ヒア・カムズ・ザ・サン #6

日本語版公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 書籍版公式サイト http://ninjaslayer.jp/ ニンジャスレイヤー「はじめての皆さんへ」 http://togetter.com/li/73867
1
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「しかし……飛ぶんだ!」「飛ぶとも」メフィストフェレスは頷いた。「だからこそだ。管制室に不粋なニンジャが踏み込めば、我々の身に危険が及ぶ。よいかね、博士。残念ながら今は最大エマージェンシーだ。大変に敵が近いのだ。迫っている。ここにおれば成果を見届けず死ぬ事になるやも知れぬ」41

2014-03-28 22:40:28
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「メフィストフェレス……」「ナイミツから見届けるがいい。そこを君の特等席とすればよい。下手なリムジンよりも快適だ。リシャールを開けようじゃないか」「ここが現場だ!これが我が人生の極限なのに!」「寂しい事を言うな」たしなめる悪魔の声音は優しかった。「全ての始まりだよ」 42

2014-03-28 22:45:44
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ブガーブガー!アラート音が鳴り響き、照明が激しく点滅する。「ア……」フクトシン博士は凍りつく。光と影の中、メフィストフェレスの……己に全てを与えた存在の、メンポと装束が垣間見えたからだ。「アイエエエ」「来たまえ。見苦しいぞ」悪魔は手招きし、エレベーターへ向かう。博士は従った。43

2014-03-28 22:55:34
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ピロコピロコピココ……冷たいUNIX駆動音と、エンジニア達の寡黙なキータイプ音が後に残った。モニタの一つは、着々とゼロに向かって縮小する数字が表示されていた。エンジニア達は厳粛な儀式を進行させる修道士めいて、その数字を……そして闇に浮かぶ光の柱を……凝視するのだった。 44

2014-03-28 23:02:06
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」首をへし折られながら吹き飛ぶクローンヤクザが円形エントランスホールに叩き込まれ、一瞬後には飛び蹴り姿勢のレッドハッグがエントリーした。スターン!スターン!スターン!円形エントランスホールに等間隔で設けられたフスマが一斉に開き、機銃を構えたクローンヤクザが出現! 46

2014-03-28 23:10:15
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ザッケンナコラー!」「スッゾコラー!」「ワメッコラー!」BRRRRTTTT……マズル光が弾け、恐るべき掃射がレッドハッグを襲う!レッドハッグの目が光った。回転しながら身を沈めてゆく!「イヤーッ!」放たれるスリケン!一枚!二枚!三枚!「グワーッ!」「グワーッ!」「グワーッ!」47

2014-03-28 23:14:27
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ザッケンナコラー!」「スッゾー!」ロングドスを抜いた追加クローンヤクザが次々に現れる!「イヤーッ!」レッドハッグは身を沈めての回転から床を蹴って跳躍、着地と同時にロングドスヤクザの一人を斬り殺した。「グワーッ!」「チェラッコラー!」「イヤーッ!」「グワーッ!」さらに一人!48

2014-03-28 23:17:32
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「アッコラー……」死体を踏み越え現れたのは、二刀流を構え、「御意見番」の旗を背負ったクローンヤクザだ。両腕がサイバネティクス置換された特殊運用タイプ……サムライヤクザである。「ツカマツル!」「イヤーッ!」レッドハッグは躍りかかる!所詮はクローンヤクザだ! 49

2014-03-28 23:23:40
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」切り結ぶ二者!そのサイバネティクス腕は本体クローンヤクザのカスタム費用に十倍をかけてなお勝るコストであろう。レッドハッグの激しい打ち込みに二刀で対応する。扱うカタナの数が二倍!つまり二倍の対応力なのだ。 50

2014-03-28 23:27:37
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」サムライヤクザの激しい打ち込みにレッドハッグの切っ先がぶれる。舌打ちする彼女へサムライヤクザは踏み込み、二刀を振りかぶった。「ツカマツル!」アブナイ!?否、誘い込みだ!既にサムライヤクザの腹には水平の裂傷が刻まれていた!51

2014-03-28 23:35:03
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「グワーッ!」サムライヤクザの腹から臓腑が零れた。強力な斬撃をあえて呼び込み、予備動作にかかる時間を利用したレッドハッグ見事!両膝をついたサムライヤクザの首を、「イヤーッ!」「アバーッ!」一息に刎ね飛ばす!だが、まだだ!カタナを朱塗り鞘に納めながら、彼女は天井を振り仰いだ。 52

2014-03-28 23:40:25
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」ギイイイン……盾めいて掲げた朱塗り鞘に、落下してきたニンジャのサイの切っ先が食い込んだ。「イヤーッ!」そのニンジャは更に蹴りを繰り出し、反動で後方へ回転ジャンプ、着地と同時にオジギした。「ドーモ。ヘファイストスです」「ようやくニンジャのお出ましだね」 53

