心理学から考える性格~血液診断、体格と性格~

世間にあふれる、××な顔の人は○○な性格だといった理論や血液型性格診断は正しいのかについて解説したわ。
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心理学たん @psycho_tan

今日本屋さんへ行ったら、顔の特徴からわかる性格っていう内容の本を打っていたわ。売れるとはいえ、いまだに本職の心理学者(と思われる人)が、こんな本を書いてるって思うと悲しい気持ちになるわね……。

2013-12-28 17:37:45
心理学たん @psycho_tan

こういった誤解を解くためにも、今日は人間の性格に関する先行研究でも紹介しようかしらね。

2013-12-28 17:38:31
心理学たん @psycho_tan

人間の性格を考えるうえで、大きく分けて2つの考え方が存在するわ。1つは、人間の性格をいくつかのタイプに分ける類型論。もう1つは、人間の持ついくつかの性格(外向性、誠実性など)について、それぞれを得点化してその得点によって1人1人の性格を捉える特性論よ。

2013-12-28 21:16:54
心理学たん @psycho_tan

言葉で説明するとわかりにくいけど、類型論で有名なものとしては血液型による性格があるわ。あれは、A型の人は几帳面、O型の人は大雑把っていう風に性格をいくつかのグループに分類しているわよね。

2013-12-28 21:17:29
心理学たん @psycho_tan

ところで、話が脱線するけれどみんなはこの血液型性格診断を信じているわけはないわよね? 実際、医学的・心理学的根拠はないわ。でも、この性格診断に関する調査で詫摩・松井(1985)は、興味深い結果を出しているわ

2013-12-28 21:19:03
心理学たん @psycho_tan

詫摩らは、大学生640名に対して、①参加者の血液型、➁能見(1984)で血液型によって変わりやすいと挙げられた性格特性に自分は当てはまるかどうか(はい・?・いいえ)、③血液型によって性格は異なると思うか、④性格特性に関する質問紙を実施したの。

2013-12-28 21:19:53
心理学たん @psycho_tan

結果として、血液型による性格の違いは発見されなかったわ。ところが、興味深いことに血液型性格診断を信じる人には、①他者と親密になりたいという親和欲求、➁権威への追従欲求、③感情の起伏が激しいという特徴があったの。

2013-12-28 21:20:52
心理学たん @psycho_tan

とはいえ、血液型差別は、本やメディアによって助長されている部分もあるわ。これについては、面白い論文があって詳しくは山岡重行(2011) テレビ番組が増幅させる血液型差別(心理学ワールド)を読んでちょうだいね。

2013-12-28 21:22:20
心理学たん @psycho_tan

閑話休題、類型論の話に戻るわね。類型論については、クレッチマーが体格と性格の関係について論じたものがあるわ。クレッチマーによれば、精神疾患と体格には関係があるとされているわ。そこで彼は、入院してきた患者に対して体格を部位ごとに細かく測定したのよ。

2013-12-28 21:23:10
心理学たん @psycho_tan

細長型の人は、統合失調症患者に多くデリケートで、非社交的よ。肥満型の人は、躁うつ病患者に多く、社交的で無邪気よ。筋肉質な人(闘士型)は、てんかん患者に多く、几帳面に誠実よ。どう、これが正しいと思うかしら? じゃあ、几帳面で人見知りな人は細長型か闘士型かどっちかしら?

2013-12-28 21:24:20
心理学たん @psycho_tan

類型論はタイプごとの性格が記述されているため分かりやすいわ。でも、いくつものタイプの性格を併せ持っている人は少なくないのに、そういう人の事は何も説明できないのよ。

2013-12-28 21:25:29
心理学たん @psycho_tan

1つのタイプに当てはまる人はそのグループの性格特性をすべて持っているべきと考えられているの。たとえば、肥満型の人は社交的でかつ無邪気であるべきで、社交的だけど無邪気じゃないっていうのは認められないのよ。この様に、類型論では、個人の性格を正確に理解する事は出来ないわ。

2013-12-28 21:26:02
心理学たん @psycho_tan

そのため、人間の性格を理解するためにはいくつもの物差しとなる性格特性についてその程度の差の組み合わせから理解していくことが必要となるのよ。そこで、オールポートは人間の性格特性のうちほとんどの人が持っているであろう性格特性を辞書から抜き出して記述していったのよ。

2013-12-28 21:27:39
心理学たん @psycho_tan

オールポートは、最初4500個の性格特性を表す単語を発見したの。でも、それらすべてについて回答させるにはかなりの時間がかかってしまうわ。そこで、キャッテルは4500個の中から似たものを16個の因子にまとめ上げたのよ。

2013-12-28 21:28:30
心理学たん @psycho_tan

フィスクは、さらにキャッテルの研究を発展させて、5つの因子にまとめたわ。この5つとは、外向性・調和性・誠実性・神経症傾向・開放性よ。外向性は、活動性や他社との関わりを好むかどうかの指標よ。調和性は、思いやりや他者への貢献の度合いを示す指標よ。誠実性は、計画性の指標よ。

2013-12-28 21:29:28
心理学たん @psycho_tan

開放性は、創造力や好奇心の指標よ。神経症傾向は、不安の感じやすさやマイナスな感情の程度の指標よ。

2013-12-28 21:30:40
心理学たん @psycho_tan

特性論では、これら5つの指標の得点の組み合わせによって人の性格を判断するわ。A君は、外向性が高く、神経症傾向は低く、調和性は中程度、開放性は高いといった感じで判断するわ。

2013-12-28 21:31:25