舞鶴漣日記まとめ３

シダケイジ🏢・😺⚓️ @shi_dakg

昼前に工廠に行くと夕立が妖精さんたちとなにか話していた。妖精さんたちはごにょごにょとしか聞こえないが夕立には普通に聞こえるらしい。「えー！ぽいぽいー！」なにが？ #舞鶴漣日記

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出かける前に建造をと思い資材投入指示をパネルで操作していると後ろに天龍が居た。せ、戦艦レシピはまわさねえよぉ…ほんとだよぉ…。 #舞鶴漣日記

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なんかやたらと頭が重いしぞわぞわするしふらふらする。と思ったら背中に深海棲艦の残骸がひっかけられてた。恐らく駆逐艦なのだがなんだこれ。漣、漣とってこれ、漣！？写メ撮ってないで漣！！！#舞鶴漣日記

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提督の悲鳴を聞きつけた朝潮か走ってきて取ってくれた。危うくいい歳こいて床に転がって泣き喚くところだった。「ご主人様ったら、そんなのでびっくりしちゃうなんてまだまだですねー」いやあれはビビるだろ。はじめて見た時みたいに腰抜かさなかっただけ褒めて欲しい。 #舞鶴漣日記

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羽黒がかわいいよときいて羽黒そだてっかーとなったものの妙高型の部屋に足柄さんしか居ない。あれ？「この前改修で使ってたの覚えてないの？」えっあっ。#舞鶴漣日記

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起床して執務室から出ると廊下の隅になんかうずくまってた。北上さんだった。大井が目の前で沈んでから元々ぼんやりしてたのが更にひどくなっている。 #舞鶴漣日記

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あの、北上さん？「………」饒舌であるらしい北上モデルにしては珍しく、うちの北上さんは拾う前になにかあったのかうちの大井を見てもなにも言わなかったし魚雷おもてーわーやべーわーも言わなかった。ただ無表情であった。#舞鶴漣日記

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沖ノ島での戦闘訓練の時だった。ようやく北上さんが改になったので、二隻そろって出撃出来ると喜んでいたのを覚えている。そして、北上さんもそんな大井を見て満更ではなさそうだったことも。 #舞鶴漣日記

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同時に被弾、しかし練度の高いはずの大井が大破——庇ったのかと気付いた時、大井からの通信が入った。「提督、ごめんなさい。私じゃあの北上さんと並んで戦えないかも知れません」何を言ってるんだ。「あの北上さんには、別の大井がきっと居たんだわ。私、そんなことも…」#舞鶴漣日記

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「提督、北上さんのことよろしくお願いしますね」轟音と共に最後の通信が終わり、しばらくして夕立から大井が沈んだとの報告が入る。帰投を命じてから、うんざりしたのを思い出す。何度味わってもやり切れない。何を学んだつもりになっていたのか自分は。 #舞鶴漣日記

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帰投してから北上さんはなんか置物みたいになってた。以前は秘書艦にすれば最低限挨拶はしてくれたのに、今はそれもない。「しばらくそっとしておいたらどうです、ご主人様？」そっとしておきたいのは山々なんだけど気付くと視界の端に居るんだよ。心霊写真か。#舞鶴漣日記

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執務室のドアを開けるとなんかひっかかった。覗き込むと北上さんだった。本気でビビって「ンフウウウウwww」みたいな声でたし腰抜けた。あっごめんね北上さん起こしてくれるの。ありがとう。 #舞鶴漣日記

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妖精さん達が兵装の点検をしている。聞くと、気温の変化で出来た結露や凍結に気付かないでいるとあとあと重大な事故になるのだそうだ。こっちが素人だからとかいつまんで説明してくれたのか図がえらい簡単なことになってる。でも伝わるあたり妖精さんの伝達術すげえ。 #舞鶴漣日記

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北上さんが元々抜け殻のようだったのが抜け殻そのもの、というか置物になってしまったので、新しい大井が出来たら記憶同期でもしてやればまだなんとかなるかなと思ったが、どうもそう簡単にはいかないらしい。北上さんの安定剤は、どうやら大井であったようなのだ。 #舞鶴漣日記

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いつだったか青葉モデルは大抵取材の模倣行為によって、艦娘としての精神バランスを保っていると述べた覚えがあるが、北上、大井などの姉妹艦モデルはお互いがお互いを支えとすることで精神バランスを保つものがおおい。 #舞鶴漣日記

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そして、例に漏れず北上さんもそうであったのだろう。北上さんのいない大井はちくちくと提督をいじめることで精神バランスを保っていたが、この北上さんは拾い物だ。恐らくは彼女の支えとなっていた大井は、彼女がここに来る以前に沈んだのではないだろうか。 #舞鶴漣日記

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北上さん、大井が新しく来たらどうする。目の前で姉妹艦を沈めるような指揮をしたんだ、出来ることはしよう。「…あの、さー…」北上さんが戦闘以外で喋るのは、いつ以来だろうか。使われていなかった声帯ががさついた声を鳴らす。「別に、いいよ。あたしに気を、つかわないで」 #舞鶴漣日記

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「あたしが強くなりたくなかったから、出撃を拒否してたんだもん。大井さん…大井っち…は、あたしの改造を喜んで、それで無理して…」なんかこの北上さん人んちで作った味噌汁みたいなこと言い始めた。あの魚雷レズのバックアップに残ってた隠し撮りメモリは隠しとこう。 #舞鶴漣日記

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お前は悪くないよ悪かったな、気持ちの整理がつくまで訓練組の手伝いを頼む、と言うと、北上さんはぽろぽろと涙を流す。排水という単語が過ぎってまことにもうしわけない気持ち。 #舞鶴漣日記

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北上さんは気持ちが落ち着いたら訓練に出てくるようにと伝え、執務室に戻る。すると、天龍が居た。 #舞鶴漣日記

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遠征はどうしたお前。「さっき戻ってきたんだよ、気付けよなぁ。全くよ」その割に帰投ブザーが静かだったんでな。気付けないだろうさ。「そうかい」吐き捨てるように笑って、天龍が書類を投げて寄越す。クリップでまとめてない書類は投げるなって言ってんのに。 #舞鶴漣日記

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書類を拾い集めると、北上さんの前の鎮守府のデータだった。お前どこで見つけてきたんだこんなの。「伊達にメカっぽいパーツつけてねぇよ」メカっぽいけどさ！理由！どこ！理由！！ #舞鶴漣日記

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「んだよ、提督が気にしてたっぽいから調べてやったのによ。龍田が」龍田がかよ。 #舞鶴漣日記

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曰く、北上さんは前の鎮守府で相棒だった大井を自分で沈めた経歴があるらしい。ていうかなんでそんなのわざわざデータにしてんだ。査察入ったら不従順で降格になるだろ。「さぁなぁ、俺も龍田もその辺はどうでもいいからよ」言う割に、頼んでもないのによく調べてくれたもんだよ。 #舞鶴漣日記

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「いやぁ別に、俺らはちょっとした見返りがあればなんも言わねぇよ？」にひひと笑って手を出す天龍に、無言で間宮の食券を二枚渡す。ここでケチるとあとあとそれが自分の背中を刺すことになりかねない。「やーりっ提督サンキュー！」他の連中には内緒にしとけよ頼むから！ #舞鶴漣日記