【イルカは食べ物】 イルカに関連したケネディ大使の発言に対する反論 【クジラも食べ物】

僕は生まれてこの方、イルカを食べて育ってきた生粋のイルカ食いです。 両親が食べさせてくれた美味しいイルカをこの先も食べたいし、この美味しいイルカを子孫にも食べさせたいと願ってやみません。 イルカは美味しい食べ物です。
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加藤AZUKI @azukiglg

.@CarolineKennedy 最後に、私の母の得意料理である『イルカの煮込み』の調理方法について説明します。

2014-01-19 14:13:00
加藤AZUKI @azukiglg

.@CarolineKennedy 私の出身地ではイルカは冬のご馳走で、12月から2月くらいまで、暮れから正月を挟んだ時期に多く出回っていました。

2014-01-19 14:13:42
加藤AZUKI @azukiglg

.@CarolineKennedy 父はイルカの時期になると朝1時から漁港に出かけ、水揚げされたイルカの競り売りと解体を行っていました。その数、一晩に少ないときで90匹、多いと120匹近くにもなりました。

2014-01-19 14:14:55
加藤AZUKI @azukiglg

.@CarolineKennedy イルカは水揚げされる前の時点で既に血抜きが行われており、これは幾つかのブロックに解体されて鮮魚店などに分配されます。血抜きが行われていてもその身肉には多くの血を含んだ状態であり、調理にはさらに入念な下拵えの続きが必要でした。

2014-01-19 14:16:14
加藤AZUKI @azukiglg

.@CarolineKennedy 父が漁港からイルカ肉を持ち帰ってくると、それを料理するのは母の仕事でした。私の家族は全員がイルカ料理が大好きでしたが、イルカを調理することは本当に大変でした。

2014-01-19 14:17:02
加藤AZUKI @azukiglg

.@CarolineKennedy まず、イルカ肉は皮付きのまま一口大に切り分けられます。これを鍋に入れて、一時間ほど流水に晒して血抜きをします。さらに、水を捨てて新しい水から茹でていくのですが、血液の多い獣肉の例に及ばず、大量のアク(加熱された血液)が浮かんできます。

2014-01-19 14:18:20
加藤AZUKI @azukiglg

.@CarolineKennedy それが浮かんできたら一度湯を捨てて、もう一度水から茹で直します。茹でこぼしというと中華料理の豚角煮込みが思い浮かびますが、それと基本的には同じです。この茹でこぼしを、およそ5時間ほど続けます。

2014-01-19 14:19:26
加藤AZUKI @azukiglg

.@CarolineKennedy 時間も手間も掛かりますが、それ以上に大変なのは匂いです。海獣の身肉はこれまで繰り返してきたように多くの血を含んでいますが、『魚を餌にしている生き物の肉』というのは、総じて血と油が生臭いのです。

2014-01-19 14:20:26
加藤AZUKI @azukiglg

.@CarolineKennedy このため、煮込んでいる間に出る匂いも相当なもので、家中、家の周囲までが大変な悪臭になります。父はイルカの身肉の解体に仕事として拘わっていましたが、イルカの血を浴びているだけで、身体からイルカの匂いが取れなくなる、と言っていました。

2014-01-19 14:21:44
加藤AZUKI @azukiglg

.@CarolineKennedy 手や服や髪や、呼気や、尾籠な話ですが屁ですら『イルカの匂い』になるのです。それほど強烈なイルカなのですが、5時間も煮込んでようやく下拵えを終える頃には、その悪臭は消え去っています。

2014-01-19 14:22:42
加藤AZUKI @azukiglg

.@CarolineKennedy ようやく下拵えが終わったイルカ肉は、根菜と一緒に煮込みます。人参、牛蒡、コンニャクが主な野菜で、これを味噌、醤油、砂糖、日本酒と一緒に煮込んでいきます。味は何味かと訊ねられたら『イルカ味』としか答えようがありませんが、玄妙で大変美味しい物です。

2014-01-19 14:24:17
加藤AZUKI @azukiglg

.@CarolineKennedy イルカの煮込みに使われる可食部分は、イルカの精肉部分、脂肪部分、そして真皮の部分です。歯ごたえがあり、最も硬いのが真皮で、脂肪部分はぶよぶよしており、精肉は煮込まれるとほろほろになります。

2014-01-19 14:25:23
加藤AZUKI @azukiglg

.@CarolineKennedy 完成直後の熱々でもおいしいのですが、一度冷やしたもののほうがより美味しいと思います。精肉部分にはリブのような骨付きのものもありますが、これもほろりと取れるほどに煮込まれています。

2014-01-19 14:26:28
加藤AZUKI @azukiglg

.@CarolineKennedy 鯨とイルカは日本においては大きさ以外の区別は特になく、双方共に近縁の海獣類となっています。私はもちろん鯨肉も食べますが、イルカ肉と鯨肉は似て非なるもの、むしろまったく別の食べ物であると思います。

2014-01-19 14:27:21
加藤AZUKI @azukiglg

.@CarolineKennedy ここまでの手間暇を掛けなければ食べられないけれども、それだけの手間暇を掛ければ大変おいしいご馳走になる。それがイルカという食べ物です。日本にはイルカ以外にも『そのままでは食べられないけれど手間暇を掛けるとご馳走になるもの』が多くあります。

2014-01-19 14:28:11
加藤AZUKI @azukiglg

.@CarolineKennedy それだけ、日本という国は本来、『食べ物が豊富ではなかった』とも言えます。たべられそうにないものも、知恵と工夫で食べられるように、できれば美味しくなるように、子供に少しでも美味しい物を食べさせたい、という愛情から生まれ育ったものです。

2014-01-19 14:29:05
加藤AZUKI @azukiglg

.@CarolineKennedy 貴方も母親であるなら、『子供に美味しい物を食べさせたい母親の気持ち』はご理解いただけるものと思います。 繰り返しになりますが、どうか我々の母の手料理を、我々の子孫に伝える機会を奪うことのないよう重ねてお願いします。

2014-01-19 14:30:01

付記:捕鯨再開のためにGHQは「戦艦長門」をも貸し出してくれようとしていた話

http://www.d1.dion.ne.jp/~j_kihira/library/nanpyoyo/nanpyoyo1.html

(簡単な要約)
戦後直後の食糧難の時代、日本は不足していた蛋白源を確保するべく、捕鯨の再開を試みた。
主立った外洋船は戦時徴用のため喪失しており、捕鯨に適した船を見付けるのは困難だった。そんなおり、GHQに捕鯨船に使える旧軍艦船の貸し出しを申し出たところ、「どれでも好きなのを貸してやる!」と気前よくGHQが管理する旧軍艦船のリストを出してくれた。
その中に「バトルシップ・ナガト」の名前もあって申し出た側も腰を抜かした、という(^^;)

この当時、捕鯨は世界各国で積極的に行われており、捕鯨大国ノルウェー筆頭に、戦後の荒廃で日本と同じく食糧不足に悩まされていた英国も積極的な捕鯨大国だった。ノルウェーだけで7000頭以上(シロナガスクジラに換算した場合)、英国だけで4000頭以上を捕鯨しており、英国は日本が南氷洋捕鯨に進出することを大いに後押ししてくれた。

日本の深刻な食糧難はこの時代の捕鯨によって大いに支えられ、日本水産・大洋漁業という二大捕鯨企業はその後マルハ、マルハニチロと名を変えて今に息づいています。

……かつて、そんな時代もあったのです。