ネオサイタマ・シティ・コップス #3

日本語版公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 書籍版公式サイト http://ninjaslayer.jp/ ニンジャスレイヤー「はじめての皆さんへ」 http://togetter.com/li/73867
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「このクソを殺すぞ!ルーキー!」デッドエンドが吐き捨てる。いまや前後から挟撃する形となった49課のニンジャ二人は、フレイムタンに警棒攻撃を行う!「イヤーッ!」「イヤーッ!」「ハイヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「ハイヤーッ!」前後の敵を同時に捌くフレイムタン!スゴイ! 90

2013-08-20 01:49:12
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

またフレイムタンは二対一カラテの中で、狡猾に周囲を観察していた。必死に転げ回って火を消し、立ち上がろうとしているタフガイの存在に気付いたのだ。(((……NSPD49課が、ニンジャを複数擁している……!)))。それに気付いたフレイムタンが次に取るべき行動は明らかだった。 91

2013-08-20 01:53:46
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ハイヤーッ!」彼は重い前蹴りで女ニンジャを突き放してから、弱敵と判断したナカジマと1対1の状態を作る。あとは簡単だった。「ハイヤーッ!」「グワーッ!」炎を纏ったショートカタナで、盾を持つナカジマの腕を切断してから「ハイヤーッ!」「グワーッ!」返すカタナで上半身を切り裂く! 92

2013-08-20 01:59:10
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

妖しいカトンの炎が傷口にまとわりつき、激しく燃え上がる!何たるカラテ力量差か!ベイビー・サブミッションにも等しい!「グワーッ!」ナカジマは全能感を瞬時に打ち砕かれ、再び死亡寸前ゴキブリめいて転がった!このまま殺し切る事もできただろう。だがフレイムタンはその時間すら惜しんだ! 93

2013-08-20 02:02:46
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ハイヤーッ!」彼は連続バック転を決めて壁のガラス穴を抜け、ほぼ廃墟へと変わったスコシ・シャンハイへと消えてゆく!「有線電話か…!イヤーッ!」デッドエンドは敵の狙いを直感的に悟り、フレイムタンの後を追った!組織の秘密がアマクダリに露見するウカツは、何としても避けねばならぬ! 94

2013-08-20 02:07:27
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ハイヤーッ!」フレイムタンは連続側転を決めて円卓の上に着地し、有線電話へ手を伸ばす!「クソめ!逃がすか!」BLAMBLAM!デッドエンドの苦し紛れのマグナム銃射撃が、有線電話端末を破壊!(((成る程、よほど露見が嫌と見える)))だが彼にはまだまだ手がある!「ハイヤーッ!」 95

2013-08-20 02:12:57
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

フレイムタンはバズーカ砲撃で空いたビル窓の大穴から飛び降り、垂直壁面を駆けた!「ハイヤーッ!」「ハァーッ!ハァーッ!」デッドエンドは歯を食いしばり追跡する。敵はこのまま無線IRC死亡領域から脱出し、ハンズフリー無線IRCで報告を行うつもりだろう。それが最も効率的な方法だ。 96

2013-08-20 02:16:17
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

降りしきる重金属酸性雨。彼方には、巨大な大型コケシ電波塔が、デッドエンドの努力を嘲笑うかのように聳え立つ。だがこの時、フレイムタンもデッドエンドも気付くはずは無かった……その頂で一人のニンジャが腕を組み、直立不動の姿勢で立っていた事を! 97

2013-08-20 02:24:14
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」ジゴクめいたカラテシャウトとともに、その赤黒のニンジャはコケシ電波塔の頂からイナズマのごとく飛び降りた。そして高層ビルからビルへ、カンバンからカンバンへと跳び渡り、無線IRC死亡領域から圏外へと今まさに脱出しようとしていたフレイムタンの前に着地したのだ。 98

