特定秘密保護法案、提出検討に至る過程のまとめ―インテリジェンス改革の視点から―
自民党の「インテリジェンス・秘密保全等検討プロジェクトチーム」が始動し、「特定秘密保護法案」の臨時国会への提出が検討されているという報道が流れました。
2013-09-11 19:48:22「特定秘密保護法案 議論スタート」(https://t.co/NBF1bossvV) 「自民党秘密保全PTの座長に就任しました」(http://t.co/YZ40id0CYt)
2013-09-11 19:50:45「秘密保護法案の概要、政府が自民PTに示す」(http://t.co/RKroSep4Wd) 「安倍政権動き急 秘密保全法案の闇」(http://t.co/CApNdmLbsE)
2013-09-11 19:52:05機密保護法制の整備は、日本のインテリジェンス関連の提言や文書の中で、どのように言及されてきたのか、ネットソースを中心にまとめてみようと思います。
2013-09-11 19:55:58「インテリジェンス・秘密保全等検討プロジェクトチーム」の座長に就任した町村信孝氏は、恐らく日本政界最大のインテリジェンス通です。
2013-09-11 20:01:12町村氏は、外務省の「対外情報機能の強化に向けて」と自民党の「わが国の情報能力等の強化に関する提言」「国家の情報機能強化に関する提言」、3つのインテリジェンス関連の提言書に関わったほか、官房長官時代には、「情報機能強化検討会議」の議長を務めていたこともあります。
2013-09-11 20:03:19また、情報史研究会・PHP総研が主催した政策シンポジウム「日本型インテリジェンスの模索」(http://t.co/UzXQFCPcK5)にパネリストとして参加するなどしています。
2013-09-11 20:05:07『国際関係における「インテリジェンス」の文化史的考察 小谷賢 研究助成 サントリー文化財団』(http://t.co/n55YlaRbaU) 町村氏のインテリジェンス関連の話題については、以下も参照してください。
2013-09-11 20:07:34「インテリジェンス機能強化への動き 研究員コラム 金子将史」(http://t.co/589FkLw9yu) 『町村信孝オフィシャルホームページ「町村語る!」 今、日本にはインテリジェンス能力が必要です』(http://t.co/s2bl925jb3)
2013-09-11 20:09:38検討PT座長の、町村氏の話題についてはとりあえずこれ位にして、ここ最近の、機密保護法制についての提言や文書を振り返ってみましょう。
2013-09-11 20:13:58(最初から脱線して恐縮ですが)機密保護法制とは直接関連はありませんが、1997年12月の「行政改革会議」最終報告(http://t.co/lAa2nZe4g8)が注目に値します。
2013-09-11 20:17:42この報告では、「情報と政策の分離」や「情報コミュニティ」の考え方を確立するという文言があります。 (この報告を受けて)翌1998年10月には、内閣情報会議が新設されました(落合浩太郎編著『インテリジェンスなき国家は滅ぶ』金子将史著「相応の"実力"を持てるのか―日本」p.311)。
2013-09-11 20:22:122000年10月には、「アーミテージ報告」が出されます。 PHP総研「日本のインテリジェンス体制」によれば、この「アーミテージ報告」は、インテリジェンス面では以下のことを求めました。
2013-09-11 20:26:13“日米がインテリジェンス分野でも協力を進めるべきとした上で、日本政府に対し、日本政府内での情報共有の促進と、インテリジェンス活動への国会関与と並んで、秘密保護法制立法化のために国民的・政治的支持を得ること”
2013-09-11 20:27:57自民党は9・11同時多発テロを受けて、党内にインテリジェンスについての研究チームを設置し、2002年に「わが国の情報能力等の強化に関する提言」を取りまとめました。 この提言の存在自体は、複数のソースから確認できますが、少なくとも、ネット上には公開されていないようでした。
2013-09-11 20:32:192004年10月、「安全保障と防衛力の整備に関する懇談会」報告書(http://t.co/nR4m5It8OK)が発表されます。 この報告は、「情報の保全体制の確立」と「機密情報漏洩時の罰則強化を検討」すべきとしています。
2013-09-11 20:34:112005年4月、町村外務大臣により、対外情報機能強化に関する懇談会が開催されます。 そして同年9月、「対外情報機能の強化に向けて」(http://t.co/ZKGEGfRQl7)が発表されます。
2013-09-11 20:36:56懇談会参加者が豪華ですね。 元・内閣情報調査室長の大森義夫氏、軍事評論家の江畑謙介氏、元・外務省国際情報局長の茂田宏氏など。 この提言では「秘密保全措置」は、“政府部内の情報共有、更には諸外国情報機関との効果的な情報協力の基礎となる最重要課題の一つ”と位置付けています。
2013-09-11 20:38:42また、“秘密保全に関する法体系が未整備である現状は、情報が漏洩される危険性のみならず、国内外の関係機関間の情報共有を妨げる大きな要因ともなっている” “秘密保全の法体系の整備は、国家として必要な情報の共有、総合調整を可能とする必要条件”とも指摘しています。
2013-09-11 20:41:02その一方で、“秘密保全に関する法体系を整備するに当たっては、情報公開の視点を忘れてはならず、秘密の解除基準をも併せ明確に定める点が必要”としています。
2013-09-11 20:42:32