2014-03-28 23:48:00
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

天井の円形の穴から落下してきたヘファイストスに、レッドハッグはオジギを返した。「ドーモ。レッドハッグです。で……誰だっけな?そっちのアンタは」「ドーモ。レッドハッグ=サン。シャドウドラゴンです」機銃ヤクザの死体を踏み越え現れたのは、竜頭の、影めいたニンジャである。「忘れたね」54

2014-03-28 23:52:22
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「目的は何だ、女?」ヘファイストスが問う。「狂人に付き従い、無謀なイクサに参加する理由は何だ」「売られたケンカを買ってンだろうが」レッドハッグはヘファイストスを睨み、頭を掻いた。「こちとらカラテで食ってンだ」「貴様の行いは高くつくぞ」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」55

2014-03-29 00:00:28
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

レッドハッグめがけ、シャドウドラゴンの影のクナイ・ダートが飛んだ。レッドハッグは床へ跳んで転がり、そのままヘファイストスの足首をカタナで切り裂こうとした。ヘファイストスは回転ジャンプでこれを躱し、空中で上下逆さになりながら、下のレッドハッグめがけサイの突き攻撃を繰り出した。 56

2014-03-29 00:04:24
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」ヘファイストスの突き下ろした危険なサイは、レッドハッグの頭を床へ縫い付けかかった。彼女は首を動かし、右の耳朶にひどいピアス穴を作るに留めた。そして、シャドウドラゴンがアンダースローした影のクナイにスリケンを投げ返し、対消滅させた。57

2014-03-29 00:09:06
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」レッドハッグは顔の横に突き立てられたサイをチョップで弾き、そのままウインドミル回転。ヘファイストスの横腹をカタナで斬りにいった。ヘファイストスはもう一方のサイで受け、反動で後方へ跳んだ。シャドウドラゴンはレッドハッグに飛びかかった。58

2014-03-29 00:24:59
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」レッドハッグとシャドウドラゴンの回し蹴りがぶつかり合った。後方へ跳びながら、ヘファイストスはサイを投げつけた。レッドハッグの回し蹴りのムーブは、カタナの動きを兼ねていた。彼女は飛来したサイに斬りつけ、弾き飛ばした。 59

2014-03-29 00:27:26
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」シャドウドラゴンはワン・インチ距離のチョップを繰り出した。レッドハッグは朱塗り鞘を持つ腕で肘打ちを繰り出し、これを受けるとともに、カタナを鞘へ戻した。ヘファイストスは着地と同時に床を蹴り、腰に帯びた予備サイを両手で構えて襲いかかった。60

2014-03-29 00:32:53
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」レッドハッグは朱塗り鞘ごとカタナを振り、ヘファイストスの側頭部に叩きつけた。納刀の動きに目測を狂わされたヘファイストスは強打をまともに受けた。シャドウドラゴンはレッドハッグの脇腹に蹴りを叩き込んだ。レッドハッグはこれをまともに受けた。61

2014-03-29 00:37:22
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「グワーッ!」ヘファイストスは血走った目を見開いた。「ヌウーッ!」」レッドハッグはヒビが入るほどに奥歯を食いしばり、このダメージに耐えた。踏みしめた足元の床に亀裂が走った。「イヤーッ!」シャドウドラゴンが更なるチョップを振り上げかけ、止めた。そしてブリッジした。 62

2014-03-29 00:40:05
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ブリッジしたシャドウドラゴンの腹の上をカタナが通過した。レッドハッグは斬撃を止めず、そのまま回転した。左側頭部に朱塗り鞘を叩きつけられたヘファイストスの右側頭部にカタナが届いた。彼はサイを上げて斬撃を受けようとしたが、ALAS、その動きは、側頭部がカタナを受け入れた後だった。63

2014-03-29 00:43:03
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」レッドハッグはカタナを振り抜いた。ヘファイストスの頭部、耳から上が北半球めいて切り離され、脳が吹き飛んだ。「サヨナラ!」ヘファイストスは爆発四散した。「イヤーッ!」コンマ2秒後、ブリッジ姿勢からバネめいて復帰しながらの両腕チョップをシャドウドラゴンが繰り出した。64

2014-03-29 00:48:53
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「グワーッ!」レッドハッグは両肩にチョップを叩き込まれ、膝をつく。鎖骨が折れた。「イヤーッ!」シャドウドラゴンはヤリめいたサイドキックを冷徹に繰り出した。「グワーッ!」レッドハッグは逆くの字に仰け反り、そののち床を転がり、クローンヤクザの死体の上に重なった。ナムサン……! 65

2014-03-29 00:55:59