心理学から見た記憶術
- psycho_tan
- 17778
- 1
- 4
- 4
この様にセットで覚えることって結構重要よね。 物を整理する時も、同じような種類のものは同じ場所にまとめた方が効率がいいし、同じ知識でもAさんBさんは発達心理学者、Cさんは社会心理学者って覚えた方が思い出しやすいもの。
2013-12-23 21:06:17単語を覚える時は、文章を作るなど覚えやすくするためには色んな情報を付加すると効果的よ。でも、付加する情報が不適切でその単語以外の単語でも作れてしまう文を作ると効果が薄いのよ。「太った男性がつり橋の注意を読んでいた」って感じね
2013-12-23 21:11:42また、覚えたいものに対しての情報付加は自分ですることが効果的なのよ。自己生成効果って言って、他人から付加する情報を与えられるより再生成績が良くなるの。やはり、自分の中で情報を付加した方が、付加した情報と元の単語の結びつきが自分の認知機能に適合しているものね。
2013-12-23 21:17:06さて、具体的な手法についてまとめるわね。さっき、体制化する事が大切だってまとめたけれど、瓜につめあり、爪につめなしって聞いたことないかしら? このように、項目間の規則性をリズムに乗せて覚えることを音韻法っていうの。
2013-12-23 21:24:44他にも、MARCHは知ってるわよね? 東京の有名な私大の頭文字をまとめたものよね。このように、単語の最初の文字を並べて意味の通るように並べ変えることを頭字法というわ。
2013-12-23 21:27:58A, B, C, ..といった項目の順序がっ重要な場合はAとBをイメージで結んで、次にBとCをイメージで結ぶといいわ。こういった方法を連結法というのよ。
2013-12-23 21:31:23ペグワード法といって、one,two,threeといった数字とよく似た音の単語one=bun,two=shoeを覚えておいて、記憶したい項目とそれをペアで記憶するのよ。
2013-12-23 21:33:46補足・日常場面における記憶研究
みんな、逆転裁判ってゲームやったことあるかしら? あのゲームででてくる証人の方たちって、意図してウソをつかなくても思い込みで話してたりするわよね。別に、彼らが特別記憶力で劣ってるわけじゃなくて、結構こういう記憶の歪みって日常生活では起こる事なのよ。
2013-12-25 21:30:22というわけで、日常生活における記憶の問題を取り上げてみようと思うわ。これで、特に要望がない限り記憶について長文枠で扱うのは最後にするつもりよ。
2013-12-25 21:30:46はじめに、目撃証言における記憶の歪みを紹介するわね。司法社会においては、目撃証言って結構重要なのよ。たった一つの思い込みが、もしかしたら誰かの人生を変えてしまうかもしれないもの。そこで、米国の認知心理学者ロフタスら(1974)は、こんな面白い研究をしているの。
2013-12-25 21:31:25ロフタスらは、はじめに参加者に対して自動車事故の映像を見せたのよ。その後で、あるグループには「自動車がぶつかった時、どのくらいスピードが出ていましたか?」と尋ね、もう一方のグループには「自動車が激突したとき、どのくらいスピードが出ていましたか?」と尋ねたの。
2013-12-25 21:31:55すると、2グループとも同じ映像を見ていたにも関わらず「激突したとき」と尋ねられたグループの方が、「ぶつかった時」と尋ねられたグループより、スピードがより速く出ていたと証言したの。
2013-12-25 21:33:21また、同じグループに対してガラスが割れたのを見たかと尋ねたの。本当は、映像ではガラスは割れていなかったんだけど、「激突したとき」と尋ねられたグループの人の中には結構見たと答えた人が多かったわ
2013-12-25 21:35:11これらの結果からロフタスらは、見た事と、外部から補充された情報が記憶の中で統合されてしまうと考えたのよ。実際、質問のされ方によって思い込んでしまう事ってあるわよね。
2013-12-25 21:35:48では、これをどうやって防ぐかって話になるんだけど、100%防ぐのは記憶のメカニズム上難しいわね。だから、聞く方ができるだけ記憶を歪めない聞き方を心掛けること(映像の車は何キロ出ていましたか)や、そもそも記憶は歪むのだからその人の話をうのみにし過ぎないことが大切だって言えるわね。
2013-12-25 21:36:26また、同じくロフタスの研究によれば犯人が刃物などの凶器を持っていた場合は、そうでない場合と比べて犯人の人相といった凶器以外の記憶は抑制されやすいのよ。詳しくは山田・中篠(2010)目撃証言における凶器注目効果の検証(広島大学大学院教育学研究科紀要)を参照よ。
2013-12-25 21:37:00リントン(1982)は、日々の出来事を2つ以上カードに記入して、その中から毎月ランダムに引いてその内容を思い出すという研究をしたのよ。この様に、日々の出来事を日誌に記録する調査方法は、日誌法と呼ばれているわ。
2013-12-25 21:38:29この結果、リントンは自伝的記憶の忘却について2つの特徴を発見したわ。1つ目は、定期的な会議といった類似した出来事の特徴が消えて区別がつかなくなること。2つ目は、些細な出来事が全く思い出せなくなること。
2013-12-25 21:39:01また、ワーゲナー(1986)はリントンと同じ調査を検索手がかりと印象評定の2つを情報として加える形で記録し研究したのよ。その結果、検索手がかりとしては何をしたかが最も有効で、次にどこで、誰と。いつやったかは、ほとんど想起に役に立たなかったそうよ。
2013-12-25 21:40:17レミニセンスパンプ現象といって、10代から30代に起きた自伝的記憶については再生されやすいという現象があるわ。これは、60代以上の人に見られる現象よ。その年代のうちに出合う事って、人生において珍しいものが多いわよね。このように新奇性の高いものは長期記憶化されやすいのよ。
2013-12-25 21:41:15レミニセンスパンプ現象について、補足するわ。 自伝的記憶については、手がかり語法を用いて研究しているわ。手がかり語法っていうのは、何らかの単語を参加者に与え、そこから連想されるエピソードを一つ思い出させ、それを経験した年齢を報告させるのよ。
2013-12-25 22:24:03こうして得たエピソード数を年代別に集計すると、幼児期のエピソードはほとんど報告されず(幼児期健忘)、10代から30代のエピソード報告数が一番多くなり40代から50代にかけて減少し、60代頃のエピソードはまた増加(親近性効果)するの。
2013-12-25 22:26:03