【twitter小説】猫の管理人#4【ファンタジー】

街に猫が増え続けている…清掃ギルドの青年は猫をなんとかしようとするが、そのとき夢に現れたのは猫の魔法使いだった。小説アカウント@decay_world で公開したファンタジー小説です。この話はこれで終わりです
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減衰世界 @decay_world

 あちこちに、真っ赤な猫の足跡がついているのだ! まるでスタンプのように猫の肉球がそのまま貼りついている。それは床中を埋め尽くすほどびっしりとつけられていた。いや、床だけではないのだ! 111

2014-04-15 20:25:07
減衰世界 @decay_world

 天井や壁、家具に至るまで、猫の足跡はびっしりと貼りついていた。官憲たちもこれにはどうしたものか声も出ないようだった。行方不明の連絡があり家に押し入った所、この惨状だったというのだ。 112

2014-04-15 20:31:19
減衰世界 @decay_world

「いったいこれはどうしたことでしょうね……何か心当たりはありますか? 何か魔術的なものに傾倒していたとか……」 「はぁ、彼自身そういった様子は無かったのですが……」 113

2014-04-15 20:37:22
減衰世界 @decay_world

 レウンは猫の管理人のことを言おうか迷った。そもそも確証も持てない話であるし、魔法使いの起こした犯罪は黙認されるのがこの世界の法だ。これが魔法犯罪だと確定したら確実に迷宮入りだろう。 114

2014-04-15 20:42:36
減衰世界 @decay_world

「そうですね……わたしには何も分かりません。すみません」  官憲たちは少しレウンの話を聞き取り、彼を解放してくれた。もう上司と会うことも無いだろう。夕暮れから宵の口に入り、辺りは真っ暗になっていた。 115

2014-04-15 20:48:03
減衰世界 @decay_world

 猫たちは、どこへ行くのだろうか。 116

2014-04-15 20:52:59
減衰世界 @decay_world

――猫の管理人 (了)

2014-04-15 20:53:46