発達障害者の自殺についての考察

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アドリア海 @keizi80

リムストーン心理研究所 http://t.co/ZNXFuWqkq2 スカイプにて各種人生相談、発達障害、うつ病、統合失調症対応カウンセリングを行っております

2014-02-01 13:49:37
アドリア海 @keizi80

「努力しなかった?俺が?」 引きこもりは目をむいて登山男に詰め寄った。 『あなたではありません、あなたのご友人がです』 登山男はしたり顔でにやにや笑った。 岬39

2014-02-01 13:20:34
アドリア海 @keizi80

引きこもりはしまったと思った。 今はあくまで「自分の友人が自殺した」という設定を貫かねばならぬところを、 いらぬ失言をしたと後悔した。 岬40

2014-02-01 13:21:25
アドリア海 @keizi80

反面すでに、いやそもそも、自分の設定などこの男には見透かされているのではないかという不安にも襲われた。 「俺の友人の努力がたりなかったって言うのか?」 『ええそうです』 「あんたに俺の友達の何がわかるの?」 岬41

2014-02-01 13:22:04
アドリア海 @keizi80

『じゃあ伺いますが、ご友人はどのような努力をなさったのですか?』 「どのようなって」 『ご友人は生きることを欲していたのでしょう?最後の最後まで生きようとしていたのでしょう?』 岬42

2014-02-01 13:23:01
アドリア海 @keizi80

『その気持ちを行動に転換できていたなら、よっぽどのことがない限り死なずにはすむのではないですか? ご友人は死ぬよりほかに道がなくなったと仰いましたが、こと文明国である日本には 多様な選択肢が用意されているのです』 岬43

2014-02-01 13:23:47
アドリア海 @keizi80

『そのすべてを試すだけの努力をご友人がはたして はらっていたのか私には疑問です』 岬44

2014-02-01 13:24:26
アドリア海 @keizi80

「ふふ」 引きこもりは冷笑した。 登山男の胸倉をつかんでやりたい衝動にも駆られたが、すぐにそんな野蛮な行いは自分の本性にそぐわないないことを悟り、 また登山男のでしゃばり様へも目が行き、その方向性を冷静に攻め立ててやろうと思い直したのだ。 岬45

2014-02-01 13:26:12
アドリア海 @keizi80

「それは実際本人の立場に立ってみないと分からないことじゃないのかなあ。 少なくとも僕の友人について何一つ情報を得ていないあんたが推定で語れる ようなことではないと思いますがね」 岬46

2014-02-01 13:26:51
アドリア海 @keizi80

『ではあなたのご友人はどのような境遇にあられたのですか?』 「僕の友人はね、年代もののおもちゃが大好きな、ただそれだけの小市民だったんだ」 『ほお』 岬47

2014-02-01 13:27:31
アドリア海 @keizi80

「それで貧乏ではあったんだけれど、あちこちを這いずり回り、限られた蓄財を削っては 獲物をあつめ、いつか一人だけの博物館を作ることが夢だったんだ。それだけの小市民だったんだ」 『ほお』 岬48

2014-02-01 13:28:04
アドリア海 @keizi80

「ただ彼は問題を抱えていた。彼は発達障害者だったんだ。それで行く先々で毛嫌いされ 仕事を首になり、必死に再就職先を見つけて働いては、また首になった。」 岬49

2014-02-01 13:29:15
アドリア海 @keizi80

「それで彼の周囲のコミュニティにも、どうやら彼という異常者がいるということが知れてきたんだろうな とうとうどこも彼を雇ってはくれなくなった」 『引っ越せばいいではないですか』 岬50

2014-02-01 13:29:49
アドリア海 @keizi80

「それは3つの理由からできなかった。まず友人はそれまでの段階で何度か引越しを行っていた。 以前いた場所でも似たような目にあい、住居を変えざるを得なかったのだ。それで友人は駄目だと 悟った。症状がある限り日本中どこへ逃げても同じだと諦めたのだ」 岬51

2014-02-01 13:30:32
アドリア海 @keizi80

『諦めたではないですか』 登山男はせせら笑った。 『実際に日本中を逃げて回る努力をあなたの友人ははらわなかった』 岬52

2014-02-01 13:31:05