2013-08-20 02:30:12
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ドーモ、フレイムタン=サン、ニンジャスレイヤーです」そのニンジャは死神めいた声で言い放った。「ドーモ、ニンジャスレイヤー=サン、フレイムタンです。何故、俺の名を……!」「オヌシらアマクダリ・アクシスには色々と聞きたい事がある。洗いざらい喋ってもらおう……その後に、殺す」 99

2013-08-20 02:35:29
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ハァーッ……ハァーッ……ニンジャスレイヤー……」デッドエンドは二つ隣のビル屋上でへたり込み、歯嚙みしていた。両者のカラテシャウトが遠ざかる。フレイムタンは組織との通信を優先し、必死で逃げてゆく。先程までは49課の情報を伝えるためだったが、今は、救援を呼び生存するために。 100

2013-08-20 02:41:46
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ハァーッ……ハァーッ……何がニンジャスレイヤーだ……クソめ……ふざけるなよ……突然出てきて……こっちの獲物だ……49課が……狩り殺す……」デッドエンドは息を整え、再び追跡を開始する。だがノイズ混じりにノボセからのIRC通信が飛び込んできた。「追うな、デッドエンド=サン」 101

2013-08-20 02:44:48
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ハァ?何を……?」「そのニンジャは確かにニンジャスレイヤーと名乗ったのだな?……ニンジャスレイヤーは実在する……今はそれだけでよい。追うな」「しかし」「危険すぎる。また我々が得た断片情報が全て真実ならば……そのニンジャは必ずや狩り殺される……ネオサイタマの死神にな」 102

2013-08-20 02:49:58
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

暗い司令ルームに陣取るノボセ老は、ネオサイタマ炎上にまつわる機密ファイルを開き、ニンジャスレイヤーとナンシー・リーに関する不確かな情報を再び改めた。これで何度目か。しかし今回ほど伝説に近づいた瞬間は無かった。「デッドエンド=サン、今はもうひとつ、なすべき任務があろう……」 103

2013-08-20 02:53:13
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ハァーッ……ハァーッ……」ナカジマは階段の踊り場で仰向けに横たわる。タフガイが注入してくれた鎮痛剤も切れてきた。頭上でバチバチと電子ボンボリが明滅し、錆びた排気ファンが軋んだ音を上げる。タフガイは白目を剥いて気絶し、隣では蛍光緑色のネオンキンギョが口を開いて死んでいた。 105

2013-08-20 02:58:24
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ナカジマの体は動かず、ニンジャ聴覚だけが異常に冴え渡り始めた。自分とタフガイの心音に加えて、定期的な足音がふたつ、下階から近づいてくる。時折、負傷していると思しき男の呻き声も聞こえる。誰だ、と言おうとしたが、ナカジマにはその力も残っていなかった。 106

2013-08-20 03:04:31
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

敵が掃除に来たのならば……打つ手無し。ナカジマは覚悟を決め、下階の暗がりを見つめていた。暗闇の中にモンキー・オメーンが浮かび上がり、スーツ姿の男が階段を登ってくるのが見えた。だがその男は銃を抜こうともせず両手を後ろに回したままであった。 107

2013-08-20 03:07:20
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ハァーッ……ハァーッ……おい、ルーキー……こいつで合ってるな?」後ろから、面倒くさそうにマグナム銃を容疑者のこめかみに押し当てるデッドエンドの声が聞こえた。そして……BLAMN!オメーンだけが吹き飛ぶ。「アイエエエエ…」副課長は静かに失禁した。「ハイ」ナカジマは答えた。 108

2013-08-20 03:13:52
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

デッドエンドは手錠を嵌めた黒幕を下の踊り場に死なない程度に蹴り落とすと、ふらふら階段を上り、血の海の踊り場で仰向けに倒れた。背中の下でネオンキンギョがつぶれた。「……オイ!もうすぐ救援が来るからな!帰りにケバブでも食うぞ!」「……ハイ、ヨロコンデー」隣でナカジマが答えた。 109

2013-08-20 03:20:08
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

【ネオサイタマ・シティ・コップス】終わり

2013-08-20 03:20:59
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