【腐あり/作品集】 宝玉獣、琥珀おじ、翡翠兎、他タグまとめ
それさえ尽きた時、彼らの瞳は白く濁り、何も映さず何も生み出さないものとなってしまう。そうなれば何の価値もないとばかりに殺される未来しかない。一度捕まった彼らが無事元の住処へ戻る確立はゼロに等しい。そうなる前に、助けたかった。かつて自分を救ってくれたこの男を。 #琥珀おじ
2013-10-04 11:47:44初めて自分から、彼が声をかけてくれた。それが嬉しくて僕は笑う。「もうあなたを泣かせたくなかったから」涙が瞳の色の宝石に変わる彼ら。けれどそれは無限ではなく。やがてその目は限界を訴えるように赤い瞳にかわっていく。赤い瞳から流れる赤い涙は血玉に。 #琥珀おじ
2013-10-04 11:45:49「僕が買います」俯いていた彼の顔が上がった瞬間そう言っていた。価値の下がる赤眼手前にそんな値段を、と笑う声を振り切って、僕は場にそぐわないほど静かな瞳のおじさんを連れ帰った。そうして何をするでもなく、ただ共に過ごす日々が過ぎて。「何で俺を買ったんだ?」 #琥珀おじ
2013-10-04 11:43:13涙が宝石にかわるという、希少な種族。人権すら与えられない彼らは見つかればすぐさま捕えられとんでもない値段で売りに出される。そんな中、オークションの壇上に現れた男は比較的安価で周囲も色めきたった。値段の理由はすぐに分かった。琥珀を生む男の瞳は赤味がかっていたのだ。 #琥珀おじ
2013-10-04 11:38:55「特定の条件下で発した声が宝石になるネクスト」って君たちまた変なものかけられて。で、特定の条件っていうのは分かったの? 何これ。琥珀に翡翠? へえこれが君たちから出来た宝石なのね。で、条件は? なんで二人で赤くなってるの。わからなきゃ出動許可出せないんだよ! #琥珀おじ #翡翠兎
2013-10-04 10:44:09俺の恋人は泣き虫だ。「貴方以外の前では泣きません。“喜びの涙”が宝石になる魔法なんです」じゃあこれならどうだ?銀のリングを差し出して膝を折る。愛しの王子様、どうか受け取って。二度と泣かせないと誓う嘘つきの俺を受け入れて。歪ませた目元から零れ落ちたのは、瞳と同じ翡翠の宝玉。#翡翠兎
2013-10-04 09:55:43鉄格子の隙間から小鳥の囀り。痛む身体を引き起こして、琥珀を一粒差し出すと、交換のように一粒の翡翠を俺の掌に残して、小鳥は飛び去った。一粒の貴石がお互いにまだ生きているという証。何度も指先で撫でてから、牙で噛み砕き飲み込む。石に込められた精髄が互いの命を繋ぐ。 #琥珀おじ #翡翠兎
2013-10-04 09:45:11天井を彩る極彩のステンドグラス。外から砕かれたそれが檻の小部屋に宝石のように舞い落ちる。玻璃、紅玉、瑪瑙、水晶…その光の雨に混ざる、見紛う方無き琥珀の粒。ああ、泣かないで愛しい貴方。たとえ縄で、鎖で、薄汚い手で縫い止められていようとも、僕は身も心も貴方のもの #翡翠兎 #琥珀虎
2013-10-04 09:41:22#琥珀おじ だいぶ前にかいた落書きです。涙が琥珀になる〜ってのは、コメントでなんさんとやり取りして後付けした設定ですが(^◇^;)イメレスで、なんさんがSS書いてくださいました! http://t.co/VbkhfIYAMo
2013-10-04 09:33:26僕の流す翡翠を目当てに、天を刺す塔を登る卑しい者共。ああ、涙が欲しいなら好きにするがいい。けれどどんなに縛ろうとしても無駄な事。僕の身も心も、とっくの昔にあの人のものなのだから。至上至福の涙はあの人の為だけにとってある。ああ、早く迎えに来て。僕だけの琥珀の貴方 #翡翠兎
2013-10-04 08:59:24今朝も今朝とて俺よりでっかく育った兎が、鼻をひくひくさせながら俺の周りをうろつき回る。かと思えば背後からがっしり抱きつき、頭に顎を乗せられた。俺が仕事に出るのが気に入らないのだ。可愛いが働かねば食っていけない。ガシガシと頭をなで押しのけるとダン!と足踏みされた。 #翡翠兎
2013-10-04 07:34:58ようこそ紳士淑女の皆様!さあさあご覧あれ、東洋の神秘か神に愛されたこの男。余りに優しい心を持った為に悲しみの涙が琥珀に変わる!悲劇を語り聞かせるもよし、鞭打つもよし。この男をより多く泣かせた者が今宵の王となるのです。さあ我こそはという方はいらっしゃらないか! #琥珀おじ
