 00:43:54
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「どんどん回るぞ、毒がな」ポリスティナエは余裕ある口調で言った。「なかなかのカラテをしていやがった」ダチュラは首をボキボキと鳴らしながらブレイズに近づく。「そうだぞ、油断ならねえんだ、そいつ」キングピンは起き上がり、警棒を再び手にした。「油断するんじゃねえぞ。油断はダメだ」26

2013-08-10 00:46:04
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「その物言いは俺の麻痺毒を愚弄することになる」ポリスティナエは肩をすくめた。「見ろ。目もうつろだ。効いている。あとはダチュラの薬物でしっかりやるだけだ」「フン」キングピンは鼻を直しながら、「とにかくちゃんとやれ」と言った。ダチュラがブレイズの首を掴み、金網に押し付けた。27

2013-08-10 00:49:28
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

長身のダチュラはブレイズの身体を上へ吊り上げる。両足が宙に浮いた。無力である。朦朧とする意識の中、ブレイズはダチュラの手首を掴み、抵抗しようとした。「無駄だ」とダチュラ。チューブが生き物じみて鎌首を擡げ、先端の針で頸動脈に注射しようとする。ブレイズは呻いた。「ナメるなよ……」28

2013-08-10 00:53:00
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

三人のニンジャはゲラゲラと笑った。ブレイズは意識を保とうとつとめた。憤怒を燃やせ。アタシはニンジャだ。諦めるな。侮らせはしない!二度と!彼女のニューロンがスパークし、ニンジャソウルと闘争心が深く繋がった。その瞬間!「グワーッ!?」ダチュラが悲鳴を上げる! 29

2013-08-10 00:58:31
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

彼女の手はマンリキめいた力を取り戻した。ほんの一瞬のことだった。だが、十分だった。千切れるほどのニンジャ握力で、ダチュラの手首を握りこんだ。怯んだダチュラは高く吊り上げていた彼女を地におろした。彼女は踏み込み、その顔面を思い切り掴んだ。「イヤーッ!」「アバババーッ!?」30

2013-08-10 01:00:38
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

痙攣しながらダチュラは頭を抱え、後ずさる。ブレイズは地面に膝をついた。「イヤーッ!」そこへ襲いかかるポリスティナエ!肘のニードルを繰り出す!「イヤーッ!」「何?」キングピンが怪訝そうに片眉を上げた。「グワーッ!」ポリスティナエは横腹を蹴られ、金網に叩きつけられた。ダチュラに!31

2013-08-10 01:04:33
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「てめェ!」キングピンが駆け寄る。「イヤーッ!」ダチュラは振り向きざまにその鼻面へパンチを叩き込む!「グワーッ!」不意をつかれたキングピンはキリモミ回転!尻を向けてうつ伏せに突っ伏した。「何しやがる!?」「何ッてお前……ヘッ」ダチュラは鼻で笑った。「インガオホーだぜ」 32

2013-08-10 01:09:58
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ウヌーッ!」ポリスティナエが金網から身をもぎ離した。目の前には体制復帰したブレイズが立っていた。カッと見開いた両目には憤怒の炎が燃え、その肘先は白熱し、焔を噴き出していた。彼女は口の端を歪めて笑い、拳を握りこんだ。「やるよな?オイ」「貴様……」「イヤーッ!」「グワーッ!」33

2013-08-10 01:13:43
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」ブレイズはジェットじみたパンチを繰り返し叩きこむ!そのたびポリスティナエは金網に叩きつけられ、バウンドして戻り、再びパンチを受ける!「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」34

2013-08-10 01:17:28
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「オイッ!」殴りながらブレイズはダチュラに向かって叫んだ。「どうやって出てきた?イヤーッ!」そしてポリスティナエを殴る。「グワーッ!」「さあな」ダチュラは答えた。「考えるのは後にしようぜ」「そっち、抑えとけよ!」「ああ任せとけ!」ダチュラはカラテを構えた。「調子イイぜ!」35

2013-08-10 01:21:08
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「テメェー」キングピンは警棒で警戒する。「ダチュラ=サンじゃねえな。テメェー」「ああ違うね」ダチュラは……否、そのニンジャは不敵に頷き、あらためてアイサツした。「俺はシルバーキーだ」 36

2013-08-10 01:23:41
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

【ワン・ガール、ワン・ボーイ】#4 終わり。#5 に続く

2013-08-10 01:24:22