遠くまで飛びうるホットパーティクルは、どのくらいの放射能を持ち得るか?

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東京GIGO @ekb90377

『遠くまで飛びうるホットパーティクルは、どのくらいの放射能を持ち得るか?』

2014-05-02 03:14:02
東京GIGO @ekb90377

過去に他の方が、もっと良い考察をされたかも知れないが。

2014-05-02 03:14:18
東京GIGO @ekb90377

(参考文献)Adachi,K.,et al.(2013)."Emission of spherical cesium-bearing particles from an early stage of the Fukushima nuclear accident"

2014-05-02 03:14:35
東京GIGO @ekb90377

↑こちらの文献のデータから、電卓で粗々に当たってみた。(文献御教示いただいた、みーゆ@リケニャ @miakiza20100906様に御礼申し上げます)

2014-05-02 03:16:16
東京GIGO @ekb90377

著者らは、福島原発事故の際に、つくば市の気象研究所の屋上で、石英繊維フィルターを使ってエアロゾルのサンプルを採取した。

2014-05-02 03:16:33
東京GIGO @ekb90377

3/14-15の採取で、大きいのが3個入っていて、一番放射能の高かったのが粒子1であった。

2014-05-02 03:17:00
東京GIGO @ekb90377

(セシウム粒子1)直径:2.6μm、形状:球形、成分:鉄、亜鉛、塩素、マンガン、酸素、セシウム、放射能:3.27±0.04Bq(137Cs)及び3.31±0.06Bq(134Cs)、粒子密度:2.0g/cm3、Cs質量百分率:5.5%

2014-05-02 03:17:15
東京GIGO @ekb90377

密度がずいぶん小さい気もするが、金属ヒュームの形成過程において、数nm~100nm程度の1次粒子が凝集して最大数μm程度の2次粒子になる際に、 完全に中実の球体にならず、ある程度ポーラスになったり、隙間ができたりするためかと思われる。

2014-05-02 03:17:54
東京GIGO @ekb90377

さて、これがどのくらいの大きさであれば、風に乗って遠くまで飛びうるだろうか?

2014-05-02 03:18:45
東京GIGO @ekb90377

もちろん気象条件に依存するのだが、例えば、雲粒の大きいものと最終落下速度が同程度であれば、(雲粒の大きいものと同じくらい)風に乗って遠くまで飛び得るだろう。これを一つの目安とする。

2014-05-02 03:19:15
東京GIGO @ekb90377

以後、細かい計算は省略するが、雲粒の大きいものは直径10μm程度で、最終落下速度は1cm/s程度である(Wikipedia『雲粒』より。※20μmや1.2cm/sという他資料も有)。比重は簡単のために1とする。

2014-05-02 03:19:53
東京GIGO @ekb90377

微小な球体の最終落下速度は、球体の密度に比例するとともに、直径の2乗に比例する。

2014-05-02 03:20:35
東京GIGO @ekb90377

密度に比例、直径の2乗に比例、というのに奇異な感じを受けるかも知れないが、微小な物体の空気抵抗は、車や飛行機のように速度の2乗に比例せず、 粘性(摩擦)の影響が支配的となり、速度の1乗に比例するからである。

2014-05-02 03:21:21
東京GIGO @ekb90377

さきほどの(セシウム粒子1)は密度が2.0g/cm3なので、(雲)1*10^2=(Cs)2*7.1^2で、7.1μmの直径の時に、最終落下速度が1cm/s程度となる。

2014-05-02 03:21:51
東京GIGO @ekb90377

直径7.1μmの場合の放射能は、(3.27+3.31)*(7.1/2.6)^3=6.58*2.72^3=134Bqとなる。

2014-05-02 03:22:34
東京GIGO @ekb90377

この計算は(セシウム粒子1)を単純に最終落下速度が1cm/sになるまで大きくしてみたものである。実際には、Cs質量百分率をはじめとして、組成・形状・寸法・密度には、相当なばらつきがあるであろう。

2014-05-02 03:23:03
東京GIGO @ekb90377

したがって(雲粒の大きいものと同じくらい)風に乗って遠くまで飛びうるホットパーティクルが、数百Bq/個のオーダーの放射能を持っていたとしても、特段不思議ではないだろう。

2014-05-02 03:23:55
東京GIGO @ekb90377

仮に上昇気流で500mまで上がると、その後1cm/sで地上に降りてくるまで5万秒。風速5mだと25万m(250km)移動することになる。風速が強かったり、途中で上昇気流に遭うと、もっと遠くまで移動する。

2014-05-02 03:24:39
東京GIGO @ekb90377

また、以降は頭の体操ではあるが、7.1μmを2倍の14.2μmにすると、最終落下速度は4cm/sになるから、同じ条件で62.5km移動。放射能は134*2^3=1,072Bq。

2014-05-02 03:25:11
東京GIGO @ekb90377

7.1μmを3倍の21.3μmにすると、最終落下速度は9cm/sになるから、同じ条件で27.8km移動。放射能は134*3^3=3,618Bq。(雲粒は20μm程度が限界とのことなので、この辺で止めておく)

2014-05-02 03:25:54
東京GIGO @ekb90377

『プルトニウムは重いから遠くまで飛ばない』というのはどなたが言われたことか忘れてしまったが、『比重がいくら重くても、直径が小さければ遠くまで飛ぶ』訳である。

2014-05-02 03:26:37
東京GIGO @ekb90377

比較的大きなホットパーティクルが、何かの拍子で運悪く、鼻腔や肺や喉に入ってしまい、なかなか出て来なくなることを想像すると、怖い感じがする。

2014-05-02 03:32:41
東京GIGO @ekb90377

とは言え、あまり大きなホットパーティクルは、小さなものと比べて、割合としては急激に少なくなるはずなので、そうそう頻繁には出くわさないか?と思う。またスギ花粉が20~40μmとのことなので、ある程度大きいものであれば、普通のマスクでもかなり防げるか?と思う。

2014-05-02 03:42:59
cyborg001 @cyborg0012

@ekb90377 原子力エンジニアのM. Kaltofen氏がフクイチの揮発した核燃料コア(vapolazied core)に由来するホット・パーティクルが愛知県のダストから発見されたと発表。日本では発表できない報告です。 http://t.co/8KwvcnVQxO

2014-05-02 04:17:10
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