自らの自殺を否定され発狂する引きこもりの心理4

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アドリア海 @keizi80

リムストーン心理研究所 http://t.co/ZNXFuWqkq2 スカイプにて各種人生相談、発達障害、うつ病、統合失調症対応カウンセリングを行っております

2014-02-01 13:49:37
アドリア海 @keizi80

「理由はまだほかにもある」 引きこもりは登山男の顔面を張り飛ばしたい欲望をこらえつつ、 あくまで冷静を装いながら話を続けた。 その声は振るえていた。 岬53

2014-02-03 15:21:55
アドリア海 @keizi80

「その友人が借りているアパートの部屋代はきわめて安かった。他所で探そうにも まず見つからない値段だった。その意味で彼にはその家を、その街を出て行くことは はばかられた。そもそも住所を変えるというのは、あんた、大変なことなんだ」 岬54

2014-02-03 15:22:41
アドリア海 @keizi80

荷物の配送に費用がかかるし、新たな賃貸先には敷金、礼金も払わなければならない。 すべての支出を考えるとそれはもうその時の彼には到底用意できない額だった。 そして極め付きに、彼には保証人になってくれるような身寄りが誰一人いなかった」 岬55

2014-02-03 15:23:23
アドリア海 @keizi80

「故郷に親がいるにはいたが、遠い昔に勘当されてしまって以来一切音信がなかった。 勘当されたのも元を正せば彼の発達障害が原因だ。 彼の症状は彼と肉親との間柄すら破壊してしまったのだ」 岬56

2014-02-03 15:24:06
アドリア海 @keizi80

「まあ、いずれにせよ、彼は書類に判を押してくれる保証人を持ち合わせてはいなかった。 これは賃貸契約には致命的なことで、こうなると貸手はきわめて限られた数となってしまう」 岬57

2014-02-03 15:25:33
アドリア海 @keizi80

「加えて、さっき言った各種費用の問題も合わせて考えれば、 引越しなどもはや絶望的だ。これが彼が新たな雇われ先を求めて それ以上移動することができなかった二つ目の理由だ」 岬58

2014-02-03 15:26:29
アドリア海 @keizi80

『といってもその段階で居住していたアパートとは契約できていたわけではないですか』 「そこの大家はきわめて良心的で保証人を求めなかったのだ。年寄りが有り余しの物件を 半分慈善活動的に貸し出しているような所で、家賃が破格の安さだったのもそれに関連している」 岬59

2014-02-03 15:28:29
アドリア海 @keizi80

「彼のような男に与えられた住屋があるとすれば日本中でそこくらいなものだった」 『本当に?』 登山男はおちょくるように聞き返してきた。 『本当にそう断言できるのですか?日本中を本気で探してみました?』 岬60

2014-02-03 15:29:45
アドリア海 @keizi80

「そんなこと言うならあんたが自分で探してみろよ」 引きこもりは次第に自らの激情を抑えきれなくなりつつある自分を察した。 これではいけない。こうして自制が効かないから自分はこれまであらゆる職場で追放され続けてきたのだ。 岬61

2014-02-03 15:31:21
アドリア海 @keizi80

今また死を目前にしてこんな不敬なやからを相手に醜態をさらすことはない。心のうちで必死に訴えかける彼の分身もいたが、これまでどおり彼本体の暴走を止めるブレーキとしては機能し得なかった。 岬62

2014-02-03 15:32:35
アドリア海 @keizi80

「友人だって何度か懸命に探した。必死になって這いずり回った。それでも見つからなかったんだ。 確かにあんたのいうように日本全土をくまなく歩いて探せばあるにはあるのかもしれない。 だがその間の旅費はどうするんだ?」 岬63

2014-02-03 15:33:52
アドリア海 @keizi80

彼は引越しの費用も出せず袋小路に陥っていたというのに それでは本末転倒ではないか。仮にあんたが旅費も工面せず日本の片隅からでも彼の条件に 適合する住居を見つけてこれたらその時は友人の努力も完全ではなかったと認めるよ?」 岬64

2014-02-03 15:35:03
アドリア海 @keizi80

「それであんたできるの?そういう住まいを探し出せると断言できるの?」 『別に探し出すまでもありません』 登山男は引きこもりをどこまでも軽くいなした。 『どうしても住む場所が見つけられない場合はホームレスになればいいのです』 岬65

2014-02-03 15:35:48