2013-10-04 01:04:33琥珀おじタグで呟いたものににくをつけて140文字から2000文字にしただけのもの Amber eyes | まむ #pixiv http://t.co/u7yILFTkkD #琥珀おじ
2013-10-04 00:49:45真実愛する人を想って涙を溢すとき、それは宝石となる。そんな言い伝え信じたわけじゃないけれど。時折、貴方の部屋の片隅に輝く琥珀の欠片。彼女の為のものでしょう?なのに今、僕の頬に胸にぽろぽろ溢れる蕩けるような黄金色。どうして。信じていいんですか、愛してるだなんて。 #琥珀おじ
2013-10-03 23:43:40「望むところだ!」と胸を叩く俺にあいつはただ苦笑するだけだった。そんな風に始まった俺たちが、バディになるのはもう少し後のこと。そしていつの間にか俺よりデカくなりやがった兎に俺が喰われるのはさらに先の事だった。納得いかねぇぇぇぇ! #翡翠兎
2013-10-03 23:30:12牢に繋がれ項垂れた褐色の男。懐かしい声に呼ばれて顔を上げ、琥珀の瞳から同じ色が零れ落ちる。「バニー、どうして…?」自分を売った筈の、金の髪と翡翠の瞳を持つ青年が琥珀を拾い上げ、優しい笑みを浮かべる。「養父が勝手に貴方を売ってしまったんです…随分探しましたよ、愛しい人」 #琥珀おじ
2013-10-03 23:26:19「虎のマークの運び屋のモットーはお客様に満足を!なんだよ。満足してんのかよ!」してないと言えよ!睨み付ける俺にあいつはやれやれとため息を吐いた。今度の石は小さいが輝きが違う。「では連れて行って貰いましょう、僕の望みの地へ」「おぅ!」この先の道がどれ程険しかろが知った事か!#翡翠兎
2013-10-03 23:22:57「嘘吐き兎!こんな更地がお前の望む地な訳ねぇっ!」怒鳴る俺にあいつは嗤う。「望む場所?もうこの世の何処にもありませんよ」「へぇ、諦めるのか。翡翠兎ともあろうものが」あの瞳が曇るのが許せなくて俺は煽った。「見付かるまで付き合って下さるとでも?」何も期待しない瞳に俺は頷く。 #翡翠兎
2013-10-03 23:13:40山あり谷あり野山を越えて、たどり着いたのはあいつの生家だ。だがそこは既に更地になっていた。「お、おい!」どういうことかと青くなる俺を余所に、あいつはひとつ大きなため息を吐く。ころりと転がるひときわ大きな翡翠玉。「今までありがとうございました。これが報酬です」ふざけるな! #翡翠兎
2013-10-03 23:07:06浅瀬にしどけなく座る姿に思わず近づいた。所々きらきらと光る鱗らしきものもある。茫洋とした面に手を添えると彼ものろのろと手を伸ばしてきた。指の間には薄く膜の様なものが見えた。「話せますか?」問いかけにもその唇から音が漏れる事は無かった。彼こそ琥珀を生むという稀有な存在 #琥珀おじ
2013-10-03 23:02:20彼は僕の大切な人、救ってくれた恩人。僕は館を脱出するためだけに彼の愚かしいほどの優しさを利用した。…だがいつの間にか彼を愛してしまった。離れることなど出来やしない。僕のために罪を背負った彼、せめて石を売って楽な生活をしてほしい。でも彼は売らない。僕はただの役立たずだ。 #翡翠兎
2013-10-03 22:53:01だからお前は知らなくていい。そんな事を思った時もありましたってもんだ。まぁこの兎ちゃんったらキツいは激しいわお子様だなんて思った俺がバカでした。でもその本性がわかって尚、手放せない俺の方が処置無しなんだけどな。なので結論は変わらない。お前をお前の望む地に運ぶのが俺の仕事。#翡翠兎
2013-10-03 22:28:24琥珀の涙を流す男の管理は簡単だ。心を通わせず、彼の泣く姿に心を痛めなければ良いだけだ。悲しむ姿は見世物に。零れる琥珀は売物に。「…嫌なら辞めるかね」こっそりと声を掛ければ、寂しそうに笑う。「優しいっすね、あんた」「…」どうやら、私には向いていないようだ。 #琥珀おじ
2013-10-03 22:24:26いまや討手の心配は無用だろうが、用心に越したことはない。不満気に俺を見下ろす兎の頭には耳を隠す藁帽子。 本当ならば、主の館にいたならば。服は絹、靴は鹿革。移動は全て輿に乗り、真っ白な手にあかぎれなど一つも無かっただろう。こいつは、館にいた方が幸せだったのかもしれない。#翡翠兎
2013-10-03 22:24:24